パーツの供給具合は・・・?
またまた、すっかりご無沙汰してしまい、申し訳ございません。ほんの数名の方からですが、
「忙しいんですか?」
「ブログ、記事が追加されていませんよ。」
そのようなご指摘を、有り難くも頂戴いたしました。忙しいとはいえ、反省しなければなりませんね。はい、真摯に受け止めて、もっと頑張ります♪
さて、一昨年あたりは酷い状況だった部品の供給ですが、最近では、ほとんど入荷遅れは気にならなくなりました。納期を気にするのは、一部の社外パーツくらいでしょうか。多くの部品は、当たり前の納期で済むようになってきました。とはいえ、一部の社外パーツは納期がだいぶ必要になりますので、ご注意をお願いいたします。
もう1点、注意と言えばその通りなのですが、パーツも工賃も加工費も、値上げが激しいです。ヤマハ純正部品は、結構な割合いの値上げがされました。オイルもタイヤも値上がりしました。塗装屋さんも、内燃機加工屋さんも、値上げしました。社外パーツも、軒並み値上げです。電気代に至っては、ビックリするほど上がっています。
でも、パーツは手に入るし、加工もして頂けるだけで有難い!、そう思うようにしています。
ヤハマの純正パーツは・・・?
一昨年あたりは、ちょっとした部品が在庫切れで、ほんの数点ですが数ヶ月待たされた事もありました。しかし昨年あたりからは、すっかり元に戻った感じです。
ただ、ヤマハのパーツカタログを見ると、「販売終了」となっているパーツが、少しずつ増えてきているように感じます。重要なパーツだけでも生産され続けてくれることを、祈るばかりです。
スズキやカワサキのパーツ供給は、マニアの方なら知っているかと思いますが、酷い状況になっています。その点、ヤマハとホンダは、さすがの対応です。それが何時まで続くのかは分かりませんが、やはりヤマハとホンダは違うなぁ~、と思わせるメーカーであり続けて欲しいものですね。
その他のメーカーは?
一昨年の暮れ頃に、パーツを購入させて頂いている部品屋さんから聞いた話なのですが、あるショップがスズキの油冷マシン、GSF1200のオーバーホールを依頼され、お客様のご要望でクランクシャフトも新品に交換しようとなったところ、なんと!!!、販売価格が80数万円だったので止めた、とのこと。
その2ヵ月後、「やっぱり交換したい!」とのお客様からの要望で、再発注したところ、既に販売終了。少しだけ残った在庫の値段を数倍に上げて販売したのでしょうか・・・。おそらく、もう2度と生産されることはないのでしょうね。それがメーカーのやり方なのだとしたら、ちょっと寂しい気分になります。
そのスズキだけでなく、カワサキもパーツ供給は大変な様子です。他のメーカーの純正パーツなんて発注もしませんので、具体的な内容までは分かりません。ただ、大変らしい!、という話は、よく耳にします。
オートバイ業界は、これからどんどんと変わっていくでしょう。内燃機関からモーターに変化しようとしている中、二輪車だけが取り残されている気もします。自動車業界では、レースの世界でも、『カーボンニュートラル』などという言葉を良く聞くようになりました。オートバイ業界は、どのような変化をしていくのでしょうか。
ミクニTMRキャブレター
私が愛してやまない、ミクニTMRキャブレターです。メーカーがキャブ車を生産しなくなって、既に十数年経ちます。当然、キャブレターの開発などされている訳もなく、おそらく最後のレーシングキャブレターでしょう。最後にして最高のレーシングキャブレター、そう思っています。
そのような状況の中、まだミクニは生産してくれています。当然、生産数は激減しているでしょうから、発注しても、入荷まで3ヶ月程度は必要です。しかし、まだ新品で購入出来るのです。純正キャブレターのパーツ入荷もおぼつかない状況で、新品で入手できるのは、どんなに有難いことなのか・・・。
当ガレージでも、時々は発注をします。どうせなら、と幾つかまとめて購入するようにしています。でも、高価な部品ですから、あまり在庫しておくことは出来ません。ですから、在庫を期待されても、厳しいのが現状です。
何故か在庫があると、すぐ売れてしまうようです。有難いことですが、欲しい方は、出来れば早めの発注をお願いします。
ちなみに当ガレージでは、TMRキャブレターだけの販売は、しておりません。当ガレージで取り付けまでして頂ける方だけに、販売させて頂いております。どうかご理解をお願いいたします。
カムシャフト
カムシャフトは、一時、新たにヨシムラ様で生産できるかも、と思っていましたが、残念ながら無理な状況になりました。ですから現在、当ガレージで入手出来るカムシャフトは、「WEBCAM」くらいです。
昔に販売された「ヨシムラST-1」は、たまにオークションで販売されると、非常に高額になるようです。ただし、エンジンの性格は、大きくは変わりません。信号発信でも全く気を使わなくて済む程度のカムシャフトです。そこが使い勝手が良い部分かもしれませんが、トルクやパワーを求める方には、大人しくて物足りない性格と言えるでしょう。
一方で「WEBCAM」は、数種類のリフト量から選択できます。中には、シムをインナータイプに変更したり、バルブスプリングの変更も必要なタイプもあります。そこまでパワーを求めた場合、コンロッド変更も含め、高額な改造費が必要になってくるでしょう。
個人的には、そこまでしなくて済む、つまりインナーシムにせず、キャリロコンロッドにしなくても済む程度のパワーが、一番乗りやすく、コストも掛からないチューニングだと、勝手に思っています。私が昨年製作したレーサーエンジンも、そのような仕様です。
それでもストリートでは、簡単には全開に出来ないようなパワーとトルクを、手に入れることが出来ます。
その「WEBCAM」ですが、純正カムをアメリカまで送り、加工してもらう仕組みです。つまり、一から製作するのではなく、言ってみれば肉盛りカム、ということになります。
当然、製作には時間が掛かります。コロナが広がり始めた際に依頼したカムは、時期が最悪だったこともありますが、1年以上も掛かりました。現在でも、最低でも半年は必要です。
時間が掛かるからといって、誰が使うかも分からない、誰が買ってくれるかも分からない状態で、人様の為に純正カムを何本もアメリカまで送り、製作してもらうのは、現実的ではありません。ですから、通常は在庫しておりません。
時々、製作依頼をする際、手元に純正カムがあれば、2セット程度は余分に依頼しますが、そんな時は、すぐに買い手が現れるものです。
もし必要な方がおられましたら、計画段階から早めに発注されることを、強くお勧めいたします。現在も、カムシャフト待ちの方が、数名いらっしゃるくらいですから。
この「WEBCAM」製カムシャフトですが、TMRキャブレターと同様、製品だけの販売はしておりません。当ガレージで組み込まれる方だけに、ご提供しています。ご理解を、お願いいたします。
内燃機加工屋さん
私がオートバイのエンジンを自分で分解したり、あれこれ加工するようになった頃は、いわゆる内燃機屋さんと呼ばれる加工屋さんは、今よりもずっと多く存在していました。しかし時代の流れでしょうか、すっかり数が減ってしまったようです。
そうなると、残ったところに発注が集中する結果となり、今でも営業されている内燃機屋さんは、聞けばどこも忙しい様子です。
現在は1社、懇意にさせて頂いているところがあり、営業の方が無理を聞いてくれますので、非常に助かっています。これも、いつまで続くのかは、分かりません。後継者がおらずに廃業される事業所があることも、時折、耳にします。
昔のようにエンジンを分解し、改造し、直して使う方が減っているのかもしれません。時代は、アッセンブリー交換が主流になってきているようです。エンジンをイジって楽しんでいるようなマニアの方々は、時代遅れなのかもしれませんね。
その他、社外メーカー
XJR1300は、以前からクラッチが弱点と言われています。中には、キャブレターをTMRに交換しただけでも滑り出す場合があります。乗り方や開け方にもよるのでしょうが、クラッチの滑りに悩んだ場合に使われるのが、この「コイルスプリング式クラッチキット」です。
クラッチレバーが重くはなりますが、パワーアップしても滑らなくなるのですから、使わない手はありません。私のレーサーにも街乗り車にも、このクラッチが使われています。
コロナが広がり始めた頃に発注しましたが、在庫切れや生産ストップなどの影響が重なり、半年以上も入荷しなかったケースがありました。
しかし現在は、多くの工場も生産体制が元に戻っていますので、納期遅れの心配は、ほとんど無くなったように感じています。
野島エンジニアリング様
昔からマフラーで有名な「野島エンジニアリング」様ですが、一昨年から昨年に掛けては、非常にお忙しいご様子でした。
最近では、やっと落ち着いてきたようですが、それでも新規にマフラーを注文すると、最低でも3ヶ月は必要なようです。
この車両は、先月、TMRキャブレターを装着させて頂いたお客様の車両です。あまり見かけない、野島エンジニアリング製のメガホンタイプが装着されていました。やはり、数ヵ月待ったようです。でも、最近では見かけないタイプですので、とてもカッコ良く見えます。
ちなみに、私がレース用として、ご無理を聞いていただいて製作したマフラーですが、ストリート用としても使用できます。ただし、センタースタンド、及びそのステーを切除する必要があります。タンデムステップも、場合によっては取り外す必要があります。
その他、サイレンサーは各自でご用意頂くこととなります。
筑波サーキットで何度かテストし、実際にレースでも使っていますが、バンク角が足りずに路面にマフラーが擦る、といったことは、一度もありません。軽量でバンク角があり、そのうえ吹け上がりも良いのですから、文句の付けようがありません。ストリート用の車両にも、使いたいくらいです。
もし『私も欲しい!』という方がいらっしゃいましたら、当ガレージで注文をお受けいたします。ただし、3~4ヶ月は、お待ち頂くようになります。
昨年の秋に、少しだけ値上げさせて頂きました。理由は、パーツ価格の上昇や加工費の高騰などによるものです。それでもまだ、ヤマハが純正パーツを供給してくれますので、エンジンをオーバーホール出来ます。まだまだ楽しく走ることができます。ミクニ様も、まだTMRキャブレターを製作してくれます。
ただそれらも、いつまで続くのかは、私には分かりません。既にスズキやカワサキは、酷い状況になっているようです。
そのような状況で私たちに出来るのは、
『出来るうちにやっておく。』
『買えるうちに買っておく。』
そんなことくらいでしょうか。
もし、出来なくなって、買えなくなって後悔したくない方は、お早めに決断されることを、お勧めします。
そうすれば、まだまだ調子の良いXJR1300に乗って、楽しむことが出来ますからね♪