エンジン組立て・シリンダー編

組み付けたクランクケース

クランクケースを合わせた後、クラッチとオイルパンを組み付けて、いよいよピストンの取り付けです。

組み付けたピストン

私は手が大きいので、スタットボルトの間に手を入れてピストンを組み付けるのは、意外と難儀します。

今でもサークリップを取り付ける際は、油断しないように心がけています。緊張する作業の一つです。
サークリップの合口は、ピストンの切欠部からずらす事が必要です。

ピストンを4つ取り付けたら、シリンダーを組み付けていきます。専用工具を使わないでシリンダーを組み付けるには、少しコツが必要ですが、要領が分かれば専用工具は必要ありません。

ただし、ピストンリングをくれぐれも傷つけないこと、またリングが外れたままで無理やりシリンダーに押し込まないこと、この2点に注意が必要です。

クランクシャフトを回して、スムーズに動けばOKです。

シリンダーを組み付けたところ


バルブのすり合わせ

そのままの勢いでヘッドも乗せたいところですが、そうは行きません。まだヘッドを作っていませんでした。

まずはバルブのすり合わせです。
バルブシートの状態が良いので、シートカットの必要はありません。すり合わせだけで問題なく使えます。

バルブのすり合わせ

まずは全てのバルブをヘッドにセットし、中目のバルブコンパウンドを付けて、ひたすらすり合わせをします。バルブを回転させながら叩く感じです。これを16本で繰り返します。

一度目のすり合わせが終わったら、バルブフェイスとシート面のコンパウンドをキレイにふき取り、当りを確認し、今度は細めのバルブコンパウンドを付けます。さらに16本のバルブをすり合わせします。

インテークはまずこれで問題ありませんが、たまにエキゾースト側では2回のすり合わせでも当り面がキレイに出ない事があります。その時は、さらにもう一度、すり合わせ作業をします。

すり合わせが終わったら、バルブフェイスとシート面のコンパウンドをキレイに拭き取り脱脂します。

その後、バルブをヘッドに組み付けて、シリンダーヘッドは完成です。

バルブを組み付けたシリンダーヘッド


載せる前にもう一仕事

ヘッドが完成したら、シリンダーの上に組みつける前に、もう一仕事あります。ヘッド単体の状態で、バルブクリアランスの測定です。

エンジンを組み上げた後、何度もクリアランス合わせのためにカムシャフトを外すのは、効率が悪く大変です。ですから、ヘッド単体の状態でカムシャフトを規定トルクで組み付け、バルブクリアランスを測定してシム調整をするのです。

この作業の終了後、やっとヘッドをシリンダー上に組みつけます。


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