準備を進めています。その③-エンジン編

前回の2回に渡って、コンプリートマシンの構想や準備しているパーツ等について、お伝えしてきました。今回は「エンジン編」として、エンジン内部をどのようにするつもりなのか、またどのような部品を用意しているのかを、お伝えしようと思います。


シリンダーヘッド

各種加工済みのシリンダーヘッド
各種の加工がされているシリンダーヘッド

ここに、一つの組み立て済みのシリンダーヘッドがあります。既に、様々な加工はされていますので、組み付けるだけの状態です。

まずポートは、職人とも言える、いつもの友人に拡大加工をして頂いております。IN側もEX側も、キレイに拡大されており、鋳肌は削り取られて滑らかになっています。もちろんインシュレーターも、ポートに合わせて拡大加工されています。

バルブは鏡面仕上げされ、シートカットもフェース研磨も、もちろんすり合わせ加工まで済んでいます。シリンダーとの合わせ面も、データに基づいた研磨量で面研磨されています。つまり、フルチューニング用のメニューと同じです。さらに、シルバーの耐熱塗装もされています。

耐熱塗装もされているシリンダーヘッド
耐熱塗装もされています。

このシリンダーヘッド、実は街乗り車に使う予定で作ったものですが、諸事情により、使わないことになりました。ですから、いつどのエンジンにも使える状態で、保管箱の中でスタンバっている訳です。

インシュレーターも、拡大加工済み
インシュレーターも、拡大加工済み

インシュレーターも、もちろん拡大されたINポートに合わせて、拡大加工されています。


カムシャフト

ポートを拡大させたり、ピストンを変更したり、圧縮比を上げたりしても、カムシャフトが純正のままでは、エンジンの基本的な性格は変わりません。簡単に言えば、面白く感じないのです。(あくまでも、私の個人的な見解ですが・・・)。だから、イジッたエンジンでは、やはりカムシャフトは変更したい、常々そう考えています。

大パワーやチューニングエンジンに慣れていない方には、純正カムシャフトの方が運転はしやすいかと思います。特にハイリフトカムの場合は、信号待ち等のゼロ発信の際は、エンストもしやすくなりますので、慣れは必要です。

ただ、やはりカムシャフトを変更すると、パワーの出方であったりトルクの出方であったり高回転の回り方等が、より一層楽しく感じるようになります。もちろんそれだけではなく、圧縮比やバルブタイミングの調整など、純正エンジンでは行わない調整や加工も影響しますが、カムシャフトの変更は、それだけ大きな変化をもたらします。

保有しているWEBCAM
保有しているWEBCAM

お客様のエンジンに使用する物も含め、現在、これだけのWEBCAMを保有しています。この中の1セットをコンプリート車両に使っても良いかな~、と思っています。


スペシャルカムシャフト

保有しているスペシャルカムシャフト
保有しているスペシャルカムシャフトです。

これは、未使用のカムですが、実はスペシャル品です。おそらく現在では、この1セットしか世の中に存在しません。ですので、スペシャルカム、と言っておきましょう。以前、と言うよりも相当に若い頃、ヨ〇ムラで働いていた加工屋さんのオッチャンが、長年、隠し持っていた試作品です。リフト量を測定すると、市販されたタイプよりも、少しリフト量は高いです。市販品の開発段階で試作したカムだと、言っておりました。

長年の保管で少し表面にサビも出ていますので、使用前に磨きは必要ですが、十分に活用出来る物です。ただ持っていても、もったいないですからね。私が製作するエンジンに使用するのであれば、問題は無いでしょう。

なぜ市販品のカムシャフトを、この試作品のリフト量にしなかったのか、聞いたことがありましたが、既に30年以上も前のことですので、本人も覚えていませんでした。

今では滅多に中古品も出品されませんが、それでも「ヨ〇ムラST-1」は、クセも無く良いカムシャフトだと思います。モワパワーを求める方やレースで使う方には、少しばかり物足りない感もありますが、多くのライダーに使って欲しいカムです。でもモノが無いのですから、仕方ありませんね。

もしカムシャフトを変更したい!とお考えなら、「WEBCAM」が一番お勧めかな、と思います。ただし、納期がある程度は必要です。純正カムをアメリカに送って、最低でも3ヵ月程度は必要です。


少し珍しい物

オーバーイグナイター
オーバー製イグナイター

現在では、ほとんど見る事も無くなった、オーバー製イグナイターです。XJR1200が発売された初期の頃、とあるメーカーのオジサンから、
『これ、使ってみろ!』
と、怪しげなイグナイターを頂いたことがありました。

中は樹脂で固められておらず、基盤が外に出ないよう、ガムテープが張られていました。暫くその怪しいイグナイターをレースで使っていましたが、後になって、オーバー製品の試作品だったと知りました。

今でも時折、オークション等に出品されていることもありますが、カプラの形状が異なりますので、1999年式までの車両にしか使用できません。また、右側に接続されるカプラが無いものが殆どですが、このカプラの配線接続で点火マップを選択します。ですのでカプラ無しのイグナイターの使用は、酷い場合はエンジンを破損させる事もあります。右側のカプラの無いものは、お勧めできません。

右側に接続されるカプラの意味や目的、マップの違い等は、興味のある方はご自身にてお調べください。そのカプラの付いていないイグナイターを使用して、エンジンを壊した後輩君もおりますが、あくまでも自己責任になります。

「高野さん、使えると言ったじゃないですか。」

エンジンを壊した後にそう言われるのだけは、個人的には許せません。ご自身で調べ、ご自身の判断で使うかどうかを、ご判断ください。点火マップの意味や点火時期などを知らなければ、古いエンジンのチューニングに手を出すのは危険です。高圧縮エンジンにおける適正点火時期を知っているエンジンチューナーは、驚くほど少ないものです。ですから自己防衛の意味でも、少しは点火の事を学ぶ必要があります。

ちなみに私の街乗り車は、今でもオーバー製イグナイターを使っています。既に30年を超えましたが、問題なく走れます。せっかくオーバー製イグナイターが一つあるのですから、製作するコンプリートマシンには、これを使おうかと考えています。あくまでも自己判断にはなりますが、このイグナイターを使ってみるつもりです。


その他のパーツ

エースウェルメーター
ACEWELLメーターとステー

メーター周りはスッキリさせたいので、このメーターを使うつもりで購入しています。また、スピードの取り出しは、古いタイプはFホイールから取り出していますが、フォーク等を変更しますので、この取り出し部は後期型に変更します。フォーク交換した際も、スッキリと収まります。

ドライブスプロケット
17丁のドライブスプロケット

数年前にレーサーを新規で製作する際、ドライブスプロケットの「17T」が、何故か在庫切れとなっていました。サイズは通常よく使われる「530サイズ」ではなく、「520サイズ」です。探してもなかなか見つからなかった為、複数の注文をしたところ、偶然にも余分を入手出来ましたので、大事に保管しています。

コンプリート車には、この「520サイズ」を使う予定です。「530サイズ」だと、チェーンとRタイヤのクリアランスが狭くなり、タイヤの銘柄によっては、微妙に干渉する場合もあります。

今のチェーンは頑丈に出来ていますので、160馬力程度のXJR1300で使うには、強度的には何の問題も無いでしょう。190馬力を超えるYZF-R1にも使われているくらいですので、大丈夫だと思っています。ただし、耐久性には気を使う必要はあるでしょう。


イメージ車両です

フルチューニングされたXJR1300
フルチューニングされたXJR1300

この車両は、つい最近製作したお客様のXJR1300です。Fフォークやオイルクーラー、マフラー等は、コンプリート車で使用する予定の物と同じです。

外装やカラーリング等は変わりますが、エンジン内部も含め、こんな車両にするつもりです。具体的な製作が始まりましたら、またお知らせしようと思います。


チューニングのご相談を、お受けしています。

SOHC製スペシャルピストン、オリジナルの野島エンジニアリング製マフラー、ミクニTMRキャブレター等の、XJR1300のチューニングには欠かせないオリジナルパーツですが、若干の在庫があります。

ご希望の方がいらっしゃいましたら、組み込む事も可能です。ただし、パーツだけの販売はいたしません。あくまでも当ガレージで組み込みまで行う方が、対象になります。

興味がありましたら、下記のフォームよりお問合せをお願いします。

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