XJR1300への想い
なぜオートバイに乗るのか?
私は、楽しくてオートバイに乗っています。心の底から楽しいと思えるから、今でもサーキットも走っています。
私はワークスライダーやテストライダー、郵便配達員のように、仕事でオートバイに乗っている訳ではありません。ですからオートバイには、常に『楽しみ』を求めています。
純粋に『楽しい』と感じる気持ちは、おそらく皆さんと何も変わりません。
ひょんな事から初期型XJR1200を、発売後すぐに購入しました。本当は買うつもりなどなかったのですが、今ではカワサキ系ですっかり有名なバイクショップに立ち寄った際、「これ、ツーリング用にいいなぁ~」と展示車を見て、バイク仲間と言っただけでした。
2週間後、「バイク、入ったよ!」と電話がありました。「高野は赤にしておいた。○○ちゃんはシルバーだよ」
買う、なんて一言も言っていませんでしたが、何故か購入することになりました。人でもオートバイでも、出会いなんて、そんなものかもしれません。
そして気が付けば、もう23年も経ちました。色も見た目も中身も、ほとんど変わってしまいました。購入時のパーツは、ホーンくらいだと思います。そのオートバイに今でも乗っています。
随分と長い間、こいつに乗っているな、と自分でも思います。
なぜXJR1300なのか?
XJR1300は、早く走るためのオートバイではありません。スタンダードに乗ると、取り回しも重く、走っても重く、動きも重く、そして現行のオートバイに比べると、圧倒的に遅いです。
そんなマシンを、自分好みに変えていく、これが面白い!
自分だけの為に、世界に1台だけの、自分が乗って楽しいと感じるオートバイを造る・・・。XJR1300には、そんな楽しみ方もあります。
遅いと感じるから速くする、パワーが無いからパワーアップする、動きが重いからクイックにする、カッコ悪い部分をカッコ良くする、車重が重いから軽くする、バンク角が足りないから増やす、ブレーキが効かないから効くようにする・・・
それら全てを、自分一人の好みに合わせて造っていく。
現行のレーサーレプリカには、そんな楽しみ方は見出せません。誰が乗っても速く走れるように、初めから素晴らしく良いオートバイに出来ています。でも、箱根に行けば楽しいけれど、箱根に行くまでに疲れます。一人では楽しいけれど、タンデムは疲れます。
XJR1300であれば、箱根に行く間も、箱根に行ってからでも楽しい!タンデムでのツーリングも楽しい!そう思えるオートバイだから、今でも乗っているのだと思います。
カスタム(改造)する、ということ
自分好みのオートバイにする、ということは、部品を交換したり調整をすることです。いわゆるカスタムです。一般的には、オートバイをカスタムする、チューニングする、と言われています。
ハンドルを換えただけでもペイントしただけでも、意味的にはカスタムと言えます。試しにWikipedia(ウィキペディア)で調べてみると・・・
カスタム(custom)とは、メーカー・販売店によって生産・販売された商品を、自分の趣味に応じて何らかの改造(カスタマイズ)する行為、改造された物品。対義語としては、カスタムされていない購入時の仕様のままの物品を「ノーマル」と呼ぶ事もある。
こうした改造に用いられる部品は、他機種の純正部品から流用する場合や、純正分品を加工ないし単品製作(ワンオフ)をする場合の他、市販されている改造用のパーツを使用する場合もある。市販されている改造用パーツは特に「カスタムパーツ」とも呼ばれる。
エンジン、足回りなど性能に関する改造は特に「チューニング」とも呼ばれる。俗に「ステッカー・チューニング」などと揶揄される有名メーカーのステッカーを貼るだけの手軽な外観のカスタムから、エンジン内部やサスペンションの構造まで改造する本格的なチューニングまで、その幅は広い。
要約すると、
- 何かしらの改造をすること = カスタム
- 性能に関する改造 = チューニング
という事になります。
ですから、私が行っているのは、カスタムでありチューニングであり、セッティング、という事になります。(セッティングとは、最適な状態に調整すること。)
カスタムバイクと楽しいカスタムバイクは、全く違うもの
カスタムするということは、メーカーが作り上げたバランスを自ら崩す、ということです。
メーカーは、ある意味で素晴らしくバランスの取れたオートバイを造ります。あるメーカーの開発部門の方々を知っています。彼らはサスペンションのイニシャル1回転の差を、走行して感じ取ります。そんな彼らの話を聞くと、そこまでメーカーはテストしているのか!と驚きます。
しかし、あくまでもそれは万人に向けたものです。上手い具合に平均値を出しているに過ぎません。それをどう自分好みの楽しいオートバイにするか、それがカスタムです。
バランスを崩す訳ですから、改造範囲が広くなればなるほど、バランスを取ることが難しくなります。エンジンでも車体でもブレーキでも、それは同じです。
例えばエンジンパワーを上げようと思えば、XJR1300には使えるパーツはたくさんあります。アメリカ製のドラッグパーツを使えば、200馬力でも可能です。
しかし、耐久性の問題や熱対策も必要になってきます。一歩間違えば、簡単に壊れるエンジンです。そもそも、街中ではそんなパワーは使えません。
エンジンには手を付けず、外見重視のパーツでカスタムする場合もあるでしょう。しかし、アフターパーツも万人向けです。特にサスペンションは、人それぞれに調整する必要があります。
いくら外見が格好良くても、走って楽しくなければ、それはどこかがおかしいのです。高価なパーツも、その性能を生かさなければ、見た目以外の役には立ちません。
なぜこのような事を言うのかと言えば、オートバイは走って楽しむもの、と思っているからです。
今までに、外見は格好良くて高価な削り出しパーツがたくさん付いているにも関わらず、とても満足に走れない、と感じるカスタムバイクに何度も試乗した経験があります。しかしオーナーの方には、どこがどう悪いのかが分かりません。
まともに走れないカスタムバイクは、そもそもお客様に納車するべきではありません。大掛かりな改造を理論だけで行い、テストすらしないで納車するのは、プロの仕事ではありません。
しかし悲しいことに、何度もそのようなカスタムバイクを目にしてきました。残念な話は、山ほど見聞きしてきました。
カスタムバイクを造れる方は、たくさんいます。しかしそのカスタムバイクを『乗って楽しいバイク』に仕上げることの出来る方は、多くはありません。
『走って分かる人』が造ったオートバイは、乗ればすぐに分かります。『走っても分からない人』が造ったオートバイは、怖くて乗れません。
エンジンのオーバーホール
初期型のXJR1200が発売されて、既に20年以上が経っています。愛着があり、カスタム費用をそれなりに掛けている方も多いでしょう。1300エンジンに換装されている方もたくさんいます。でも、エンジンは相当にくたびれています。
エンジンを快調にするには、オーバーホールする以外に方法はありません。そこでオーバーホールを考えた時、あなたは誰に依頼するでしょう。
幾ら安くても、雑な仕事で組んだエンジンは、それなりです。残念な事にオートバイ業界は、ショップの数に比べて良い評判のお店は、ごく一部のようです。
くたびれたエンジンをきちんとオーバーホールするだけで、あなたの愛車は全く変わります。「このバイク、こんなにパワーがあったんだ!」、「こんなにスムーズに吹け上がるんだ!」と驚きます。
消耗パーツを交換し、蓄積されたカーボンを落とし、各部をチェックし、精度の高い組み方をすれば、これから長い期間、また安心して楽しく走れるようになります。
オートバイを買い換えるのも一つの手ですが、愛着のあるオートバイに乗り続けるには、オーバーホールが最適な手段です。
XJR1300のオーナー様へ
オーバーホールにお悩みなら、まずはお気軽にお問合せ下さい。
乗って楽しいカスタムバイクを造りたい、とお考えなら、私までご相談ください。
XJR1300を知り尽くし、走らせてきたスペシャリストが、あなたの楽しいオートバイライフのお手伝いをします。
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