富士スピードウェイへ遊びに行きました。

身体も頭も順調に回復している、と自分では思っていますが、短期間にいろいろとありましたので、ちょっと気晴らしに富士スピードウェイに遊びに行ってきました。

このレースを見学するのは初めてのような気もしますが、知った顔や後輩君たちが頑張る姿を見るのも、たまには良いでしょう。

8年ぶりの富士スピードウェイ

久しぶりにやってきました。久しぶりすぎて、ゲートからパドックに行くのに、道を間違えました(笑)。

あまりメジャーなレースではありませんが、パドックに行くと、知った顔もチラホラ見かけます。

「あれっ?高野さん、もう身体は大丈夫なんですか?」
「随分と元気になりましたね。」
「この前のテイスト、ダンロップスタンドで見てましたよ。」
「酷い怪我だったんですね。」
「肩にしているバンド、何ですか?」
・・・

時折出会う知り合い全員に、こう言われます。
その度に、
『いや~、自転車に乗ってたら子供が飛び出してきちゃって!避けようとしたら転んじゃって、大変だったよ。』

だんだんそう言うのにも疲れ始めた頃、決勝レースが始まりました。

この日、一番速かった男

昔、同じチームに在籍していた後輩君で、この日一番速かったライダーでした。見ていてつまらないくらい、後ろをぶっちぎっていました。乗っているマシンを考えれば、勝って当然かもしれません。しかも勝ったからといって、誰も褒めもしません。そういうチームで育ったのだから、そこは諦めてください。

同じチームのバイク馬鹿おじさん

入院中、「同じケガを10年前、20年前にしていたら、レースを続けていたのだろうか・・・」とボンヤリした頭で考えていました。その時に思い出したのが、このおじさんです。

彼の入院している病院に、今まで何度行ったことでしょう。御殿場、筑波学園都市、八王子・・・。5年に一度は大ケガをしていたのに、まだ止めていません。そのエネルギーは、いったいどこから出ているのか・・・。大したものです。でも、今日は転倒禁止ですよ。

バイク馬鹿おじさんの息子

同じグリッドの後方に、上で紹介したバイク馬鹿おじさんの息子がいます。排気量では負けていますが、若さと勢いは比べるべくもありません。1周でいいから、オヤジに付いていってくださいね。

このクラスは、この日最速のライダーとオートバイが走ります。ストレートスピードは、そんなに飛ばさなくても・・・と思える速さです。

私はオートバイで、300kmも出したくはありません。でも走れば、きっと出てしまいます。だから富士スピードウェイは走りません。怖いですからね。

バイク馬鹿おじさんのお手伝い

いよいよスタート間近です。バイク馬鹿おじさんも、タイヤウォーマーを外します。手伝いは、チームの後輩君たちです。二人共、私と一緒に耐久を走った仲間です。

一人は、99年にもて耐を組んで2位になった時の相棒で、もう一人は04年にSUGO6耐で優勝した時の相棒です。いい歳をした大人たちですが、今でも先輩に頼まれれば、ちゃんと手伝いにやってきます。可愛い後輩たちじゃありませんか!

バイク馬鹿おじさんが、今でも二人を可愛がっているかどうかは、私は知りませんが・・・

ちなみに、私たちが長年お世話になっているバイク屋さんとチームは、昔ながらの「完全な体育会系」です。こんなレーシングチームは、おそらく他にはないんじゃないか、と思えるほどです。

常に速いライダーは、周りにたくさんいました。ちょっと速くなったからといって、誰も天狗にはなれません。お立ち台に上がったくらいでは、誰も褒めません。今のヤマハの監督が現役の頃は、全日本のチャンピオンになっても、褒められた姿を見た事がありません。不思議なチームです。

あっ、体育会系なのは、私とは関係ありませんからね。私がお世話になり始めた頃は、既にそうだったんですから・・・


バイク馬鹿な後輩君1

さて次のレースは、どうやら外車がメインのようです。レギュレーションを全く理解していませんが、グリッドを見渡すと、そんな感じです。

この後輩君、もう50歳になっているはずですが、初めて会った当時は、まだ彼が18歳くらいの頃でした。予選がウェットだったとはいえ、フロントローです。初めて彼の事がカッコよく見えました。

昔は本当に遅くて、「おまえは何で1コーナーで一時停止するの?踏み切りでもあるの?」と言ってイジめたものです。

高校時代はラグビー部だったというので、二十歳の頃、ラグビーの試合にも何度か連れて行きましたが、ヘタでした。バイクは遅いしラグビーはヘタだし、どうしようもないなぁ~、と良く言っていましたが、気がつけば30年も付き合っていることになります。

バイク馬鹿な後輩君2

そのヘタな後輩君の隣には、もっとビックリするヤツがいました。なんとフロントロー2番手です。

30年前、30台の筑波のグリッドを目指して200台で争っていた時代に、海のおじさんたちと一緒にレースをしていたヤツです。昨年の夏の筑波の走行会で30年ぶりに会ったと思ったら、目の前で転倒して骨折したヤツです。

「昨日、富士のライセンスを取って、雨の中、少しだけ走ったんですよ。」と言っていましたが、それですぐに決勝レースです。大丈夫でしょうか・・・

『今日転んだら、罰金だぞ!』と皆には決勝前に言っていましたが、私が言っても説得力は何もありません。でも、皆には転倒せず、無事に帰って欲しいものです。人のレースを見に来ると、不思議とそんな気持ちになります。


バイク馬鹿な後輩君3

このマシン、ハーレーですが、何と私より一回りも年上です。タンクの左脇には、見慣れないシフトレバーのようなものが付いています。こんなバイクで、全開で走っても大丈夫なんでしょうか・・・。しかも、サスペンションが付いていません。

ライダー君は、私の家の向かいで運送屋を営んでいる社長さんです。聞くところによると、ヤマハのR1でレーサーを造るよりもお金が掛かっているそうです。

もちろん、「今日転んだら、罰金だぞ!」とスタート前に言っておきました。

レースは、知っている人が走るから見ていて面白い!そう思っています。

結果はここでは割愛しますが、とりあえず皆、無事にレースを終えました。無事が一番です!今回自分がケガをして、つくづくそう思います。

次回は見るだけじゃなく、リハビリも兼ねて自分も走ろうかなぁ~。

社長は、「おまえのバイク、バラバラにして捨ててやる」と言っていましたが、
私が止めると寂しいはずです。また走らせてくれるかなぁ・・・