中古のTMRキャブレターについて

またまた、ご無沙汰してしまいました。いくら忙しいとは言え、言い訳も出来ませんね。本当に申し訳ございません。

そろそろ年に2回の、バイク馬鹿なおっさん達の大運動会が迫ってまいりました。オートバイを整備したり、時間を作るために仕事をやり繰りしたり、筑波サーキットに練習に行ったりと、忙しい日々を送っています。しかも、お客様のXJRのエンジン作業もあります。後に控えている車両も、数台あります。

でも、そんな日々を送ることが出来るのは、幸せなことです。本当に有り難いことです。仕事が出来て、好きな遊びも出来ている訳ですからね。

そんな日々を過ごしておりますが、時折、中古キャブレターのご相談があります。そこで、現在のキャブレターの取り扱いや整備内容などを、今回はお伝えしたいと思います。


ミクニTMRキャブレター

この写真は、ミクニTMRキャブレターですが、いわゆるカスタムパーツではなく、レーシングパーツの分類になります。外観や見た目を変えるのではなく、機能を向上させる目的で使用される部品です。

レーシングパーツですから、メーカーはあくまでも「速く走るための道具」として提供しているもので、「これを使うだけで速くなる」というものではありません。

つまり、道具ですから使い方次第になる訳です。どう使うのかは、ユーザーに委ねられている、ということです。簡単に言えば、『セッティングとメンテナンスはユーザーの責任』、ということになります。


中古レーシングキャブレターのリスク

中古TMRキャブレターのニードルバルブ

中古TMRキャブレターのフロート

これらの写真は、以前にもご紹介しましたが、調子が悪いから直して欲しい!と持ち込まれた、TMRキャブレターです。半年前にオーバーホールした、とのことですが、私には信じることが出来ないような、酷い内部の汚れ具合でした。

さて、この写真のようなキャブレターの場合、調子が悪い原因は、いったい何なのでしょうか・・・。

多くのユーザーの方は、このような時に、

  • オーバーホールをすれば調子が良くなる。

と考えます。でも、オーバーホールして直る保証など、どこにもありません。

  • いやいや、セッティングが出ていないだけだから、セッティングすれば調子は良くなるよ。

そうお考えのユーザー様もおります。では、何故セッティング作業を行わなかったのでしょうか・・・。

ここまで内部が汚れているキャブレターであれば、長年、ノーメンテナンスであっただろうことは、容易に想像できます。となると、細かな通路は大丈夫なのでしょうか?TMRキャブレターの要のパーツであるVシールは、大丈夫なのでしょうか?


お受けできない事もあります。

TMRキャブレターのオーバーホール

レーシングキャブレターは、性能を向上させるためのレーシングパーツですから、純正キャブレターと比較すれば、メンテナンス頻度は高くなるのは、当然でしょう。

その前に、「セッティング作業」も、しなければなりません。XJR1300用だからといって、セッティング作業もせずに使ったとしても、調子が良いはずがありません。

昔は、以下のような話を、良く聞いたものです。
「XJR1300用なのに、調子良く走らない。」
「○○○で買ったのに、セッティングが出ていない。」

さすがにインジェクションの時代になった今では、まず聞くことはありませんが、そのような話は、昔は良く聞いたものです。

例えばミクニの場合は、XJR1300用、ということは、取り付けピッチを合わせてある、というだけのことで、XJR1300に合わせたセッティングがされている訳ではありません。内部のセッティングは、口径が40φであれば、何用であっても同じです。ですから、そのまま取り付けても調子良く走る訳はありません。

まず、そこを理解する必要があります。その上で、メンテナンスがされていたかどうか、も重要になってきます。

古くて汚い、調子が悪いキャブレターは、TMRでも純正でも、調子を良くすることは、経験から言っても、非常に難しいことです。何度も何度も経験してきました。ですから現在では、当ガレージで購入したミクニTMRキャブレター以外は、基本的にはオーバーオールもセッティング作業も、お受けしておりません。

中古レーシングキャブレターの場合、そのキャブが調子良く走ったことがあるのか、セッティングが出ていたのか、私には全く分かりません。ですから、いくらオーバーホールしたとしても、調子良く出来る保証など、間違っても出来ません。

ユーザー様が求めているのは、オーバーホールでもセッティングでも無いはずです。目的は、調子良く走ることです。つまり、今は調子が良くない、ということです。

多くの方にとって、オートバイは楽しむ為の道具であるはずです。遊びの道具であるはずです。ですから楽しむためには、ある程度のエネルギーやコストは掛けるべきだと、個人的には考えます。

少しでも安くしたいがために、オークション等で中古レーシングキャブを購入し、調子が悪いからオーバーホールして下さい、セッティングして下さい、といったスタンスの方には、申し訳ございませんが、私はお役に立てません。

TMRキャブレター

多少のコストは掛かっても、新品のレーシングキャブレターを購入して、セッティングまで合わせてもらって、調子良く走りたい!
そうお考えのXJR1200・1300ユーザーの方であれば、私はきっとお役に立ちます。


お受け出来るキャブレター

  • ミクニTMRキャブレター(新品に限ります。)
  • エンジンOH時の、純正キャブレター


お受け出来ないキャブレター

以下のキャブレターは、申し訳ございませんが、メンテナンスもセッティング作業も、お受けしておりません。ご了承頂ければと思います。

  • 中古TMRキャブレター
  • ヨシムラMJNキャブレター
  • ケーヒンFCRキャブレター

理由は様々あります。このブログでも、何度かお伝えしております。どうかご理解頂ければ、と思います。ワガママおやじで、申し訳ございません。

ちなみに、現在ではオークション等で、様々な中古パーツが手に入りますが、特に機能パーツに関しては、中古品に手を出さない方が賢明かと考えています。購入される方は、ご自身で分解整備、オーバーホールすることが大前提になるでしょう。


TMRキャブレターの取り付けについて

当ガレージでは、XJR1200・1300へのTMRキャブレターの取り付けを行っています。しかも、誰にも真似の出来ない独自のセッティングを施して、どこから開けても右手にリニアに反応する吹け上がりを、ご提供しております。

TMRキャブレターに関しての疑問やお悩みごと、ご相談ごとがありましたら、お気軽に下記からお問合せをお願いします。