アラゴスタサスペンションが届きました。

アラゴスタサスペンション

2月の後半に静岡に行った際、『Garage Moto Tech』様に寄り、ご挨拶を兼ねてRサスペンションの発注をしてきましたが、1ヶ月後にサスペンションが届きました。

まだ見慣れないせいでしょうか、やけにゴツく見えます。特に、シャフト径が太い気がします。今までに見慣れたツインショックよりも、明らかに太い気がします。ちょっと気になりましたので、実際に測ってみました。

アラゴスタサスペンションのシャフト径を計測する。

何度か測ってみましたが、アラゴスタのシャフトは「16mm」ありました。それに対し、純正サス(ヤマリンズ)は「14mm」、クァンタムも「14mm」でした。つまり、私が見慣れているサスペンションよりも、「2mm」も太いのです。どおりで太く見える訳です。

このシャフト径「2mm」の差が、実際に走ってどう感じるのかは、まだ私には分かりません。重量的には、間違いなく重くはなっているでしょう。しかしそれを補って余りある剛性感は、きっとあるはずです。筑波サーキットで攻め込んだような走りをした場合の剛性感が、とても気になります。

この記事でも書いていますが、それなりのライダーたちが、筑波を60秒を切るタイムで走っていますので、性能的にも剛性的にも、全く心配はしていません。むしろ、どんな走りが出来るのか、非常に楽しみです。


オーダー内容

全長とバネレートは、サスペンションの発注時に指定させて頂きました。特に全長は、希望する長さが決まっていましたので、その長さでお願いしました。エンドアイの部分で、プラスマイナス5mmは調整できます。10mmの調整範囲があれば、まず良いところは出せると思っています。

時折、筑波サーキットでも、なんでこんな長さで走っているのだろう・・・、と感じるXJR1300を見ることがあります。スイングアームの垂れ角を見れば、それだけでおおよその検討は付きます。サスペンションの全長は長すぎてもダメ、短すぎてもダメです。その丁度良い長さを出すには、おそらく誰が乗っても、10ミリの調整幅があれば、まず大丈夫かと思っています。

スプリングは、リニアレート(シングルレート)を選びました。ツーリングユースを考慮すれば、バリアブルレート(ダブルレート)が良いのでしょうが、1台はサーキット走行の為の車輌です。私のコンプリートマシンも同じタイプのスプリングにすれば、交換しながらセッティング出しが可能になります。わざわざスプリングを用意する必要はありません。

ですから、バネレートはセット別に変えました。1セットが「2.2kgf/mm」、もう1セットは「2.4kgf/mm」です。1本ずつ使えば、「2.3kg」にすることも可能です。

ちなみに、リニアレート(シングルレート)とバリアブルレート(ダブルレート)の違いですが、情報はネット上に山のようにありますので、ここでは細かな説明はしません。ただ、サーキットだけを考えれば、リニアレートの方が良いでしょう。動きが分かりやすく、セッティングも出しやすいはずです。

あと、左右のバネレートが違うことを気にされる方もおりますが、全く問題ありません。レースの世界では、FでもRでも、よくやる手法です。私も、何度も経験しています。より細かく設定できるのですから、異なるバネレートを有効活用したいものです。

アラゴスタサスペンションの減衰調整機能

このリザーバータンク部が、ちょっと特徴的です。減衰を調整するアジャスターが二つ並んでいます。両方共に縮み側の減衰(コンプレッション)を調整するアジャスターですが、片側は低速域、もう一方は高速域を調整するものです。サーキットだけでなく、ツーリング時にもあれこれイジってどう変化するのか、今から楽しみです。


目指す足回りのセッティングとは・・・?

新たに製作するコンプリートマシンは、現在の私の愛車のように極端に偏ったセッティングではなく、ある程度のスキルのある方なら、どなたでも楽しんで乗って頂ける、気持ちよくアクセルを開けられる、気持ちよくコーナリングできる、そんなイメージで作りたいと思っています。

ただし、ノンビリとツーリングする際にベストな乗り心地を、とは考えてはいませんので、ある程度は固めの設定にはなるでしょう。ちょっと飛ばした時に、Gを掛けたコーナリング時に、サスペンションはある程度は沈み込んでタイヤを路面に押し付けてグリップし、少しハードなブレーキング時にもしっかりと減速し、しかもフロントの剛性感があり、不安なくブレーキングできる、そんな車体にしたいと思っています。

完成して試乗するには、まだ半年以上の時間が必要になると思いますが、もし興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、場合によってはお譲りすることも考えています。もし完成前に購入の意思をハッキリとお伝え頂ければ、細部の仕上げはオーダーも可能です。


コンプリートマシンの販売条件

このように、フレームから手を掛けていくコンプリートマシンですが、条件さえ合えばお譲りしても良い、と考えて作っています。簡単に分かりやすく言えば、私だけでなく、どなたにでも乗れるスペシャルマシンとして作っていきたいのです。

エンジンは、おおよそ160PS、それでもカムシャフトはSTDを使い、ツーリングユースでも扱いやすい仕様とします。車体は前後サスペンションまでこだわり、フレーム単体の状態で塗装をし、細部にまで手を入れていきます。

アクスルシャフトは、後期型の太いタイプを使い、アルミの腐食やフレームのサビも、当然ですが全て無くします。ステムベアリングやスイングアームベアリングもホイールベアリングも、全て新品に交換します。

そんな話をすると、なんだか楽しそうでしょ??

ただ、価格もそれなりになります。ちょっと計算してみましたが、現行の「YZF-R1M」や「CBR1000RR-R/SP」よりも、間違いなく高額になります。「ドゥカティ・パニガーレV4R」も超えるかもしれません。パニガーレV4Rの乗り出し価格、といったあたりでしょうか・・・。

当然ですが、「○○○万円にまけろ!」とか、「少しでも安く!」といったご要望には、一切お応え出来ませんこと、予めご了承ください。

少しでも馬力が欲しい方、他車よりも速さを求める方は、現行のスーパースポーツの方が良いと思います。現行のスーパースポーツでは無いですが、古いキャブ車ですが、多くの方にとっては完全にオーバースペックな仕様です。マニアの方以外には、乗ることも所有することもお勧めできません。

それでも、そのオーバースペックのオートバイでツーリングしながら、ほんの一時だけ、パワーやトルクを楽しんでみて、また普段通りの走りで満足できる、そんな走り方が出来る方であれば、もしかしたら馴染めるかもしれません。

キャブ車であるXJR1300というオートバイに、それなりの価値を感じる事のできる、相当に変わったマニアックなライダーの方であれば、資格はあるかと思います。このコンプリートマシンに乗っても、楽しいと感じることが出来ると思います。

これからも進捗状況は随時お伝えしていきますので、万が一にも興味を持ち、本気で欲しいと感じましたら、一度お早めにご相談をお願いいたします。