もうちょっと・・・

FZS1000WR

長年、サーキット遊びをしてきましたが、今までに転倒して頭を強打したことは、一度もありませんでした。ラグビーの試合で脳震盪を起こしたことはありましたが、オートバイでは一度もありませんでした。

それが、頭を強打し、同時に数箇所も骨折するような大怪我を負ったのが、3年前の春でした。それまでは、笑いながらの引退勧告は何度も受けてきましたが、それからというもの、真顔で引退しろ、と言われるようになりました。

言ってくださる方々の気持ちは、もちろん痛いほど分かります。心配してくれてこそ、とも思っています。そうは言っても、やっぱりオートバイは楽しいものです。それがレースともなれば、なおさらです。


ある友人の出来事

20数年前から、「海のオジさん」と私の子供たちに言われている友人がいます。海の近くに住んでいるからなのですが、昔は危ないオジさんで通っていました。よく転ぶからです。

筑波のピットでボードを持ったまま、海のオジさんが一度もストレートを走らなかった、ということは何度かありました。1周目で転倒していたからです。鈴鹿の6耐では、二人で完走するのに3年も掛かりました。

そんな、よく転ぶ危ないオジさんも、お年を召したからなのか、それともやっと大人になったからなのか、最近ではあまり転ばなくなりました。同時期に作った皮ツナギも、たいしてボロくはなっていません。私のツナギの方がボロボロです。

そんなオジさんからレースの1週間前に、珍しくショートメールで『テイストに行けなくなった。今、入院中。』と連絡が来ました。もちろん、電話にも出ません。

近所の友人に頼んで調べてもらったところ、袖ヶ浦で転倒し、後続車にぶつけられて骨盤骨折をしたらしい、とのことでした。天気もよく、オートバイで走りたくなったのでしょう。予約不要の近くの袖ヶ浦に、フラッと走りに行ったのだと思います。そこで、つい無理をしてハイサイドし、抜いた後続車にぶつけられた・・・、そんなイメージが頭に浮かんできました。

『いったい何やってんだよ。いい歳しているのに。仕事はどうするんだよ。おふくろさんは、どうするんだよ。何でもっと注意しなかったんだよ。何でもう少し自重できなかったんだよ。』

転びたくて転ぶ奴はいない。
怪我したくて怪我する奴もいない。

昔から人にはそう言ってきたのに。とっくに分かっているハズなのに。つい妻にそんな愚痴をこぼしてしまいました。すると妻は、ちょっと怒った顔をして、私に話し始めました。

3年前に私が大怪我をした時、滅多に動揺しない海のオジさんが動揺していたこと。搬送された病院で、他の友人たちと一緒に医師からの病状説明を聞いてくれたこと。皆で車輌への積み込みをしてくれたこと。車輌の搬送等を心配してくれたこと。怪我をしたことに対して、一度も怒らなかったこと。

そんな話を聞いているうちに、なんだか涙がこぼれてきそうになりました。海のオジさん、もう怒らないからね。レース当日は、他にも手伝いがいるから、心配しないでね。レースが終わったら、遊びに行くからね。


既に2レース走りました。

筑波サーキットに行く度に、『あと何回走れるんだろう・・・』、レースに出場する度に、『あと何回、レースに出られるんだろう・・・』、最近よく、そんな事を考えます。走っている時間が、何だかやけに愛おしくさえ感じます。ちょっと前までは、感じもしなかった感覚です。

レース前じゃなくても、筑波に走りに行こう! 走れるレースには出場しよう! そんな風に思うようになりました。遅ればせながら・・・ですが(汗)。

ということで、昨年も出場した団体のレースに、4月に出場しました。

カーボン外装のFZS1000WR

スタート直後

何とかお立ち台に

外観はカーボンカウルで、いかにもR1風ですが、いつもの車輌です。

スタートはローンチの練習のつもりでやってみましたが、やっぱり上手くいきませんでした。ドライでは後輩君には全く歯が立ちませんでしたが、一言も褒めてやりませんでした。マン島レーサー君には、最終ラップで抜かれてしまいました。お立ち台に一緒に登ったのは、私の子供でも孫でもなく、近所の友人の子供でした。

でも、どんなレースでも、やっぱりレースを走るのは楽しいものです♪


いつもの大運動会

転倒して削れたカバー

土曜日の公式練習結果

減ったブレーキパッドの交換

4月に1レース走ったこともあり、今回は慌てて練習に通うことはありませんでした。しかし、レース前木曜日の公式練習で、まるでオイルに乗ったかのような転倒をしてしまいました。路面に何かあったとしか思えないような、変なRタイヤの滑り方でした。今でも納得がいかない転び方でした。

土曜日に1本あった公式練習は、モニターにリアルタイムで結果が表示されていたようで、友人が写真に収めてくれていました。0秒台が大勢おり、スタートさえ上手くいけば、レースの最後まで楽しく走れそうな気がしました。

走行後の整備では、減ったブレーキパッドを交換しました。上の薄くなっているパッドはブレンボ純正で、高価なくせにどんどん減っていきます。昨年、それが悲しくなりましたので、社外品の厚いパッドを使ってみましたが、タッチも効き具合も良く、良好な使い勝手です。下の厚いパッドが、その社外品の厚いパッドです。

公式予選のスタート前

予選結果

スタート前のグリッドにて

予選は、もちろん新品タイヤで挑みます。以前は、『新品タイヤで0.5秒、予選アタックで0.5秒』タイムが縮む、と言っていましたが、最近では新品タイヤでもあまりタイムアップできなくなりました。情けない限りです。

予選結果を見ると、皆、あまりタイムが出ていないようです。なんとか0秒台の他のライダーたちと遊びたい!最後まで競い合って走れたら、きっと楽しいだろうな!そう思って、スターティンググリッドに着きました。

決勝レース

決勝レースは、途中赤旗中断があり、2回もスタートがありましたが、結局2回ともに上手くは出来ませんでした。もう少し皆に遊んで欲しかったのですが、遊んでもらうには、もう少しスタートを上手くする必要がありそうです。

スタートは、なかなか練習できる場所も機会もありません。もう残り少ないレース人生ですが、スタート次第でもっと楽しくレースが出来るのなら、練習してみたいものです。

ローンチコントロールの使い方やスタートの仕方をあれこれ聞いていると、B○タイヤの偉くなった後輩君から、『高野さん、その歳になっても、まだ伸び代があるね♪』と、褒め言葉とも違う意味とも受け取れる、貴重なご意見を頂きました。ここは、褒め言葉と受け取っておきましょう。


XJR1300をパワーアップしたい方

  • もう少し調子の良いエンジンにしたい!
  • もう少しパワーアップしたい!
  • レースで通用するエンジンを作りたい!

エンジンに問題を抱えているXJR1300ユーザーの方は、まずはお気軽にお問合せください。
XJR1300のスペシャリストが、お一人お一人に親身になってご回答いたします。