恒例の高齢ツーリング

だいぶ寒くなってきましたが、皆様はオートバイに乗られているでしょうか・・・

私は試乗以外では、最近はほとんど乗っていません。最後にツーリングに出かけたのは、11月最後の週末でした。

毎年この時期は、むか~しからの仲間であるオジさんたちと、伊豆方面に一泊ツーリングに行っています。以前は「恒例ツーリング」と言っていましたが、最近では『高齢ツーリング』に変わりました。なので、正確には『高齢の恒例ツーリング』と言ったところでしょうか。

走るスピードもだんだんと遅くなり、食べる量もだんだんと減り、飲むお酒の量も減り、寝るスピードだけは早くなりました。

日頃の行いの悪いオジさん達だからでしょうか、近年、雨の確率が何故だか高く、今年も残念ながら、家を出発する時には既にカッパです。やる気もなくなるというものです。

できれば車で行きたかったのですが、数年前にも同様の天気になり、車で行くと言っている後輩君たちに、『カッパは何のためにあるのか、知ってるか?』と、半ば強制的にオートバイで来させた手前もあります。頑張ってオートバイで行くことにしましょう。皆に示しがつきませんので。

雨合羽を着て、恒例ツーリングに出発


トラブル発生!

もう25年も乗っている愛車ですが、最近は大した整備もしていません。春にタイヤを新品にして、クラッチマスターを交換して、その後数回乗っただけです。

ツーリングの前々日、エンジンを掛けようと思い、良く見てみると・・・

なんと車検が切れています。当然ですが、このままではツーリングには行けません。前日に急遽、車検を受けに行きました。

車検後、ブレーキとクラッチのエア抜きをし、タイヤの空気圧をチェックし、念の為にバッテリーを充電し、エンジンを掛けてみました。なんとかこれで、ツーリングには行けそうです。

そうして、我が家まで来てくれた仲間数人と、雨の中、カッパ姿で出発しました。いつもなら、道志道を通り静岡の仲間に家に行き、コーヒーを飲んで行くのですが、道志道は通行止めです。おまけに朝から雨です。おとなしく集合場所の沼津まで、高速道路で行くことにしました。

寒い雨の中を走行していると、トイレが近くなります。1時間ほど走行して、東名高速のパーキングに寄ると、仲間がやけに私のオートバイのRタイヤ付近を気にしています。

「大丈夫だった?」
『なにが・・・?』
「スプロケット、減っていたから気になっていたんだけど・・・」

そしてスプロケットを見ると・・・
残念なほど、減って尖っていました。これではまともに走ることも出来ません。

その友人は、出発前に分かっていたそうです。マルケジーニ用の特殊なスプロケットですが、予備はガレージにありました。言ってくれれば、その場で交換して出発できたのに・・・

でも、今となってはどうにもなりません。そもそも私の愛車です。全て私の責任です。人様のオートバイをイジって忙しかった事もありますが、そんなことは、何の言い訳にもなりません。皆さん、ご迷惑をお掛けします。ゆっくり走ります。

やがて、コマ跳びを起こすようになりました。昼食後は、信号発進もままなりません。雨も上がってきて、せっかく楽しく走れそうなのに、どうにもなりません。

昔、もてぎ耐久レースの最後の走行時に、チェーンがコマ跳びを起こすようになり、回転を落として何とかゴールしたことがありました。最後は、レースなのに4,000回転しか回せない状態でした。走りながら、その時のことを思い出していました。

雨の上がった西伊豆で

 雨の上がった西伊豆で休憩中

雨もあがり、楽しく走れそうな峠道です。5速までフルに使い、何とか回転を上げずに走って、コマ跳びをおさえようとしましたが、全然楽しくありません。

宿に着く前には、3000回転以下でも、ちょっとパワーを掛ければコマ跳びを起こす状態でした。いくら155馬力あっても、これでは郵便配達のカブにも付いていけません。


別の車両も・・・

翌朝、数人で相談して、ハイエースに積み込むこととなりました。レースで言えば『リタイヤ』です。

先端が折れたスプロケット

減って尖った先端部が、みごとに折れています。チェーンが引っかかるところがありません。これでは走ることは出来ません。無理して走っても、最悪はチェーンが外れてホイールに引っかかり、Rタイヤがロックして転倒・・・。そんな結果は絶対に嫌です。

ハイエースに積み込む

残念ながら、今年の恒例ツーリングは終わりました。あとはブーツを履いたまま、ハイエースの助手席で過ごすことになりました。


出発して1時間くらい走った頃、先に行ったはずの友人が一人、なぜかすれ違っていきました。私たちのハイエースを探していたようです。車を止めて話を聞くと、どうやら別の1台にもトラブルが起きたようです。

現場に到着すると、もう1台のXJRでした。溶接して作ったシフトペダルが、折れていました。

『お客さん、ちょうど使えるステップ一式がありますよ♪。お貸ししましょうか?』

ステップの交換作業

ハイエースで来てくれた方は、普段は優秀なメカニックです。元H○Cです。全日本から8耐、O/Hからマシン製作までこなす、知る人ぞ知る名メカニックです。

「高野、どうする?」
『オレのバイクのステップごと外して、付けちゃいましょう。』

ということで、ハイエースに積まれたバイクから左のステップ回りを外し、寂しく路肩に止められたXJR1300に、さっさと取り付けます。

今回のツーリングは、彼を走らせるために私が諦めた、ということにすれば、全て丸く収まります。それにも増して、恒例ツーリングにはハイエースと工具が必須、ということも、改めて証明されました。

そういえば、シフトペダルを折った友人には、以前に80φのシリンダーを貸したままです。そのシリンダーは、どうなったのでしょうか・・・。

「あっ、あのシリンダーは、転倒して燃えた時に溶けました。」

ステップは溶かさないで、返しに来てくださいね。