SOHCスペシャルピストンの優位性とは?

SOHC製スペシャルピストン

今年もまた製作することになったSOHC製スペシャルピストンですが、市販されているピストンも色々とある中で、いったいどこが素晴らしいのか・・・

アフターパーツのピストンに比べ、価格はちょっとだけ高額です。製作納期も必要です。単品製作はしてくれません。それでも、『ピストンを換えるならこいつ!』と思わせる大きな魅力があります。

その魅力とは、いったい何なのでしょうか・・・?


今までのピストン

私は今までに自分のXJR1300(1200含む)で、数種類のコスワースとワイセコを使用してきました。その多くがレース用エンジンでしたので、圧縮比を含め、エンジンの仕様は様々でした。

人様のXJR1300では、全て公道仕様ですが、ワイセコ・JE・Wossner・SOHC製を組み込んだエンジンを走らせた経験があります。

一部、大きな排気量(ピストン径)だった仕様もありますが、もし全てのピストンの排気量と圧縮比が同じだと仮定したら、実際に走らせて『○○○○のピストンだ!』と分かるものは、SOHC製を除いては、一つもありません。

実際に走ってもどのピストンか判別できないのは、私のセンサーが今一つなのも原因ですが、ピストンの特徴がエンジンを掛けた状態では分かりにくいからです。カタログには色々と記載されてはいますが、それを走らせて体感できる差になるのか、ということです。

どのピストンも、STDと比べて若干軽いか重いか、といった程度です。走らせてその差は判別できません。

圧縮比は、設計の古いタイプの製品は、概ね低いです。そのままではレーサーエンジンにできないほどですので、面研磨等で圧縮比を上げる必要があります。


SOHC製ピストンは何が違うのか?

SOHC製スペシャルピストン

SOHC製ピストンの最大のメリットは、その圧倒的な軽さです。
詳しい重量等スペックについては、こちらでご確認ください。

XJR1300は79ミリボアですが、SOHC製ピストンだけはSTDに比べ、約40グラム(16%)も軽量化されています。他のピストンはSTDピストンに比べ、大差ありません。

この軽量化こそ、SOHC製ピストンの最大の特徴であり、最大のメリットを生み出す基になっています。

他のピストンは大量生産をして販売していますが、SOHC製ピストンは昔から少量生産(受注生産)です。同じ車種のピストンでも、製作年度によって形状や仕様が変化していることもあります。つまり、常に最新の思想・最新の設計で少量生産され、進化し続けている、という訳です。

今から25年ほど前、シングルレースが流行った時代がありました。私たちは市販のピストンを使って戦っていましたが、SOHC製ピストンを組んだマシンの速さには、驚かされたものです。

それが今や、自分のXJR1300に組める時代になりました。


ピストンが軽いと・・・

SOHC製スペシャルピストン

信号発進で50キロまで加速すれば、おそらく誰でもその違いに気付くはずです。それくらい、ピストンの軽さは大きな恩恵を与えてくれます。

軽く、滑らかに回ります。振動が軽減します。
『圧縮が高くても、こんなに軽く回るんだ!』そう思うはずです。

今までに、いろいろな仕様のXJR1300に乗ってきましたが、この感覚は一度も味わったことのないものでした。おそらくそれは、多くを経験しているライダーの方も、そう思うはずです。なぜなら、こんなにも軽いピストンが、今までは存在しなかったからです。

XJR1300のレース用エンジンにSOHC製ピストンを組んだ方がおります。話を聞くと、「速すぎて、なかなか全開にできなくなった。」と言っていました。

この秋に、レース用エンジンを1機製作する予定です。もちろんピストンはSOHC製です。慣らしが終わった頃、一度乗ってみたいと思っています。サーキットでのレスポンスはどうなのか・・・。パワー感はどうなのか・・・。速さはどうなのか・・・。今から乗るのが楽しみです。


今回の製作数は・・・?

近々、正式注文に行く予定ですが、製作数はその時に決めてきます。おそらく5セット程度です。

もしかしたら、当ガレージで在庫にする場合もあるかもしれませんが、高価なピストンですので、あまりしたくないのが本音です。当ガレージの在庫は、当てにしないで下さいね。

あなたがXJR1300にお乗りで、ピストン交換や圧縮アップまで視野に入れているのであれば、今がチャンスなのかもしれません。実際に昨年の製作後、欲しいという問合せが複数ありました。

今回も、基本は受注生産です。もし興味がある方は、今すぐにお問合せ下さい。

SOHC製スペシャルピストンのお問合せは、こちら。