スペシャル鍛造ピストン、最後の製作です!

今まで何処にも無かった、圧倒的な軽量化と高圧縮を実現した限定生産の鍛造ピストン。残念ながら最後の製作となります。

市販されているどの輸入ピストンでも実現できないパフォーマンスを入手する、最後のチャンスです。


実際の重量を比較してみると・・・

 ピストン重量ピン重量圧縮比
純正ピストン254.6g50g9.7:1
ワイセコ256.5g55.9g10.25:1
JE263.4g11.5:1
Wossner253.1g59.8g12.5:1
SOHC215.2g59.0g11.6:1

重量は、全て当ガレージで実測したものです。
圧縮比は、カタログ上で記載されている数字です。
全てのピストンは、79mmボアのものです。

XJR1300をチューニングする時にネックになるのが、ピストンを含めた圧縮比のアップです。ワイセコ、コスワース、JEなど国外生産された鍛造ピストンは、形状こそ立派ですが、どれも圧縮比はカタログ値と比較すると、あまり高くはありません。重量も純正ピストンと、ほぼ変わりません。

その理由は、多くがFJ時代、つまり40年前の設計だからだと思われます。その為、圧縮比を上げるには、ヘッドの面研磨や場合によってはシリンダーまで面研磨する必要があります。

また重量については、「Wossner」は「1.5g」ですが、純正ピストンと比べて軽量化されていますが、他のピストンは、重くなっています。しかし「SOHCスペシャルピストン」は、なんと「39.4g」も軽量化されています。割合にすると、『15.5%』です。


SOHCエンジニアリング製

国内で唯一と言って良い、ピストン製作メーカーです。古くはヤマハSRXから、カワサキZ系やスズキGS系まで、多くのライダーに支持されています。筑波サーキットで開催されている「テイスト・オブ・ツクバ」というレースでは、相当数のライダーがそのピストンを使用しています。

あまり知られてはいませんが、ヤマハFZ系のピストンも、実は何度か製作しています。

あくまでも受注生産であり、頼めば作ってくれる、という訳ではありません。常に在庫がある、という訳でもありません。非常に手間暇を掛けて作りますので、時間も掛かります。コストも掛かります。しかし、他のメーカーでは作ることのできない『超軽量鍛造ピストン』を製作してくれます。

そのような「SOHCエンジニアリング」様ですが、材料の関係や渡辺さんのお考えから、製作するのはおそらく今回が最後、と言われています。

ヤマハXJR1300用SOHC製スペシャルピストン

このピストンは、2017年と2018年に1度ずつ、2020年に1度、つまり3回だけ、わずかなセット数を当ガレージの依頼により製作したのみで、一般には出回ってはいません。今回、再度当ガレージの依頼で製作して頂ける運びとなりました。

ご注意

製作する「SOHCエンジニアリング様(株式会社SOHC.ENG)」では、ヤマハXJR1300用ピストンは、個別の製作依頼は受けておりません。販売も一切しておりません。当ガレージのみでの販売になります。

現在のところ、次回の製作予定はありません。


SOHC製スペシャルピストンの特徴

  • 圧縮比を『11.5:1』以上に上げることができます。
  • ピストンが大幅に軽量化されます。
  • 最先端の設計と技術で製造される、国内生産品です。
  • パフォーマンスは、レースの現場で実証済みです。
  • ストリートユースでも、問題なく使用できます。

一番の特徴は、『軽量であること』です。FJ時代も含め、このエンジンに使用出来るピストンで、純正品よりも10%以上も軽量化されている物は、おそらく存在していません。ですから、ピストンが軽量化されるとどのような変化があるのか、ほとんどの方は体感できていません。

ピストンに限らず、軽量化には手間とコストが掛かります。ある一線を越えようとすれば、膨大なエネルギーが必要になります。軽量化とは、それくらい大変なことです。その軽量化を実現したのが、『SOHC製スペシャルピストン』です。

SOHC製スペシャルピストンの実績については、今さら説明するまでもないでしょう。テイストオブツクバ、というレースでは、Z系、GS系だけでなく、FZ系でも素晴らしいタイムと結果を残しています。もちろんXJR1300でも同様です。

ライダーの腕やスキル、車両製作などはもちろん関係していますが、エンジンが良くなければ、XJR1300で59秒台なんて、そう簡単に出るタイムではありません。しかし古くからのレース仲間は、このピストンを組むようになってから、59秒台で走っています。

 SOHC製スペシャルピストンが組まれたXJR1300

 SOHC製スペシャルピストンが組まれたXJR1300


ピストンの詳細

 SOHC製スペシャルピストン

 SOHC製スペシャルピストン
軽量化のために、極限まで肉抜き加工が施されています。

鍛造
79mm
圧縮比
11.5:1 ~
重さ(単体)
215g(前回製作時)
ピストンリング
専用品を使用
ヘッドガスケット
純正品を使用
シリンダー
純正品を使用


キット内容

ピストン
鍛造79mm×4ヶ
ピストンリング
専用品×4セット
ピストンピン
専用品×4ヶ
サークリップ
専用品×8ヶ
販売価格
188,000円(税別)<税込・206,800円>

前回の製作は3年前でしたが、材料費の高騰、人件費の高騰、電気代など経費の高騰などの理由により、値上げさせて頂きました。ご了承ください。


ご予約について

予約締切
2023年9月31日
納期予定
2024年1月頃

製作する数量は、限られています。予定数のお申し込みがあった時点で、予約は終了となります。ご了承ください。

9月20日の時点で、まだ若干ですが、販売出来るピストンはございます。

SOHC製ピストンは、あくまでオーダーメイド品であり、SOHCエンジニアリング様の商品ラインナップに載るものではありません。『ガレージXJRのオリジナル商品』の扱いになります。

発注は、ガレージXJRが取りまとめて行う形となります。詳細についてのお問合せ等は、当ガレージまでメールにてお願いいたします。

9月16日にSOHCエンジニアリング様にお伺いしましたが、完成時期は当初の予定より若干ですがズレ込み、年明けになるようです。それまで、お待ち頂ければと思います。


組み込みについて

社外製ピストンでは、圧縮比がカタログ値ほど高くない場合が、よくあります。しかし「SOHCスペシャルピストン」は、実際に圧縮比は相当に高くなります。

以前、ピストンの仕様や設計のために、SOHCエンジニアリング様に分解前の私のエンジンを含め、ヘッドだけで4~5個ほど持っていった事がありました。そこで渡辺さんが、実際に圧縮比を計算するために、燃焼室容積を計測したところ、結構なバラつきがありました。ヘッドによって燃焼室容積が、「0.5~1.0 ml」程度、異なるのです。

ここまで容積のバラつきがあると、圧縮比にも相当に影響を与えます。簡単に「0.5」以上も変わってきてしまいます。この燃焼室容積のバラつきは、私も実際に計測して、何度も経験しています。

燃焼室容積の測定
燃焼室容積の測定

「SOHCスペシャルピストン」は、実際に圧縮比が高いので、組み込む際には圧縮比を計算したり、幾つかの設定をする必要があります。それらをしないで、ただ組み込んだだけでは、最悪の場合、このようにデトネーションが発生し、エンジンは壊れます。

ですから当ガレージで組み込む際には、必ず実際にシリンダーヘッドの燃焼室容積を測定し、圧縮比を割り出しています。高すぎる場合は対処しなければ、エンジン破損に繋がってしまうからです。

デトネーションを起こしたSOHC製スペシャルピストン
デトネーションで破損したSOHC製スペシャルピストン

実際に何機かのエンジンのピストンが、デトネーションにより溶けました。しかし私が組み込んだエンジンや私のレーサーエンジン、その他のピストンを組み込んだエンジンは、調子良く走っています。圧縮が高くなっても、設定やセッティング次第で、トラブルは防ぐことが出来ます。

従いまして、組み込みは基本的には、できるだけ当ガレージで行いたいと思っています。もしどうしても「ピストンだけ欲しい!」という方には、販売はしたとしても、詳細なセッティングやデータは、お教えは出来ません。その点は、ご理解頂ければと思います。


条件

おそらく最後になると思われる「SOHCスペシャルピストン」を組み込むにあたり、幾つかの条件があります。

以上の条件を、どうかご理解ください。


ご予約方法と今後の流れ

まずは下記フォームより、ピストン製作のお申し込みをお願いいたします。折り返し当ガレージより、詳細なメールをお送りします。

なお、発注時に『申込み金50,000円』のご入金をお願いしております。これは、安易なキャンセルを防ぐ目的ですので、どうぞご理解をお願いいたします。

キャンセルがあった場合、当ガレージが費用を負担して在庫することになります。それは当ガレージにとっては大きな負担であり、在庫をする事も本意ではありません。

オートバイを愛する者、XJRを愛する人に、安易にキャンセルするような方はいないと信じていますが、全てを当ガレージの負担で依頼することは出来ません。どうかその点は、ご理解とご了承をお願いいたします。

お預りした申込み金は、ピストン発注の申込み金としてSOHCエンジニアリング様に支払います。従いまして、ピストンが出来上がった後に、残金のお支払いとなります。

残金のお支払いを確認後、ピストンを当ガレージより発送いたします。(SOHCエンジニアリング様ではなく、当ガレージからの発送です。)


注意事項

あくまでも受注生産となりますので、注文数以上は造りません。ですから、後から欲しくなった、という方へのご対応はできません。ご了承ください。

納期は11月末頃を予定しておりますが、確約はできませんこと、予めご了承ください。

発注時に、5万円のお申込み金をお願いします。安易な気持ちでの発注やキャンセルを防ぐためですので、どうぞご理解ください。

発注は、当ガレージが取りまとめて行いますので、ご不明点やご質問は、SOHCエンジニアリング様ではなく当ガレージまでお願いいたします。

前回制作時のデータ、実際の組込み時のデータ等により、多少の改良や変更がある場合があります。予めご了承ください。


お申し込みは、こちらから

7月末には正式に発注をしますが、材料に限りがあるため、余分に製作はできません。レースに使用される方からの熱烈なオファーもあり、今回、SOHCエンジニアリング様に相談させて頂き、何とか製作出来る運びとなりました。従いまして、既に数セットは購入先が決まっています。

次回の製作に関しては、全く予定も無く、おそらく最後の製作になるかと思います。僅かな数量ですので、売り切れの場合は、どうかご容赦ください。

ご希望、ご要望などありましたら、できるだけ具体的にお教えください。


携帯メールの方の中には、パソコンメールを受信しないよう設定されている方がおりますが、その場合、当ガレージからの重要なメールが届きません。当ガレージからのメールが受信できるよう、設定変更をお願いいたします。(info@garagexjr.com)

ガレージXJR:高野 利勝

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