最後の『SOHC製スペシャルピストン』製作のお知らせ
最近でも時々、『SOHC製スペシャルピストン』の問い合わせを頂くことがあります。ただ残念ながら、お譲り出来る分は既に無く、次回の製作も全く未定でした。材料の問題から、前回の製作でおそらく最後かと思っていました。
ところが、SOHCエンジニアリングの渡辺さんから、
『また作れるかもしれないよ♪』
とお話を頂き、6月にお会いした際には、
『よし、じゃあ最後にもう一度作ろう!』
ということになりました。
製作決定!です。
販売数は?
製作する数ですが、これは当ガレージの財力や、渡辺さんの労力の問題ではなく、材料の問題です。いくら作る気があったとしても、作る為の材料が入手出来なければ、どうすることも出来ません。
確保出来る材料から、おおよその製作数は決まりました。その中から、今回製作するにあたって、渡辺さんの背中を強く押したライダーが、「複数セット」の購入を、既に申し込んでいます。当ガレージでも、1~2セットは保有します。それらを考慮すると、販売できる数は「5セット」程度になります。
その他の条件は?
完成時期ですが、年内に間に合うかどうか、といったところでしょう。なにぶん、大変で面倒臭い加工を一人で行う訳ですから、無理は言えません。
販売価格ですが、以前に製作してから、既に3年が経過しています。その間、様々な物の価格が上昇しています。材料費、人件費、電気代、加工費・・・。ヤマハ純正部品でさえ、何度も値上げされています。それらを考慮すれば、前回の販売時から「10~15%」程度の値上げは、仕方ないでしょう。
販売数ですが、最後の製作で数が少ないものですから、「お一人・1セット」とさせて頂きたいと思います。
組み付け時の注意点
これは何もXJR1300に限ったことではありませんが、エンジンをチューニングしていくと、トラブルのリスクは増えるものです。特に高圧縮にした際に気をつけなければならないのは、デトネーションです。
主な原因は、点火時期とキャブレターセッティングです。これについては、
『点火時期とキャブレターセッティングは、どうしたら良いですか?』
というご質問を頂くことがありますが、申し訳ありませんが、お答え出来ません。これについては、ご自身で責任を持って考え、実践して頂きたいと思います。
チューニングやカスタムは、非常に良く出来た車両のバランスを崩し、自分好みに作り変える作業です。性能に関係の無い、部品交換だけのカスタムでは、そこまで気にする必要は無いでしょう。しかし、エンジンの重要部品であるピストンを交換し、高圧縮にしてレスポンスやパワーを向上させる訳ですから、そこには常にリスクが伴うものです。
ただそのリスクは、チューニングや高圧縮といった事を理解し、なぜそうなるのか?、どうしたらトラブルを防ぐことが出来るのか?、といった事までを知れば、多くの予想できるトラブルは、未然に防ぐことが出来ます。
上記の画像は、デトネーションで溶けて破損したSOHC製スペシャルピストンです。同じピストンで同様に溶けた事例は、他にもあります。しかし、デトネーションとは全く無縁で筑波サーキットを元気に走っているエンジンも、複数あります。私のエンジンも、北海道の友人のエンジンも、決勝レースでいつも私の近くを走っているお客さんのエンジンも、SOHC製スペシャルピストンを使っていますが、デトネーションとは無縁です。
つまり、使い方次第、ということです。
申し込みは、こちらから
僅かな数量だけの製作になります。次回の製作は、全く分かりません。おそらく最後かと思っています。これは、SOHCエンジニアリングの渡辺さんからも言われていることです。
「今回で、最後かなぁ・・・」
基本的には、『当ガレージで組み込む方』を優先させて頂きます。点火系やキャブレターのセッティング次第では、走る前にピストンが溶けることも有り得るからです。一番重要な、この点火とキャブのセッティングまでを、当ガレージで行いたいからです。
最後まで責任を持って、『楽しく走れるXJR1300を造る♪』、それが目標であり、当ガレージの仕事です。ですから、少しだけワガママを言わせてください。
お申し込みは、お早めにお願いします。