海の向こうからエンジンがやってきた!・その7

エンジンの輸出入に関しては、様々な困難がいろいろとありましたが、それを専門にされている業者さんが助けて下さることになり、急展開で輸出入が可能となりました。

助けて下さったのは名古屋の業者さんで、お礼も兼ねて、完成したエンジンを名古屋まで届けることとしました。

完成したエンジンを木箱に入れる

まず、完成したエンジンを木製のパレットに固定し、木箱に入れます。エンジンが届いた時も今回も、フォークリフトが大活躍しました。もちろん、当ガレージが保有している訳もありません。目の前にある運送屋さんです。今回も、缶コーヒー1本で頼みました♪

カーボンを落としたピストン

オーバーホール済のキャブレター

ピストンは新品に交換しましたが、古いピストンはカーボンを除去した状態で、エンジンを入れる木箱に同梱しました。記念にどこかにでも飾ってもらえれば、と思ったからです。

様々な苦労もあり、コストも掛けた今回のオーバーホールでしたので、何か一つくらい私からプレゼント出来ないか?まあ、そんなに大それたことではありませんが、ちょっとしたサプライズです。

キャブレターは、当初からのお約束でしたので、オーバーホールして同梱しました。

完成したエンジンを木箱に入れる

この状態で、隙間にピストンやキャブレター、その他の同梱するダンボール箱やクッション材を入れていきます。蓋は名古屋の業者さんに確認していただいた後、閉じる予定ですので、この段階では蓋を閉じてはいません。

エンジンの入った木箱を車に載せる

XJR1300のエンジンは、全てのパーツが付いた状態では、おそらく100キロ近くあるでしょう。それを人力で持ち上げて車に載せるのは、あまりやりたくはありません。おじさん達の腰を痛めるだけのような気がします。

またここで、フォークリフトの登場です。私のハイエースは、リアゲートが通常よりも高く開きますので、フォークでの積み降ろしが可能です。ですからエンジンを後部に積むのは、1分もあれば十分でした。

この状態で、名古屋の業者さんまで運びました。いろいろとお話をさせて頂き、取り扱っている様々なオートバイも見せて頂き、楽しい時間を過ごさせていただきました。株式会社IBS様、ありがとうございました。あとは宜しくお願いします。


エンジンの到着

シンガポールに到着したエンジン

しばらくした後、オーナー様から到着したとのご報告がありました。つい先日までガレージにあり、私が手を入れたエンジンが、海をわたってシンガポールに届くなんて、なんだか実感が湧きません。

「ヤツに頼んで良かった!」と言われるようなエンジンになっていれば、良いのですが・・・

その後、懇意にしているディーラーさんでエンジンの積み込み作業が行われ、無事に走ることができた、とご連絡を頂きました。まず大丈夫だと分かってはいても、無事にエンジンが掛かり、問題なく走ることができて、ホッとしました。もし万が一にも何か起こった場合、シンガポールに知り合いもおりませんので、安心しました。

シンガポールのディーラーにて

この写真と共に、以下のようなコメントを頂きました。

昨日突然ヤマハからバイクが上がったと連絡があり、早速取りに行ってきました。
だいぶ予定が繰り上がったようです。

慣らし運転の関係もあるので、昨日は2500回転ぐらいまででゆっくり流して帰ってきただけですが、思った以上に良くなっていますね。

正直今回のOHは距離も3万キロ程度であまりエンジンの不具合も感じられないまま出しましたので、それほど変化はないだろう、ぐらいに思っていました。
けれどもエンジンをかけて走ってみると、明らかに良くなっています。

やはりお金をかけてきちんと組んであげると、それに応えて綺麗に回ってくれるという、このエンジンの裏切らないところが、なんとも魅力だと思いました。
シフトも今まで以上にスコスコと入ってくれて、気持ちがいいです。

どうせ乗るならより気持ち良く乗りたいと、私はいつも思っているのですが、まさに気持ちよく乗れる状態に仕上がってきて、大変満足しています。

上まで回せるのはまだまだ先でしょうから、本格的な感想を送るのはずっと先になりそうですが、まずは第一印象をお伝えしました。

この度は丁寧なOHありがとうございました。

このメールを頂いた数日後、再度、下記の内容のコメントを頂きました。

今回こちらでスロットルボディの清掃やキャブの同調を取ったせいもあるかと思われますが、なんともバランス良くエンジンが回るようになって、乗っていて非常に気持ち良く感じます。

しっかりした経験を持った高野さんにお願いした成果なのでしょうが、私が一番感激したのは、やはりエンジンというのはきちんと整備してあげれば裏切らないのだという、そのものの魅力です。

エンジンは消耗品ですから、どんなに大切に乗っていても知らず知らずに劣化して、本来の良さが失われているのでしょう。
しかし、きちんとパーツを交換して、ノウハウを持った技術者が組めば、その本来の性能をまた取り戻せるのが魅力だと思いました。

今回15年3万キロの走行では、ちょっとOHには早いかなと思いましたが、思った以上に体感出来る変化がありましたので、早過ぎるということはなかったのでしょう。

ラインで組んだものをプロがきちんと組み直しただけで全然違うとも言われますから、迷っていたら早めにOHに出して、1日でも早く気持ち良く乗れるようになった方がいいと思いました。

後の人の参考になればと思います。

お忙しい中、試乗された際のコメントを詳細に頂き、ありがとうございます。

私はパストートすら持っていない人間ですが、いつかシンガポールに行くことがあれば、是非、直接お会いしたいと思います。

この度は、誠にありがとうございました。


オーバーホールのご相談は、お気軽に

長く乗っていれば、消耗したり調子悪くなる箇所も増えてくるものです。壊れてからではなく、壊れる前にオーバーホールするのが、一番の得策です。

楽しいはずのツーリング先で、致命的な故障をしてしまえば、乗って帰ることもできません。一度調子が悪くなると、「また調子悪くなるのか・・・」と心配になり、楽しく走ることも出来なくなります。

15~20年も経過しているXJR1300を、今後も楽しく長く乗るためには、エンジンをオーバーホールするしかありません。オーバーホールのご相談は、お気軽にどうぞ。