ピストンいろいろ・・・
偶然ですが、手元にいろいろなピストンが揃ったので、比較してみました。
もちろん全て、XJR1300用です。
左から順に並べてみました。
- ノーマル
- JE
- Wossner
- SOHC(ストリート用)
- SOHC(レース用)
ピストンの裏側です。こちらの方が、性格や作りがより分かります。
ピストンのスペック
ちょうど秤(はかり)を新規で購入したばかりですので、まずは全ての重量を計測してみました。ピストンピンのあるものは、ピン重量も計測しました。
下記に、圧縮比も合わせて分かりやすく表にしてみましたので、ご覧ください。
ピストン重量 | ピン重量 | 圧縮比 | |
ノーマル | 254.6g | 50g | 9.7:1 |
JE | 263.4g | - | 11.5:1 |
Wossner | 253.1g | 59.8g | 12.5:1 |
SOHC(ストリート) | 215.2g | 59.0g | 11.6:1 |
SOHC(レース用) | 216.9g | 59.0g | 12.0:1 |
ピストン重量は、JEとWossnerはノーマルとほとんど変わらないのに対して、SOHC製は圧倒的に軽量です。15%も軽量化しています。私は個人的には、そこに製造者の職人としてのこだわりを感じます。
軽くするのは、簡単なことではありません。簡単に実現できるのであれば、どのメーカーもとっくにやっています。
4つのピストン重量を合わせるために、一番軽いピストンに合わせて他のピストンを削ることがあります。ご自身で削ったことがある方ならお分かりでしょうが、3gも重いと、結構削らないと同じ重さに出来ません。
それが、40gも軽量化されているのです。素晴らしい!
軽量化は車両作りにおいて、常につきまとう永遠のテーマです。それはエンジンの内部パーツ一つでも、同じです。何故なら、軽量化は多くのメリットをもたらすからです。
ここにある全てのピストンを実際に走らせて体感した訳ではありません。JEは、たまたま中古品を入手したもので、カーボンを落として形状や重量を確認するために手元に置いてあったものです。
Wossnerは、今月中に組み込むお客様のエンジン用です。初めて見ましたが、男らしい形状をしています。
SOHCのストリート仕様は、昨年に実際に組み込み、試乗もしました。XJR1300では様々な仕様のエンジンを走らせてきましたが、『ピストンが軽くなるのはこういうことなんだ!』と初めて実感しました。
SOHCのレース仕様は、ストリート用に比べて圧縮比が高くなっています。計算上は「12.0:1」のはずです。このピストンはまだ未体験です。
圧縮比
圧縮比は、どれもカタログデータ上のものです。WossnerやSOHC製のものは、これから組む予定がありますので、実際に組み付けて圧縮比やバルブリセスなどの正確なデータを取りたいと思っています。
カタログデータほど圧縮が上がらない、と言われているピストンも、中にはあるようです。組み付けて実際にデータを取ることが、確認する一番の早道です。
徐々にやっていきましょう。