他車パーツの流用、という選択肢もあります。

今までに、数多くのカスタム車両を見てきました。XJR1300だけでも、おそらく相当な数になると思います。中には、実際に乗らせて頂いた車両もあります。

そんなXJR1300のカスタム車両ですが、大きな一つの特徴があります。それは・・・


カスタムパーツの選択肢

私のXJR1300カスタム車両

これは、私が現在街乗りに使っているXJR1300です。フレームは1200用ですので、正確にはXJR1200改、と言った方が良いのかもしれません。

フロントフォークは正立ですが、48パイあります。STDの43パイと比べると、若干長さは短いですが、剛性感は比較にならないほどあります。筑波サーキットの最終コーナーでも、フロントが弱くてヨレた、と感じたことは一度もありません。

オイルクーラーは、油冷のGSX-R用のラウンドタイプです。ヘッドライトも他車種のものです。

20年近く前のXJR1300レース車両
20年近く前のXJR1300レース車両

今のマシンの原型が出来たのは、もう20年近くも前のことです。今でこそ、XJR1300用のパーツは山のようにありますが、当時はほとんどありませんでした。ですから目的に合わせようと選んでいったパーツを、何とか装着していっただけです。

フロントフォークもブレーキもホイールも、XJR1300用ではありません。マフラーは、バンク角や重さの問題もあり、一品物で製作してもらいました。見る方が見れば、どこの誰が製作したマフラーなのかは、一目で分かるハズです。

ステップに至っては、自作です。今どきのカッコ良いバックステップとは比較も出来ないほど、恥ずかしい出来栄えです。

そんな車両ですが、全てを気に入っていますので、レースに使用しなくなっても、出来るだけ部品を換えずにそのまま使っています。


お客様のXJR1300カスタム車両

こちらは、先日仕上げたお客様の車両です。とてもお金が掛かっています。素晴らしい出来栄えの車両で、私がエンジンとキャブレターをやらせてもらいましたが、後輪で150馬力オーバーになりました。

この車体と150馬力オーバーのエンジンで走れば、さぞ楽しいだろうことは、誰にでも容易に想像が付くと思います。

この車両以上にコストを掛けたXJR1300カスタム車両も、何度も見る機会がありました。細部に至るまで高価なパーツが取り付けられており、カスタム費用に400~500万円を越えている車両もありました。


カスタム車両の共通点

現在では、どこにでも二輪パーツの量販店があります。ネット通販やオークションでも、大抵のパーツは入手できます。

そのような状況のアフターパーツですが、特筆すべきは『車種専用』のパーツが非常に多いことです。XJR1300も例外ではありません。

専用ですから、俗に言うボルトオンです。知識やスキルに関係なく、誰にでも取付けができます。パーツ量販店で購入し、その場で併設されているピットで簡単に装着できます。

すると・・・

幾らコストを掛けたかにもよりますが、どうしても同じようなカスタム車両になりがちです。例えばフロントフォークは、決まったように<オーリンズ43パイ>です。アンダーブラケットやトップブリッジはそのままに、長さ調整もすることなく、そのまま装着できるからでしょう。

オイルクーラーは、アクティブかプロトのラウンドタイプ、ホイールはお金を掛けられる方はマルケジーニ、余裕の無い方はゲイルスピード、といった具合です。

ただパーツを選択していくだけですから、特徴があるようで大きな特徴がない、どのカスタム車両も同じようなイメージになりやすいのです。

Rサスペンションを変更していたとしても、足回りはどのカスタム車両も似たようなパーツ選択と設定ですので、停車している姿は、どの車両もほとんど姿勢は変わりません。XJR1300特有の、R下がりでフロントが長いイメージです。

私の所有するXJR1200改

これは私の車両ですが、R下がりでフロントが長い、XJR1300特有のイメージはありません。見慣れたXJR1300が停車している姿とは、なんとなく姿勢が違う事が分かるかと思います。

前後サスペンションの自由長がSTD車両とは違いますので、このような姿勢になっています。つまり、STDの前後バランスではありません。これが良い、と言っている訳ではなく、「こんな事も出来るんだ。」と分かってもらいたいのです。

オーリンズを否定する訳でも、いろいろなカスタム車両を否定している訳でもありません。XJR1300というオートバイは、個人個人の目的や用途に合わせて、もっといろいろな事が出来る、今以上に楽しめるように出来る、カスタムのやり方はいろいろあるんだ、という事を、多くのユーザーの方に知って欲しいのです。


エネルギーを使うべきポイントは・・・?

残念なことに、そのように大きなエネルギーやコストを掛けて選んだパーツなのに、セッティング作業すら出来ていない車両は、本当に数多くあります。もったいない事です。その性能を引き出せば、素晴らしい乗り味になるのに・・・

特にキャブレターやサスペンションといった機能パーツは、自分の好みや使用状況に合わせてセッティングすることで、初めてその素晴らしい性能が発揮されるパーツです。

カスタム車両でエネルギーを掛けるべきポイントは、私が何度もお伝えしているように、セッティングとメンテナンスです。

幾ら高価なサスペンションを装着しても、自分に合ったセッティングを見つけなければ、宝の持ち腐れです。何年も乗りっぱなしでは、その性能は落ちていくだけです。

幾ら高価なキャブレターを装着しても、セッティングすら出ていなければ、乗って楽しくありません。その上メンテナンスもしなければ、さらに調子が悪くなるだけです。


カスタム車両を造る、ということ

人と違ったカスタムをしたい!と思われた方は、こちらを参考にしてみて下さい。

ポン付けパーツなど無い時代に、様々なマシンに乗らせて頂き、色々なマシン造りにも関わらせて頂きました。当時一緒に走ったマシンたちは、どの車両を見ても、造り手のアイデアや工夫が随所に溢れていました。

しかしアフターパーツが溢れている現在では、そのようなマシンは、まず見かけません。そのようなマシン造りをする方も、めっきり減りました。

現行の最新オートバイならまだ分かりますが、XJR1300という、空冷で、しかも速く走るための車両ではない、既に20年も経過したオートバイでは、今でも面白いことがいろいろ出来ると思っています。

何も、人と同じカスタムをする必要はありません。専用部品しか使えない訳ではありません。コストを掛けて、人と同じゴールドの43パイフロントフォークを付けなくても、機能を向上させることは幾らでも出来ます。人と違った、カッコ良いマシンにすることが出来ます。

この冬には、R1のフロントフォークを装着したXJR1300を造ります。前後ホイールもR1です。純正とはいえ、XJR1300に比べたら、遥かに軽量なホイールです。

良い出物があった時にしか出来ないカスタム手法ですが、アフターパーツを新品で購入して造るよりも、ずっと格安で造ることが可能です。

車両の引き取りはまだですが、既にフロント回りや前後ホイール、スイングアームなどは入手済みです。やる事は多岐に渡りますが、どんなマシンに仕上がるのか、今から楽しみです。

RSカタクラ製TRX850
RSカタクラ製TRX850

ちなみにこの車両は、私が長年お世話になっているバイク屋さんの社長が製作したものです。
TRXにR1のフロント回りを移植しています。

エンジンもチューンされており、峠道ではトルクもあって非常に楽しいオートバイに仕上がっています。

今は、私の友人が所有しています。


オンリーワンのXJR1300カスタム

もしあなたが、XJR1300で人とは違うカスタムをしたい、オリジナルのXJR1300にしたい!とお考えなら、まずはお気軽にご相談ください。

オーバーホールからフレーム補強、他車パーツの流用、マフラー製作、エンジンチューニングなど、どのような事でもご相談に乗ります。

軽量で高圧縮を実現したSOHC製スペシャルピストン
軽量で高圧縮を実現したSOHC製スペシャルピストン

さらに今なら、まだお譲りできるSOHC製スペシャルピストンが1セットだけあります。

このピストンとポート研磨、TMRキャブレターといった、いわゆる腰上だけのチューニングで、150馬力を超えたお客様もいます。

限定1セットだけですので、早い者勝ちです。