ブログの更新とレーサーの仕様変更

お陰様で、毎日お客様のエンジンや車両を整備させて頂いておりますが、この3ヶ月ほど、何故か作業がいろいろと重なってしまい、なかなかパソコンに向かって文字を書く時間が作れませんでした。

XJR1300のエンジンパーツ

筑波に行っても、お客様に会っても、友人に会っても、
『ブログの更新がないですね。』
と、お叱りを受ける有り様です。

申し訳ございません。ブログを書く気持ちは山ほどあるのですが、どうにも忙しさが先に来てしまい、ブログを後回しにしてしまう、今日この頃です。ごく一部のブログを楽しみにしている方、長引いた車両が1台終わりましたので、今後はもう少し頑張りたいと思います。


Fフォーク交換の目的

XJR1300レーサー

昨年末の寒い中でテスト走行をしてからは、Fフォークはこの仕様で走ってきました。それまでに使っていたフォークでは、いろいろと問題があり、常に転倒のリスクも付きまとっているような状態でした。

この歳になると、タイムなんて簡単には縮まりません。それどころか、どんどんとバックしていきます。少し前までは、タイムを縮めようと仕様変更したり、パーツを交換してみたり、そんなことは当たり前のようにやっていました。でも今は、少しでもタイムが落ないようにするには・・・。そんな事を考える事もあります。

サーキットを走る以上、常にタイムは気にします。もっと速く走りたい、と考えます。それを思わなくなったら、サーキットを走る資格はありません。でも、そんな中でも、どうせ走るのなら、もっと楽しく走りたい♪ と考えるようになりました。

一番面白くないのは、自分が思ったように走れないことです。オートバイが思ったように動かないことです。思ったようにオートバイが動けば、もっと楽しく感じるハズです。でも昨年のフォークでは、ちょっと無理すると簡単に転倒するような、そんな状態でした。

XJR1300レーサー

その頃のマシンです。一度、大きな対策はしたのですが、それだけでは解決しない問題もありました。それなりに頑張って走ってはみたのですが、やはりマシンが全く思い通りには動きません。行きたいところに行かないのです。

長年乗っていた「FZS1000レーサー」では、多少の問題はありましたが、なんとか使う事が出来ていました。しかし、同じ鉄フレームの車両でも、車種が替わると、オートバイの動き方は大きく変わりました。分かりやすく言えば、FZSでは何とか走れたものが、XJRでは「どうにもならない」のです。

昨年秋のレース前には、改善する為の仕様変更を行ないましたが、また別の問題が出てきてしまいました。それを急遽、乗りやすくするために、「オーリンズ正立フォーク」を、街乗り車から外して使っていた、という訳です。


『同じ』じゃ、つまらない。

「高野さんのバイクが、初めて普通に見えます。」
筑波に行った際、小室君からそう言われました。確かにそうかもしれません。

現在のカスタム(改造)は、車種専用に作られたパーツを取り付けるだけの場合が、ほとんどです。筑波を走る車両でも、そのようなものが多い気がします。

対して、私はずっと「工夫して造ったバイク」に乗ってきました。(あえて、作る、と造る、を使い分けてみました。)
それは、お世話になったバイク屋さんの影響です。

専用パーツなんて何も無い時代から、『どうやったらこの部品を使えるのか?』、そんな考えでレース車両やカスタム車両を造ってきた方が、すぐ身近におりました。何台もの車両に、乗せて頂きました。そうやってカスタム(改造)車両を造ってきたチームに所属しているのですから、やはり「普通」では面白くありません。「皆と同じ」、「誰でも出来る改造」では、つまらないと感じてしまいます。

面倒臭いことも大変なことも、いろいろありますが、やはり人と違うことをして、人と違う車両にするのが、このチームらしさだと、勝手にですが、思っています。ですからFフォークは、多くのライダーが使っている『オーリンズ正立43φ』をやめて、マニアックな「YHS 倒立」に戻しました。


普通に動くようにするために

FZS1000レーサー

長年、テイストで走らせてきた「FZS1000」で使用していたF回りですが、XJR1200に取り付けて走らせてみると、様々な問題が出てきました。両車共にスチールフレームのツーリング車ですが、エンジンやその他の仕様、コンセプト、作られた歴史や背景等は、全く異なります。ですから、違って当然なのです。

昨年の春は、何かを製作するような時間的余裕もありませんでしたので、出来ることをして対処しました。よく転ばなかったものです。

時間的余裕のある夏場に、あるパーツを製作して、対処しようと試みました。そのパーツを組んだおかげで、だいぶ問題は改善しましたが、今度は別の問題が発生しました。

その後、オーリンズ正立を経て、再度、このフォークを使用することになるのですが、この歳になって、Fフォーク関連の数字が変わることによって、走りがどう変化するのか、動きがどう変わるのか、具体的に学んだような気がします。まだまだ勉強が足りませんね。

新たに製作したパーツ

製作パーツの取り付け作業

製作パーツの取り付け完了

製作パーツと、その取り付け後の画像です。製作を決断するのは、簡単ではありませんでした。コストはもちろんですが、そのパーツで問題が改善されるのか、保証は何もありません。ただ、何もしなければ何も変わりません。残り少ないレース生活ですので、どうせ走るのなら楽しく走りたい!そんな想いから、パーツの製作を決めました。

その結果、操縦性は大きく変わりました。使いたかったブレーキも、また使えるようになりました。細かい数字は、あえてここでは書きませんが、そのパーツの重要性と変化具合を、実際に走って体験できたことは、この先、役立つことがあるかもしれません。


レース結果は・・・

肝心のレース結果ですが、今は順位だけを求めてはいませんので、まずは合格としておきましょう。

このXJRレーサーを造ってから、思うように動く車両に出来なかった訳ですが、今までで一番、思い通りに動かすことが出来ました。

初回のレース時は、Fが切れ込んで、簡単に転倒しそうな状態でした。2回目は、リアがフロントをプッシュしてハラんでしまうような感覚で、1コーナーでは乗りたくもないゼブラゾーンに、無理して開けてもいないのに乗ってしまうような、ヘッポコな走行ラインになりました。そして3回目は、禁断の「オーリンズ正立」を使い、有りきたりでつまらない車両になりました。

今までは、感覚と異なる動きをしてしまうような車両でしたが、その点も改善されました。タイム的には、もう少し上を目指していましたが、ほんの少しだけ、ベストも更新できましたので、今回は「これで良し!」としておきましょう。


応援頂き、ありがとうございます♪

土日のレース期間中、多くのお客様が実際に筑波サーキットまで、お越し下さりました。わざわざこんなヘッポコオヤジのところに顔を出して頂き、応援までして下さり、感謝しております。

いつも差し入れを持ってきて下さる山梨のNさん、美味しく頂いております。ありがとうございます。

ちょっとしたタイミングでお話が出来なかった方も、複数いらっしゃいましたが、その点は、ご容赦頂ければと思います。他意は何もございません。もう少しだけ走りたいと思っておりますので、次の機会にでも、再度、お声がけ頂ければと思います。


XJR1300のオーバーホールやチューニング等のご相談ごと、お悩みなどありましたら、お気軽にお問い合わせください。お一人お一人に誠意を持って、店主がご回答いたします。