ピストンとカムシャフトの残念なお知らせ
SOHC製スペシャルピストン
このピストンを作っていただいた「SOHCエンジニアリング様」に、お伺いしてきました。もちろん話の要点は、カムシャフトとピストンのことです。
昨年から何度かお話をさせて頂きましたが、結論から言えば、ヨ○ムラ様にお願いする予定だったカムシャフトは、一旦話を白紙に戻そう、ということになりました。
主な理由は、製作数をまとめられないことに尽きます。現在、ヨシムラ様が多忙なことも相まって、現状ではこれ以上、打診も出来ません。
XJR1300用の試作カムシャフト
欲しい!と言ってくださる方は、何人もおります。もし製品になれば、購入される方もいらっしゃるでしょう。でも、幾つ売れるのかの保証は、全くありません。10セット20セットの製作数では、打診もできません。最低で30セットと仮定しても、500万円前後は必要になるでしょう。そうなると、私が立て替えて支払うには、荷が重すぎます。
2輪業界は他業種と比較すると、驚くほど部品の仕入れ価格が高いです。そんな業界で、今から部品を製作し、私が立て替えるなどということは、現実的ではありません。人様のためにそんなリスクを背負うことも、有り得ません。
そのような話をしたうえで、間に入って頂いている渡辺さんとは、一旦話を白紙に戻そう、ということになりました。ヨシムラ製カムシャフトは、諦めるしかない、ということです。
スペシャルピストンは・・・?
SOHC製スペシャルピストン
渡辺さんには、今までに何度かピストンも作って頂きました。しかし今後は、それも出来なくなりそうです。鍛造ピストンの材料を購入している企業からの仕入れが、今後、難しくなりそうだとのことです。その企業の存続にまで関わる話ですので、部外者が自分の都合で意見を言えるはずもありません。
ただし今であれば、最低でも十数セットの単位であれば、材料を手配できるかもしれない、ということです。しかし材料の寸法上、他の車種用のピストンベースとしては使用できないようで、購入単位の問題だと思われますが、今までのように10セット未満での製作は出来ない、とのお話でした。
カムシャフトと同様、十数セットのピストンの製作代金を立て替えることは、私には出来ません。すぐに十セットのピストンが売れるとも思えません。ですからカムシャフトと同様、ピストンも諦めました。もう二度とピストンを製作して頂くことは無いと思います。残念ですが、仕方ありません。
渡辺さんがピストン製作を止める前に、サークリップやピストンピン、後期型ピストンのリング等は、幾つか仕入れておこうとは思っています。万が一のトラブルやオーバーホール時に、必要になるかもしれませんので。
チューニングアップするには・・・?
- もう少しパワーを上げたい!
- もう少し走るエンジンにしたい!
- オーバーホールついでに、チューニングしたい!
そのようにお考えのXJR1300のオーナーの方は、おそらくたくさんいらっしゃいます。しかし、スペシャルピストンの製作も終わり、カムシャフトの話も白紙に戻った今、チューニングするパーツや方法は、あるのでしょうか・・・
ピストンは、まだ「JEピストン」であれば入手が可能なようです。つい先日も、JEピストンのリングが欲しい後輩君にために、数少ない人脈を活かして発注したところ、奇跡的に翌日に届きました。これはおそらく稀なケースでしょう。しかし、時間は多少掛かっても、入手は可能なようです。
他のメーカーが入手できるのかどうかまでは、調べていませんので、分かりません。しかし、たとえ純正ピストンを使うことになっても、クランクや圧縮比、カムシャフトなどで、ストリートでは十分にパワーのあるエンジンを作ることは出来ます。
チューニングされたXJR1200
お伝えしたことがあったかと思いますが、以前に1200の純正ピストンを使って、140psを超えるエンジンを作り、後輩君たちが楽しそうにツーリングや筑波で乗り回していました。
ピストンは1200の純正でしたが、他の部分は、一通り手が入っていました。パワーもトルクも十分にあり、ノーマルとは全く違ったオートバイに仕上がっていました。
今ならまだTMRキャブレターや野島エンジニアリング製のスペシャルマフラーも、新品で購入出来ます。アメリカの肉盛りカムの製作も、可能なようです。たとえ純正ピストンを使うことになっても、パワフルで、乗って楽しいXJR1300を作ることは、十分に可能です。
オーバーホールは・・・?
2年前から世の中の情勢が、様々に変化しました。個人ではどうすることもできないことばかりです。残念です。
スズキの純正部品の供給体制が、どうやら終わりそうです。カワサキも、噂では怪しくなってきました。まるで、古いオートバイなんて直すな!捨てろ!とメーカーが言っているような気になります。
ヤマハも、いつどうなるのかは分かりません。実際にXJR1300の純正パーツも、販売終了(廃盤)になったものが出始めています。廃盤部品が多くなれば、オーバーホールも厳しくなってくるでしょう。
今なら、まだ間に合います。多少、外観の色が違ったとしても、機能的には問題のない部品が、メーカーから出てきます。でも、それがいつまで続くのかは、私には分かりません。メーカーの方に聞いても、分かりません。
XJR1300(XJR1200)にお乗りの方へ
以下のようなお悩み、お困りごと、ご要望はありませんか?
- 古くなったので、エンジンのオーバーホールを検討している。
- 異音がして、なんだか調子が悪い。
- TMRキャブレターを取り付けて、セッティングまでして欲しい。
- チューニングしてパワーアップをしたい。
- 大掛かりなカスタムをしてみたい。
- これからも安心して長く乗りたい。
- XJR1300でレースに出場したい。
XJR1300のキャブレター車であれば、既に生産から15~20年程度は経過しています。XJR1200であれば、それ以上です。つまり、立派な旧車ということです。
これから少しでも長く安心して乗るためには、エンジンをオーバーホールすることが最良の方法でしょう。メーカーから部品が出ている今であれば、それが可能です。
ヤマハXJR1300のことであれば、どのようなお悩みやお問い合わせでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。
XJR1300のスペシャリストが、お一人お一人に親身になってご回答いたします。
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