18年ぶりのXJR1300でのレース

XJR1300レーサー

XJR1300でのレース

「XJRレーサー製作」の記事も完結してはいませんが、車両は何とか形になり、先日レースに出場してきました。とりあえずはその顛末を書いておこうと思います。

最後にXJR1200(1300)でレースに出場したのは、調べてみると2004年でした。随分昔のような気もしますし、ついこの間のような気もします。でも2004年ですから、実に18年ぶり、ということになります。

今までは『HERCULES』というクラスに出場していましたが、いろいろと思うところがあり、今回はクラスを変えてみました。そのあたりの心情については、別ページで少し詳しくお話していますので、お時間のある時にでもお読み頂ければと思います。

まあ簡単に言えば、あと何回レースに出場できるか分からないのに、頑張っても0秒台しか出せず、しかもビリ争いは、なんだかつまらないなぁ~、ということです。もう少し楽しくレースがしたいなぁ~、ということです。

2021春のHERCULES予選結果

これは昨年春のHERCULESクラスの予選結果です。頑張っても0秒真ん中がやっとでした。そしてビリ争いです。

秋のレースは、私はトラブルで走れませんでしたが、春のレースよりもっとヒートアップしました。タイムもメンバーも、もはや全日本並みです。

2021秋のHERCULES予選結果

もうここまで来ると、草レースとは言えない気がします。残り少ないレース人生、もう少し楽しく走りたいな・・・、そう考えるようになった、ということです。昨年秋のレースでは、グリッドの5列目までが59秒台です。トップ集団は、すぐに見えなくなります。見るには楽しいレースかもしれませんが、走るには、ちょっとばかりレベルが上がり過ぎました。

レースが大好きで、バイクが大好きで、バイクいじりも大好きな、ちょっとおバカなおっさん達のイベントが、『テイスト・オブ・ツクバ』だと思っていましたが、残念ながらHERCULESクラスは、別のカテゴリになってしまった気がします。

本音を言えば、今までと同じクラス、一番速いクラスを走りたいのです。だって、コース上で自分よりも速いライダーたちを、真後ろから見ることが出来るのですから。全日本レベルの走りを真後ろから見ることができるチャンスなど、全日本に出場する以外は、なかなかありません。引っ張られて、思ったよりもタイムが出ることもあります。でも、もういいかな・・・。

XJR1300でレーサーを造る材料は、いろいろとあります。ベースエンジンもフレームもあります。以前に乗っていたFZSレーサーから移植できるパーツもあります。街乗り用ではなく、久しぶりにレース用のXJR1300を造ってみたくなった、というのも理由の一つです。そんなこんなで、今回のクラス変更となった訳です。


簡単にはいきません!

車両造りの詳細については、引き続き「XJRレーサー製作」で紹介していこうと思っていますが、まだまだ完成はしていません。長い目で見てやってくださいね。ですから今回は、レースウィークの出来事を書いていきましょう。

壊れたRホイールのカラー
壊れたRホイールのカラー

新品に交換したスプロケットハブのベアリング
新品に交換したスプロケットハブのベアリング

4月後半の慣らしで重大なトラブルが発生し、Rホイールのベアリング交換やカラー製作などを再度行いました。タコメーターを動くようにし、シフターを取り付けて、それらの確認も兼ねた慣らしが出来たのが、5月6日のことでした。既にレースまで1週間しかありません。いくらマシン製作に手こずったとはいえ、自分でも本当に大丈夫なのか、ちょっとばかり不安でした。


遅い!!!

18年ぶりに、筑波サーキットでXJR1300を全開にしてみました。馬力は測定していませんが、推定160ps程度は出ているエンジンを造ったつもりでいます。きっと、ある程度は走るだろうと。

ところが・・・、です。
これがビックリするくらい、遅く感じるのです。

XJR1300からFZS1000に乗り換えて以降、長年に渡り、R1のエンジンを使わせて頂きました。エンジンの年式やチューニング具合は様々でしたが、基本的にはずっとR1エンジンでした。ハーネスやECUもキットパーツでしたので、見た目はFZS1000でも、中身はR1でした。

そんな贅沢を、長年にわたりさせて頂いたせいでしょうか、久しぶりのXJR1300が、とにかく遅く感じるのです。開けても付いてこない、オートバイが暴れる感じがしない、フォークが伸びるだけで浮く気配は全くない、そんな感じです。

しかし、チームの後輩君と一緒に走ると、決してオートバイは遅くはありません。遅い気がするだけです。長年の贅沢三昧で、ライダーが空冷の走らせ方を忘れてしまっているだけです。こんなことではいけません。もっと早くアクセルを開ける必要があります。


フォークの長さが足りない!!

しかし、早く開けたい気持ちはあるのですが、どうにもブレーキを離した後の旋回性が、よろしくありません。何もしないで向きが変わるのを待つ時間が、どうにも長すぎるのです。R1エンジンの走り方に慣れているからだ、とも思いましたが、いやいや、それだけではなさそうです。

思うように向きが変わらない右コーナー

何度かダンロップ下でフロントが切れ込み、転倒しそうになりました。すっかり反射神経の鈍ったただのオジさんは、こんな事があると、右手のリミッターだけは敏感すぎるほど効いてしまいます。ちょっとでも無理すれば、簡単に転んでしまいそうな気がします。

フロントフォークは、以前に乗っていた「FZS1000レーサー」から、ブレーキやホイールごと移植しました。長さが足りないことは始めから分かってはいましたが、FZS1000の時は、それでも何とか走れていました。

しかし、フレームも違います。車重も違います。エンジンの性格も車体の性格も全く異なります。FZS1000では何とかなったけれど、XJR1300では厳しい、ということです。

むか~し、一度だけ走った8耐の時の相棒が、今でもテイストを走っています。マシンは、唯一ストレートで抜ける「Z1」から、なんと「H2」になりました。その彼は、サスペンションメーカーの社員で、少しでもフォークを長くするためにくれたアイデアが、こちらです。

Fフォークの突き戻し

トップブリッジの厚みの3分の1程度であれば、絶対に大丈夫!と言われましたが、さすがにちょっと怖いので、5ミリにしました。自分が5ミリが分かる男なのか、それが心配でしたが、切れ込む症状はだいぶ緩和されました。

次回までには、根本的な対策は必要ですが、今回はこれで走るしかありません。

その他にも、ファイナルレシオが決まりません。チェーンの持ち合わせがありませんので、選択出来るスプロケットも限定されてしまいます。それでも、その中で最も良いと感じたレシオを選択しました。


そして整備です♪

日曜日の予報が雨であれば、1本くらい雨の走行しようと考えていましたが、レースの行われる日曜日の予報は、私の期待に反して『晴れ』です。ですから、雨模様の金曜日と土曜日は走行せず、整備を行っていました。

塗装済ガソリンタンクの洗浄とサビ取り

近所の塗装屋さんに外装パーツを塗ってもらいましたが、タンクだけは別のものを、そのまま取り付けて練習していました。せっかくですから、タンクも塗装して頂いたキレイなものに、交換しましょう。

しかし、キャップも外された状態で、20年近く放置されていたタンクです。一度ガソリンで内部を洗いましたが、それでキレイになっているとも思えません。再度、ガソリンを入れてかき混ぜた後、抜いてみましたが、サビと水が混ざったような茶色の液体が、ガソリンと共に出てきます。3回ほどガソリンで洗ってみましたが、完全には無くなりません。

近くのホームセンターに行き、カー用品コーナーで水抜き剤を3本購入し、再度、タンクの洗浄です。ガソリンを1L入れ、水抜き剤を1本入れた後、タンクをよく振ります。多少時間を置いた方が良さそうなので、30分程度時間を置き、再度タンクを振ってから、ガソリンを抜きます。

そんな事を3度繰り返すと、抜き取ったガソリンは徐々にキレイになってきました。もうこれで良しとしましょう。


レース結果はというと・・・

4泊5日という、なんとも贅沢な筑波サーキットへの遠征でしたが、同じように長旅をしている知人も、チラホラと見かけました。あいにく金曜日と土曜日は雨天のために走行出来ず、スタート練習も中止になりました。予定していた半分しか走れませんでしたので、不安要素ばかりでした。そんな中で迎えた、レース当日です。

MONSTER Evoクラスの予選結果

Fフォークのセット変更で、切れ込み感は多少は改善されました。また、この車両になって初めての新品タイヤでした。そんなこともあり、とりあえずはこのレーサーを造ってからのベストタイムが出ました。

でも、思い出してみると、20年前のXJR1300でのベストタイムは、もう少し良かった気がします。そうだとすれば、タイヤは相当に進化していますし、知識や経験は当時よりも遥かにあります。その一方で、ライダーの退化も相当のスピードで進んでいる、ということになります。悲しいですが、仕方ありません。

レースはといえば、2回の赤旗中断があり、3回もスタートしました。特に2回目は、何が起こったのか全くスタートで加速出来ず、2度もエンジンが止まった後、ヨタヨタと最後尾で1コーナーに入っていく始末。しかし、なんとその1コーナーで、車両が1台炎上しており、当然、赤旗中断です。

3度目は、またしてもスタートが上手くできませんでしたが、何とか最後まで走ることができました。今回の目標は、『無事に完走。出来れば一桁順位♪』、これだけでした。ですから、上出来です。

MONSTER Evoクラスのレース結果

久しぶりのお立ち台です♪

レース時のラップタイムは、2度の赤旗中断があったこと、コースがオイル処理やガソリン処理で汚れていた事などを考えると、参考にはなりません。集中力は無くなり、コースが汚れていたのですから、タイムが伸びなくても、仕方ありません。

この新しいXJR1300レーサー(フレームは1200なので、正確にはXJR1200レーサー)は、レースの数日前にやっと走れるようになっただけです。やるべきことも、いろいろと見えてきました。次回までには、もう少し煮詰めて、無理の出来る車両にしたいと思っています。

その他、新たに使ってみたエンジンパーツや、無理を聞いて頂いて出来上がった野島エンジニアリング製のマフラーなど、皆様にお伝えしたことは、いろいろとあります。また機会がありましたら、ブログやサイトでご紹介いたします。

追伸

こんな、いい年したヘッポコライダーですが、何人もの方が筑波サーキットまで来てくれました。外装を塗ってくれた近所の塗装屋さんを始め、エンジンをオーバーホールさせて頂いたお客様も、6名も来てくださいました。

それだけでなく、長年お世話になっているチームの社長や、いつも手伝ってくれる仲間まで、本当にありがとうございました。そんなに優しくされると、『もう少し走っちゃおうかなぁ~』と、オジさんは勘違いしそうです。

グリッド上にて


XJR1300(XJR1200)にお乗りの方へ

以下のようなお悩み、お困りごと、ご要望はありませんか?

  • 古くなったので、エンジンのオーバーホールを検討している。
  • 異音がして、なんだか調子が悪い。
  • TMRキャブレターを取り付けて、セッティングまでして欲しい。
  • チューニングしてパワーアップをしたい。
  • 大掛かりなカスタムをしてみたい。
  • これからも安心して長く乗りたい。
  • XJR1300でレースに出場したい。

XJR1300のキャブレター車であれば、既に生産から15~20年程度は経過しています。XJR1200であれば、それ以上です。つまり、立派な旧車ということです。

エンジン関係のパーツは、既に幾つかは販売終了になっています。つまり、もう新品では購入できません。他メーカーでは、部品供給に関しては、既に酷い状況になっています。ヤマハがいつ同じ状況になっても、不思議ではありません。

このような状況は、私たちエンドユーザーには、止めることは出来ません。出来ることは、一刻も早く、新品パーツが少しでも数多く入手できるうちにオ-バーホールし、リフレッシュすることくらいです。

これから少しでも長く安心して乗るためには、エンジンをオーバーホールすることが最良の方法でしょう。メーカーから部品が出ている今であれば、それが可能です。

ヤマハXJR1300のことであれば、どのようなお悩みやお問い合わせでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。

XJR1300のスペシャリストが、お一人お一人に親身になってご回答いたします。
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