寒い中の走り納め

筑波サーキットの朝

今から30年くらい前でしょうか、まだまだバイクブーム、レースブームが続いている頃、『バトル・オブ・ザ・ツイン』という名称の、シングルとツインのレースが開催されていました。出場者も多く、雑誌にも毎回取り上げられて、筑波サーキットが観客で溢れていたものです。

開催日は、なんと『1月15日』、昔で言う『成人の日』でした。今思えば、そんな寒い中で、よくぞレースなんてしていたものです。当然ですが、タイヤウォーマーなどという物は、存在もしません。極寒の中、スリックタイヤで朝から走っていました。若かったから出来たのか、贅沢を知らなかったから出来たのか、いずれにしても、よくやったものです。

決勝が1月15日ですから、12月後半になると、本格的に練習やテストを始めます。12月の終わり頃に練習に行くと、周辺の畑は霜柱で白くなっており、筑波サーキットの路面は、キラキラ光って見えたものです。

なぜ、そんな事を書くかと言えば、年末の12月末、年内最後の二輪の走行日に、イイ歳をして、筑波サーキットに走りに行き、あまりの寒さで昔のそんな時代の事を思い出したからです。

予報は晴れ、実際の天候も晴れ、筑波到着時間はいつもより少し遅い7時頃でしたが、雨でもないのにこんなに空いている筑波は見たことがない!と思えるくらい、ピットは空いており、車もほとんどいません。好きなピットを使えます。自力でピットを取るなんて、記憶にないくらい久しぶりのことです。


テストの目的

テストパーツを装着したXJRレーサー
テストパーツを装着したXJRレーサー

当日は、あまりの寒さに写真を撮ることも忘れてしまいました。これは、帰宅後にハイエースから降ろした時に撮影したものです。

今回の目的は、F周りのテストです。秋のレースでは、いろいろとやってはみたものの、あまり上手くはいきませんでした。サスペンションの減衰調整や車体姿勢、スプリング交換などもしてみましたが、最後まで思うようには走れませんでした。

タイムや順位はもちろん重要ですが、それよりも、思ったように走れることが最も重要だと思っています。しかし、オートバイが思った動きをしてくれないと、ストレスが溜まります。オートバイが、行きたくない方向に行くと、楽しくなくなります。でも、最後まで思った動きをせず、行きたくない方向に進んでしまっていました。

寒くはなりましたが、まだレースを走って2ヶ月も経っていません。ライダーは相当にポンコツになりましたが、今ならまだ、オートバイの変化がある程度分かると思い、テストしたということです。

「今年中に、ちゃんとテストしてくださいよ!」
そう、厳しく言っていた後輩君が、なんと今回、自分は走らないのに、付き合ってくれました。オッサンですが、優しいヤツです。前日にはお酒で接待したのは、言うまでもありません。


テストの結果と対策

12月の末ですから、当然ですが寒いです。そのような状況ですので、どの走行枠も空いていました。朝一番は避けて、出来るだけ暖かくなった時間を選び、2走行しました。

「高野さん、とりあえず3秒は出して下さいよ!」
1本目の走行後、FZ最速の後輩君が、厳しい要求を出します。久しぶりだし、とても寒いのですが、容赦ありません。

1走行目は、途中でチェンジペダルのネジが緩み、ピットインしましたので、たいしたタイムは出ていません。でもちょっとだけ頑張って、2走行目には、続けて3秒を出すことが出来ました。これで後輩君に怒られずにすみます。

本音を言えば、前日も当日の朝も、
「ヤダなぁ~、こんな寒い中、走りたくないなぁ~」と思っていましたが、走行して良かったと思えました。やっぱりオートバイは楽しいです♪

今後、F周りをどうするか、春のレースはどのような仕様にするか、この後、慎重に決めようと思っていますが、おおよその方向性は決まりました。

『ああ、やっぱりな!』

何が「やっぱり」なのか、詳細はここでは言いませんが、ある程度の事は実際に走行して分かりました。まだ私の感覚は、ポンコツになったとはいえ、少しは機能していることも分かりました。

冬の間に準備をして、春には、多少は無理の効くオートバイに仕上げたいと思っています。今よりも思ったように動き、思った方に進み、勝負を仕掛けられるようなマシンになれば、順位はどうあれ、もっと楽しいレースが出来ます。楽しいレースが出来れば、それだけの満足感も得られます。

さあ、頑張ろうっと♪