レースの時の裏話

今回のレースは、予選もまともに走れず、消化不良に終わりました。でもレースなんて、そんなものです。いつも完璧に!なんて、目指すだけで、実際には出来ません。ワークスチームでも、出来ません。いろいろなことが起こります。

オートバイレースは、道具を使うスポーツです。しかもその道具が複数あり、しかも複雑に絡み合っています。それらをライダーが操って競争しますので、予期しない出来事なんて、年中起こります。予測していないトラブルなんて、しょっちゅう起こります。転びたくないのに転倒することも、時にはあります。でも、それらも含めて、それがレースというスポーツだと思っています。

私はただのオートバイ好き、レース好きのオッサンですから、ここで難しいテクニックや走りについての理論など、申し上げるつもりは毛頭ございません。トラブルで走れませんでしたが、なぜそのトラブルが発生したのか、まだ何も解明できてはいません。原因究明と修理は、冬の宿題としましょう。

そんな事よりも今回は、ちょっとした面白そうな小ネタを、幾つかご紹介したいと思います。


「柳川選手を、紹介しときます♪」

私はレース用のタイヤは、長年にわたり「BS(ブリヂストン)」を愛用しています。テイストというレースが始まる前から使っていた気がしますが、テイストに出るようになってからは、間違いなくブリヂストン一筋です。

一部のマニアなら知っている、BSMC(ブリヂストンモーターサイクルタイヤ)という会社があります。ブリヂストンのオートバイ用タイヤの販売会社です。もう30年以上前からお付き合いのあるカタクラの後輩君の一人が、実はそこの社員で、昔は一緒に、激しかった頃の「もて耐」を走ったりもしました。実は今では、なんと社長様となっております。そんな縁もあり、カタクラはずっとブリヂストンで走っています。

そのような付き合いがありますので、最近のレースでは、いつもBSガレージ前に車両を置かせて頂いたり、夜間に保管して頂いたりしています。いつもいつも、本当にありがとうございます。

そのBSガレージの向かい側は、最近のテイスト時はいつも「SPEED MASTER」というオイルメーカーがブースを出しています。その一角に、サポートライダーの車両を展示したりしています。今回のその車両が、こちらです。

RSイトウのH2R

このチームの代表である伊藤とは、もう35年来の友人であり、シングルレースも選手権も6耐も8耐も、いろいろと一緒にやってきました。そのチームの今回のマネージャー的な役割で来ている男も、いい年したオッサンですが、大学生の時から知っているヤツです。決してビバンダム君ではありません。

マキ:「あっ、高野さん、ヤナさんを紹介しておきますよ。」
オレ:「オレは一方的に知っているから、大丈夫♪」

柳:「柳川と申します。宜しくお願いします。」
柳:「さっきは、最終でギリギリで抜いてすいません。」
オレ:「いえいえ、速い方はどんどん行っちゃってくださいね。」

柳:「失礼ですが、お幾つですか?」
オレ:「○○才になりました(汗・・)。伊藤と同級です。」

柳:「いいですね!僕も、それくらいまで走っていたいなぁ~♪」
オレ:「伊藤がず~っとサポートするから、大丈夫でしょう!」

もちろん有名なライダーの方ですから、私は一方的に良く知っております。話すのは初めてですが、人の良いフツーのおっちゃんのイメージでした。

また来年も伊藤のチームで走るようですので、もてぎくらいは応援に行きますね。


最速の、フツーのオッサン、山根君

今回出場した柳川選手も加賀山選手も新庄選手も、全日本の現役ライダーです。その他にも、数々の有名ライダーがこのクラスに出てきたりします。そんな中で、今回破られてしまいましたが、今までコースレコードを持っていたのが、全日本選手でも8耐ライダーでもない、フツーのオッサンの山根君です。

パワービルダーの山根選手

むか~しは、今よりもっと普通のニンジャで走っていました。その頃は、まだ私の後ろでした。それがいつしか追いつかなくなり、テイストの顔になりました。何度レコードを塗り替えたか、何度優勝したか、面倒くさいので数えません。

『昔は兄さんのデカい背中を、ずっと追いかけていたんですよ♪』
そんな可愛い事を言ってくれますが、今では当然ですが、全く遊んでもくれなくなりました。練習で出会っても、横を通り過ぎるだけです。でも、今でも私のことを『兄さん』と呼んでくれる、可愛いヤツです♪

ちなみに「モギちゃん」は、私のことを『アニキ』と呼んでくれます。二人ともいい年したオッサンですが、そんな二人にそう呼ばれると、なんだか怖い世界の方と間違われそうな気がしますが、大丈夫でしょうか・・・。

そんな彼らとは、昔に2回ほど、一緒にツーリングに行ったことがありました。探したら、写真も出てきました。

テイストメンバーでのツーリング

結構、濃い人たちがいますね。山根もコーイチも宮島もモギちゃんも戸田っちも、おまけにBSMCの社長もビルダーのボスもいます。

確かこの時は、「今度ツーリングに行きましょうよ♪」とは言うものの、今度とオバケは出たことがない、の例え通り、時々そんな事を言うだけでした。ですから私が、
『宿は取っておくから、お前とコーイチで連絡係をやれ!』
と、優しくお願いした訳です。

彼らの連絡が良かったからでしょう。愛知からも群馬からも茨城からも千葉からも、来てくれました。そんなお願い事も素直に聞いてくれる山根君には、『フツーのオッサンの代表』として、これからも頑張ってもらいたいものです。

ちなみに、春のレース前の練習で負った怪我が、まだ完全には癒えていないようで、今回は欠場となりました。歳を取ると、治りは遅くなります。冬の間は大人しくして、早く治してくださいね。

でも、フツーのオッサンなのに、いい歳なのに、全日本ライダーをやっつけるんですから、凄いことです!H2Rを抜くんですから、カッコいいです!やっぱり山根はカッコいいなぁ~。ヘルメットを被っている時は・・・♪


お客様の訪問

私のような、速くもないただのオッサンのレースに、何名ものお客様が顔を見せてくれました。ありがとうございました。

残念ながら、ヘッポコな走りは予選の2周だけしかお見せすることができませんでした。でも、少しでも応援して頂けていると思うと、元気が出るものです。皆様、本当にありがとうございました。

これに懲りずに、ちょっとばかり作戦を変更して、もう少し走ろうと思っています。また機会がありましたら、応援してくださいね。

ちなみに、応援の際の差し入れは、大歓迎です♪♪♪


40年来のライバルと、オッサンたちの抱擁

「あ~~っ、雨の高野さんだぁ~」
酔っているのか酔っていないのか、私には判別できませんが、テイストの時にパドックでお会いすると、こう言って寄ってくる方がいらっしゃいます。どう見ても先輩です。

初めは、失礼ですが誰だか存じ上げずに、
「なんだ?このオッサン!!」と思ったものです。

でもよく見ると、『AUTOBOY』のシャツを着ているではありませんか!
そうです。新庄君の親父さんです。

確か私がまだXJR1300で走っている頃、同じクラスに「ガンマ500」でエントリーされている新庄さんという方がおりました。どんな方が乗られていたのか記憶がなく、本当に失礼いたしました。おそらく、この酔っ払っているように見える親父さんでしょう。その後、今の息子さんがまだ素直で可愛かった頃、そのガンマで出場されていた気がします。

トップを走る新庄選手

カタクラの社長からは、40年以上前からのライバル、と聞いていました。「いつも俺が勝っていた」、とも言っていました。それを新庄さんに言うと、「今ならオレの方が速いぞ!」とおっしゃっておりました。近頃のボーリングブームの影響か、今度はボーリングで勝負しよう、という話になっていたらしいです。

当日の夕方、また酔っ払っているかのような新庄さんにお会いしました。
『保ちゃんに会いたかったなぁ~』
「社長、そこにいますよ!」

そう言うと、嬉しそうにカタクラの社長のところに行き、熱い抱擁を交わしていました。いい年したオッサン二人の、見てはいけない光景を見てしまった気がしました。

今度はどうやら、ゴルフで勝負するようです。お互い、負けると相手から何を言われるのか分かりませんので、頑張ってくださいね。

でも、良い関係ですね。私にも、こんな関係の友人って、いるのかなぁ~。