戻りました♪

南の島の海上コテージ

海上コテージでのバカンスとは比べ物にならないような、痛くて大変だった2週間の苦行を終えて、やっと自宅に戻ってきました。

今のリハビリは昔と違い、時間を置かずにすぐ始めます。30年前、ラグビーの怪我で右膝を手術した時は、ギブス固定が40日もありました。足首から股関節の付け根までのギブスを、1ヶ月半もしていました。

そりゃあ、ギブスを外しても動くハズがありません。ふくらはぎも太ももも細くなり、膝関節は全く曲がらない状態です。その時のリハビリの辛さは、今でもよく覚えています。リハビリ入院だけで、1ヶ月半でした。ジョギングできるようになるまで、半年掛かりました。試合に出るまでにはさらに時間が掛かり、1年半くらい経過した後だった気がします。

ラグビーのスクラム

今は、キズが痛んでもすぐにリハビリをさせるようです。今回も、手術翌日から歩かされました。

「早く直すためには、とにかく翌日から歩いてください。」
と言われており、手術前はヤル気マンマンでした。しかし、いざ翌日に歩くとなると、これがまた痛い・・・。

まず、ベッドに腰掛ける体勢になるのに、時間が掛かります。そこからスッと立ち上がるのも困難です。そして歩く訳ですが、これまた痛いのです。午前中は、1周しても60~70メートル程度の同じフロアーの廊下を、やっと4周して終わりでした。午後は、そろりそろりと6周して、ギブアップです。

ギブアップ後、ベッドで横になって休んでいましたが、そこに執刀医と事前に話をしていたリハビリの先生が、私を迎えにやってきてくれました。

「ちょっとリハビリルームまで行きませんか?」

暇ですので、全く問題はございません。

病院のリハビリルーム

事前に考えていたよりも痛くて、とてもリハビリどころではありませんでしたが、『痛み止めを使ってもリハビリさせたい!』という医者側の話も聞いており、少しでもと思って、それなりには頑張りました。準備運動に毛の生えた程度ですが・・・。

その後、リハビリの先生がおかしなことを言い出しました。

『高野さん頑丈そうだから、自転車でもやっていく?』

リハビリルームのエアロバイク

いやいや先生、言っていることがおかしいですよね!
こう見えても、とてもデリケートで繊細なんですからね。

それに、昨日手術して傷口もきっと開いていて、とにかく痛いんですよ。
そんな患者に『頑丈そうだし、自転車漕いで!』って、それはイジメですか?それとも拷問ですか?

ということで、エアロバイクはあえなくリタイヤです。多少は何とかなるかと思っていましたが、情けない限りです。明日は土曜日ですので、月曜日からにしてください。

ちなみに週末を挟んだ月曜日以降は、エアロバイクも頑張りました。傷口に汗が入っても平気なのかちょっと心配でしたが、心拍数を測りながら汗ばむ程度にペダルを踏みました。ペダルを踏みながら、辛くて楽しかった昔のリハビリルームの光景を、ぼんやりと思い出していました。


リハビリの思い出

30年以上前のことです。若くて無茶なプレーばかりしていた私は、遠征先の菅平で右膝を痛めました。その時は、そこまでの大怪我だとは思っていませんでした。

自宅に戻り、割と近所にあった小さな総合病院の整形外科を受診しました。結果は、手術の必要はなく、1ヶ月のギブス固定で大丈夫、との回答でした。

しかし1ヶ月後にギブスを取っても、膝はなんだか変な動きをします。ちょうどその頃、アキレス腱を切断して入院している友人がいました。見舞いに行ったところ、ちょうど先生の回診があり、私の右膝をちょっと見てくれました。

すぐさま、『これはおかしい!』ということになり、膝専門の先生の外来で受診できるよう、手配をしてくれました。

結果は、右膝の動きを10秒確認して、『あ~、多分外と前の靭帯が切れているね』となりました。その時点で、半月板も割れていると言われました。

つまり、それだけの膝の怪我を、出先の菅平の診療所も、近所の総合病院も、そこに派遣されていた大きな総合病院の整形外科医も、誰も分からなかったということです。それを膝の専門医は、10~20秒程度膝の動きを確認しただけで、損傷箇所を言い当てました。

後日、内視鏡検査をしたところ、靭帯2本と半月板の損傷が認められました。その出来事以来、私は特に関節の事は、専門医以外の話を信用しません。レントゲンでは分からない靭帯や腱の損傷は、それぞれの関節の専門医以外は、まず的確な回答が出来ません。そんな経験を、その後も実際に経験しました。何でも屋さん的な整形外科医には、関節特有の腱の動きで損傷具合を予測するのは無理なのです。

装具を付けて膝のリハビリ

そんな経験の後、リハビリのためだけに1ヶ月半も入院生活を送りました。

この病院には、私の膝を執刀してくれた膝専門の名医だけでなく、肩専門の著名なドクターも居たようで、肩の手術の為に全国から患者さんが来ていました。

ちょうどタイミングが良かったのか、私の他に三菱重工ラグビー部の選手、フジタ工業サッカー部の選手(湘南ベルマーレの前身)、岩壁を何が楽しくて登るのか、クライミングの全国レベルの選手等がいました。

理学療法士と言われるリハビリの先生たちの数人は、午後2時を過ぎると急に活気付きます。そう、私たちスポーツ馬鹿のお男たちを鍛えるために、テンションが上がってくるのです。

リハビリを受ける多くの方は、社会復帰し日常生活を取り戻すことが目的ですが、スポーツ馬鹿は、また同じレベルでプレイできるようになる事が目的です。この時の1ヶ月間は、午後のリハビリルームはどこかの企業の合宿所のようでした。汗が飛び散り、身体から湯気が出て、荒い息遣いの中で、苦しんでもがいていたような気がします。

でも、協力してくれているリハの先生たちも私たちも、それなりに充実した楽しい時間でした。マットを広げた空間では、相撲やレスリングもしました。私は膝でしたので、横に動くことは御法度でしたが、とにかく前に押しました。足がプルプルして力が入らなくなっても、まるで相撲部屋の稽古のように押しました。

今となっては、良い思い出です。

今回は、さすがにそこまでのリハビリはしませんでしたし、しようとも思いませんでした。しかも、思った以上に痛みがありましたので、こんな程度で勘弁してください♪

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