秋のテイスト・SOHCピストンが大活躍
前回のブログでもご紹介しましたが、テイスト・オブ・ツクバ最速クラスの「HERCULESクラス」で、いつも走っているヤマハ乗りが4人も、今回欠場しました。
私はヤマハ一筋で、大好きなメーカーです。お世話になっている方もたくさんいます。そのヤマハ車がいなくなってしまうのは、寂しい限りです。
北海道からやってきたXJR1300のライダー
そんなだらしないヤマハ乗りが多くなったことを事前に察知したのでしょうか、はるばる北海道から、ヤマハ乗りの助っ人がやって来てくれました。
彼のことは、実は30年前から知っています。SP750クラスという、当時新設されたクラスで、2年間、一緒に走りました。オートバイも私と彼は同じで、ヤマハOW-01に乗っていました。
遠い記憶では、確か1990年は自動昇格の対象レースとなり、一緒に国際A級に昇格したと思います。ランキングは、アクセルの開けっぷりが良かった彼の方が上だったと思いますが、その時にチャンピオンとして昇格したのが、同じチームメイトで後輩の、現ヤマハファクトリー監督です。
そんな彼ですが、国際A級に昇格してレースを諦めた私と違い、時々ですが全日本にも出場していました。地元の北海道でもレース活動を続けており、XJR1300には随分と長く乗っているはずです。
私がXJR1300でレース活動をしていた頃、彼も地元でスーパースポーツに混じってXJR1300でレースを走っていました。エンジンを壊すと、「部品、余ってないですかぁ~」と連絡が来たものです。
一時、なぜかクランクシャフトを続けて折り、2本くらい送ったことがありました。しばらくすると、クランクがカニやウニに化けて、送り返されてきました。その度に美味しく頂いたことを、久しぶりに思い出しました。
SOHCピストンを組んだXJR1300
そんな彼が今年の春、何と25年ぶりに筑波にやってきました。テイストに出場するためです。マシンはもちろん、XJR1300です。
レース前のライダースミーティングで少し話をしましたが、「レースが終わってから、ゆっくり話をしよう。」となりました。レースが終わるまでは忙しいですし、気持ち的にもゆっくりできません。
しかし・・・
レース中に何かが起こり、レース終了後、ゆっくり話をすることは叶いませんでした。
XJR1300用SOHC製スペシャルピストン
その彼から夏に連絡が来ました。
「ブログ読んでますよ~。SOHCピストン、俺も欲しいんですけど。」
今年製作したSOHCピストンの内の3セットは、レース仕様の圧縮比12.0:1のものです。その中の1セットを、出来上がってすぐに北海道の彼に送りました。
その他2セットもレースユーザーの方に販売しましたが、今回のレースには組まれていませんでした。昨年製作分のレース用1セットは、後輩に販売しましたが、未だにエンジンは出来上がっていません。
つまり彼のXJR1300が、SOHC製スペシャルピストンを組んで筑波サーキットを走る、初めてのXJR1300ということです。
彼のエンジン仕様はおおよそ分かっていますので、そこにSOHC製ピストンを組んだらどんな走りが出来るのか、どう変わるのか、私も非常に興味がありました。
初めて筑波を走った、SOHC製ピストンを組んだXJR1300
SOHCピストンを使った感想
レース後、彼から写真とコメントを頂きました。
SOHC製ピストンを組んだXJR1300の走り
SOHCピストンを使った感想を書きます。
- 回転の上昇が早い。
- エンジンが軽く回る。
- シフトダウンが楽になった。
- エンジンブレーキが少なくなった。
- アクセルも開けやすくなった。
- 同じ所で今までよりもスピードが出ている。
ピストンを組んでから十勝のレースに出て、コースレコードを更新出来ました。凄く軽くエンジンが回るようになり、ファイナルレシオも変わりました。
ストレートでは、同じところで今までよりも、明らかに回転が高くなっていて、スピードも出ています。
今回の筑波は、金曜日は雨で走れず、土曜日の練習では4周目に転倒してしまい、その上予選では黒旗を振られて、9周しか走れませんでした。ファイナルはしっかりと決めたかったのですが、決められませんでした。
十勝の結果を踏まえて、5月のテイスト時よりもロングにしましたが、数箇所でレブまで回ってしまい、1速多く使うことになってしまいました。
そのため、2速落しの場所が何箇所か出てしまいましたが、5速ミッションとは思えないほど、シフトダウンが今までよりも楽になり、エンジンブレーキの効きも少なくなりました。
今までに3回もクランクシャフトを折っていますが、ピストンが軽いと負担もかなり減ると感じています。
ピストンだけでこんなに変わるなんて、驚きです。素晴らしいピストンを、ありがとうございます。
次回は59秒台を狙います。
久しぶりに勝負しましょう!
私も一度、SOHCピストンを組んだXJR1300を筑波で走らせてみたい、と思っていましたが、そこまで変わるのですね。
今回もHERCULESクラスは赤旗中断や、その他にも色々とあったようですが、そんな中で総合10位、SUPER MONSTER Evoクラス優勝、という結果は、素晴らしいものです!
来春にはマシンもライダーも治して、完調な状態で走りますから、久しぶりに一緒に遊んでくださいね。坂元君!
SOHC製ピストンを組んだXJR1300のレース車両
XJR1300のテイストライダーを、サポートします!
私は、もうXJR1300でテイストに出るつもりはありません。でも、自分が携わったXJR1300が筑波で走る姿を見てみたい、という願望はあります。
今回、遠く北海道からやって来た坂元君ですが、XJR1300に関する情報は、ずっと提供していました。だからエンジンの仕様や今までのトラブルは、おおよそ把握しています。
今回も、ピストンの提供だけでなく、圧縮比に関することやTMRキャブレターに関するアドバイスも、幾つかしました。それらのアドバイスが、こうして結果として返ってくると、素直に嬉しいものです。一緒に走ればライバルになるのかもしれませんが、そんな事は関係なく、純粋に嬉しいのです。
遠くからテイストのためにやってきた昔のレース仲間が、結果を残して嬉しそうに帰っていくことが出来たのですから。
そんな気持ちを味わったからこそ、以前から考えていた『テイストライダーサポート』をしてみよう、という気持ちになりました。
もちろん、マシンはXJR1300だけです。それも、キャブ車に限ります。走るレースは、テイスト・オブ・ツクバだけです。他のサーキットには行きません。あくまでも、『テイスト・オブ・ツクバにXJR1300で出場する方』ということです。
レースですから、マシン造りから始めなければなりません。長年XJR1300に乗り続け、関わってきましたので、知識と経験は豊富にあります。
しかしそれだけでは、レースで好結果を残すことは出来ません。レースに対する取り組み方、エンジンだけでなくキャブレターやサスペンションのセッティング、各コーナーのライン取り、予期せぬトラブルへの対処方法、速く走るための方法論、その他必要な、様々なものをご提供できます。
以下のような方は、大歓迎です。
- レースに本気で取り組みたい方。
- レースは、大人の本気の遊びだと考えている方。
- 今よりも速くなりたい、とお考えの方。
- マシンだけでなく、走りのアドバイスも欲しい方。
以下のような方は、お断りさせてください。
- 一生懸命に取り組む事ができない方。
- 約束を守れない方。
- 横柄な態度の方。
- お金を掛けないでレースをしようとお考えの方。
- フルサポートをお望みの方。
- ノウハウや知識だけが欲しい方。
私はもう20年以上、XJR1300(1200)に乗ってきました。レース活動もしてきました。何度もトライ&エラーを経験しました。
そんな私の経験や知識を、レースで走るXJR1300に活かしてみたい、そう思っています。マシンだけでなく、走ることについてのアドバイスもご提供出来ると思っています。
今ならまだ、お譲りできるSOHC製ピストンも1セット、残っています。
興味のある方は、まずはお気軽にお問合せからお願いします。