恒例の、真夏の走行会

毎年、8月の初旬に開催されていたRSイトウの筑波サーキット走行会ですが、今年は鈴鹿8耐の日程が変更になった関係で、7月に開催されることになりました。

まあ、7月でも8月でも、暑いことには変わりはないのですが・・・

真夏の筑波サーキット

朝から快晴です。快晴過ぎます。ワガママを言うつもりはないのですが、ここまで天気が良くなくても、雨さえ降らなければ、それで良かったのですが・・・。

朝9時には、気温は既に30度を超えています。路面温度も、どんどん上昇しています。こんな日に革ツナギを着て、しかもヘルメットを被り、すっかりヘッポコになったおっさんがサーキットを全開で走っても、大丈夫なものなのでしょうか・・・

若い頃は、鈴鹿8耐を見に、鈴鹿まで宿も取らずに見に行ったものです。炎天下、コーラを買うために、30分も並びました。いつしか『8耐に出たい!』と思うようになり、まずは6耐に出場しました。実際に8耐に出てみると、『また出たい!』と考えるようになりました。でもその頃は、今よりもずっと若かった!だから、走れていたのかもしれません。

この走行会を主催する伊藤君には、『あと1回、8耐を走らせてくれたら、レースはキッパリ止めるから!』と、言い続けていました。なのに、彼はその後、20年以上も8耐を走らせてはくれませんでした。だから、レースを止められなかったのです。ですから伊藤のせいで、いい年してもまだ走っている、ということにしておいて下さいね。


お客さんたちも、登場しました。

XJR1300でやってきた、お客さんたち

私がエンジンをオーバーホールしたりチューニングさせて頂いたお客さんも、暑い中、筑波までやってきました。数名の方は、自走です。ご苦労様です。私には、間違っても出来ません。

でも、みんな楽しみにしていたんです。サーキットを思いきり走れる機会なんて、なかなかありませんからね。それに、この走行会では、私がお客さんと一緒に走ることも出来ます。後ろから走りを見たり、前に出て、走行ラインを伝授したり、そんな事も可能です。

何故、インストラクターでもないのに、そのように自由に走ることが出来るのでしょうか?・・・。あまり深くは聞かないでくださいね。

私は、ただのヘッポコオヤジですが、こう見えても一応、国際A級ライセンス保持者なんです。レース経験も、インストラクター経験も、それなりにあります。それに、主催者の伊藤とは、35年以上の付き合いです。彼の恥ずかしい話も、たくさん知っています。だからだと思いますが、『好きな時に走っていいよ♪』と言われています。


今日の走行の目的は?

今回は、暑い日にはあまり乗りたくない、空冷オートバイを持ってきました。しかも、セル無しです。目的は、キャリパーのテストです。

ブレンボレーシングキャリパー

上が、今まで使っていたキャリパーです。昔から私たちの間では、「チビブレンボ」と呼んでいたキャリパーです。街乗り用のXJR1300にも使っています。下が、今回テストしたキャリパーです。外観は似ていますが、ピストン径やパッド形状が異なります。

このキャリパーを、レース用のXJR1300にも使っていましたが、以前のFZS1000レーサーや新型レーサーに使っていたブレンボキャリパーに比べると、効き具合やタッチに、多少の不満がありました。そりゃ値段もグレードも、何もかもが違いますので、当たり前と言えば当たり前なんですけれど。

ブレンボレーシングキャリパー

少し分かりにくいかもしれませんが、これがFZS1000レーサーに使っていたキャリパーです。削り出しボディのラジアルタイプです。借り物ですが、非常に良く効きます。

ブレンボレーシングキャリパー

こちらは、数年前に用意して頂いた、新しい『FZS1000Rレーサー』のキャリパーです。どう見ても、どちらのキャリパーも、効きそうですよね。

そんな、私のブレーキの好みを良く知る後輩君が、「使っていないブレンボがあるのでテストしてみませんか?」
と有り難い提案をしてくれましたので、取り付けてテストに行った訳です。

ブレンボレーシングキャリパー

外見は非常に似ていますが、こうして見ると、違いが分かります。このキャリパー、私は使ったことがありませんので、ちょっと興味もあり、テストしてみることにしました。

しかし、残念ながら結果はNGでした。14周くらい走りましたので、パッドの当たりではありません。感じで言えば、パッドとディスクの相性が悪い、といった印象で、私の判断では「使えない」となった訳です。

もしかしたら、パッドを変更すれば良くなるのかもしれませんが、そこまでする気にもなれません。ということで、2走行目までにピットでキャリパー交換です。


本日の、本当の目的は?

私の古いツナギを着ているお客様です。

こんなヘッポコおやじですが、一緒に走るのを楽しみにしてくれているお客様が、数名ですが来てくださいました。キャリパーのテストや交換作業、また暑い中の走行でヘトヘトでしたが、そのようなお客様には、出来る事はしてあげるのが当然の礼儀です。

ナンバー付き車両の走行ですが、それぞれ異なる時間帯の走行ですので、頑張って一緒に走りましょう♪

ピットロードからピットアウトします。

走行開始に間に合わなかった場合は、このように途中からピットアウトして、お客様の後ろに行きます。

後ろに付いて、3周ほど操作やライン取りを見て、その後、前に出ます。バックミラーはありませんが、時々後ろを確認しながら、どこで何をするのか、どこを走るのか、どうやって加速するのか、そんな事をできるだけ分かりやすいよう、気を使いながら走ってみます。

走行後は、難しい話はしません。簡単に分かりやすく、要点や注意点を幾つかアドバイスさせて頂きます。こんなオヤジのアドバイスですが、次に繋がれば良いのですが・・・。

結局、自分の走行も含め、100周近く走った気がします。久しぶりにヘトヘトになるまで走りました。満足です。


帰る前のご挨拶

『イトウ、ありがとな♪』
積み込み後、一声掛けました。

ちょうど横には、「カワサキと言えば、Y選手」と長い事言われている、柳川選手がいました。

「8耐、頑張ってね♪」
『あれっ、来ないんですか?』
「行かないよ~。エアコンの効いた部屋でビール飲みながら、応援しているから♪」
『あ~~っ、ムカつく♪』

そんな、ほのぼのとしたやり取りの後は、同様に『We○○ke』から走る人、『Ap○○lia』で走る人、監督で仕切る人たちにも、同様に「応援しているから!」と伝えて、帰途に付きました。

真夏の鈴鹿サーキットは、暑いです。しかも、もう若くはありません。そんなヘッポコおやじが居ても、何の役にも立ちません。疲れるだけで、行きたくはありません。でも、頑張るオジさんさんたちがたくさんいましたので、声だけは掛けさせて頂きました。

皆さん、暑いでしょうが、疲れるでしょうが、走りたくても走れないライダーは、たくさんいます。そんなヤツらの分まで、楽しく走ってくださいね。

エアコンの効いた部屋で、ビールを飲みながら、ちゃんと応援しますからね♪