サンタさんがやってきた♪♪

子育てをした方なら分かると思いますが、子供たちがまだ小さくて素直で可愛い頃は、サンタクロースの存在を信じてくれているものです。

『良い子にしていたら、サンタさんが来るよ♪』
『今年はサンタさんに、何をお願いするのかな?』

昔、我が家では、こんな事がありました。
年末で仕事が忙しく、上の二人には必要の無くなった『サンタさんからのプレゼント』を、末娘に用意し忘れていました。

幸いにも、歩いて30秒のところにコンビニがありますので、昔ながらの『長靴』を買ってきました。年配の方なら誰でも知っている、お菓子の詰まったあの『長靴』です。それを夜中に枕元に置いて寝ました。

翌朝、
『パパ、サンタさんが来てくれたよ♪』
と、末娘が嬉しそうに、長靴からお菓子を取り出しながら言っています。

その日の夕方、何かを買いに末娘と一緒にコンビニに行きました。
『あっ、サンタさんがくれたのと同じ長靴だ!』
『サンタさんも、ここで買ったんだね♪』
と、売れ残ったクリスマス用の長靴を指差していました。

なぜ、売れ残ったクリスマス用の長靴を片付けないのか、と思いながらも、その時は私も今よりは若く忙しかったので、そんな事があったな、で終わりました。

いつしか子供達は成長し、サンタクロースの存在は大人が作った世界のことで、夢だったと知ります。時には、20歳になった娘が、
『パパ、サンタさんって本当にいるんだよね♪』
とフザけたことを言います。何かねだっているだけです。

そんな時、ふと十数年前のクリスマスの出来事を思い出すと、涙がこぼれそうになります。可愛くて純粋で小さかった子供たち・・・。もしかしたら自分にも、そんな可愛い頃があったのかもしれません。しかしそれを聞く前に、母親は他界してしまいました。


それから十数年・・・

そんな出来事から十数年経ち、やっぱりサンタさんは本当にいるんだな、と思えるような出来事がありました。

まだクリスマスには半月ほどある、12月のある朝、玄関ドアの取手に、こんな物が挟まれていました。

2020年JSBチャンピオンTシャツ

私が良い子にしていたから、サンタさんが来てくれたのでしょうか?きっとこのTシャツは、何か特別な記念の物でしょう。よく見ると、サインまでしてあります。

2020年JSBチャンピオンの若い頃

12年ほど前、筑波の決勝グリッドでこの写真を撮りました。応援に来てくれた、可愛い少年と一緒に写っています。今ではすっかり逆で、私が少年を応援しています。

S80やGP125を走っている小さい頃から、彼のことはよく知っていました。お父さんとも、会えば話をしました。600cc初乗りの時は、一緒に筑波を走りました。

1走行目は、前を走る彼に追い付きました。2走行目は、前を走る彼との距離を縮められませんでした。そして3走行目は、どんどん離れていきました。まだあどけない、小柄な少年でしたが、速くなる子はこんな頃から速いんだなぁ~、何に乗っても速いんだなぁ~、と感心したものです。キレイなラインでスムーズに走っていた事を、今でも覚えています。

やがて全日本を走るようになり、J-GP2でチャンピオンを取り、一時はワールドGPにも行く話が進んでいたようです。しかしお父さんの急逝により、その話は無くなりました。

その後、JSBクラスを走るようになり、今年は念願のチャンピオンになりました。きっとそのチームの監督さんが、今回のサンタさんに違いありません。我が家も知っていますし、他には考えられません。


去年のプレゼントは・・・?

実は1年ほど前にも、サンタさんがプレゼントをくれました。今回と同じように、玄関前に置かれていました。そのダンボールの中には、これが入っていました。

M-1のフロントカウル

もちろん本物のM-1のカウルではありません。見れば分かりますよね。
デアゴスティーニの『YAMAHA YZR-M1 バレンティーノ・ロッシ モデル』のカウルです。組み立て前のカウルをあるオジさんが持って行き、1ヶ月後にサンタさんが届けてくれたモノには、何やらイタズラ書きのような文字が書かれていました。

信じれば、何でも本物に見えるものです♪♪♪


サンタさんの正体は・・・?

本物のサンタさんは、我が家を知りません。私の好きな物も、おそらく知りません。今年はコロナの影響で、サンタさんの活動も制限されているようです。純粋な少年の頃であれば、きっと本物のサンタさんが来てくれた!と思えるのでしょうが、心の汚れたオジさんには、そうは思えません。

では、我が家にコッソリとプレゼントを届けてくれたサンタさんは、いったい誰なのでしょうか・・・?

きっと彼です。

ヤマハファクトリーレーシングのメンバー

右から、元チャンピオン、チーム監督、新チャンピオン、キレイなお姉さん、です。説明されなくても、レース好きな方なら誰でも分かりますよね♪きっと、この「チーム監督」が、サンタさんに違いありません。

メールをしても、普段ならすぐに返事が来るのに、恥ずかしいのか、それともサンタさんは身元を明かさないのが条件なのか、返事はありません。でも他には考えられません。


昔のサンタさん♪

そんなサンタさんも、若い頃は可愛い少年でした。一時期、一緒にサーキットを回っていました。

監督と私の若かりし頃
監督と私の若かりし頃

所属するチームは、レーシングチームでありながら、バリバリの体育会系でした。典型的な『ザ、昭和』のイメージです。しかしだからと言って、年下のチーム員をイジメたり無茶を言ったりしたことは、もちろんありません!!夜にサーキット駐車場からお風呂に行く際に運転してもらったり、私が寝ていてもコンビニでビールとポテトチップスを買っておいてもらったり、朝に飲むコーヒーも忘れずに買っておいてもらったり、甘いお菓子も忘れずに必ず買っておいてもらったり、サーキットに着いたら起こしてもらったり・・・。そんな程度です。

10年ほど前、たまたま筑波サーキットで私とヤマハ監督とRSイ○ウの監督が、何故だか一緒にいました。イ○ウが「ワタル、缶コーヒー!」と言ったところ、『まだオレですかぁ~』と言いながら、販売機で缶コーヒーを買ってきてくれました。イ○ウが嬉しそうに、「やっぱりワタルが買ってくれた缶コーヒーは美味いなぁ~」と言いながら、嬉しそうに飲んでいました。そんな事をしてくれるヤマハ監督は、オッサンになっても可愛いヤツです。

監督のチャンピオン獲得時

そんなヤマハ監督も、昔に2度チャンピオンを獲得しています。その時にもらったチャンピオンTシャツ、どこかにあったなぁ~。確かサインも書いてもらったなぁ~。

数年後、とあるメーカーの偉い方がそのTシャツをウェス代わりにパーツに巻きつけていたのを見たことがありますが、私はそんな事はしていません。きっとタンスの奥にでも仕舞ってあるはずです。

もし見つけたら、青い航汰のTシャツと一緒に、リビングにでも飾っておきます♪