コンプリートマシン構想・その4、エンジン編

勝手に一人で妄想が膨らんでいる「コンプリートマシン構想」ですが、その肝となるエンジンについて、具体的に考えていきましょう。

以下は、あくまでも妄想している現段階での予定です。

  • 155ps仕様
  • SOHCピストン
  • ポート拡大加工
  • カムシャフト変更
  • クランク軽量加工
  • 色はブラックで再塗装
  • TMRキャブレター


SOHC製ピストン

XJR1300用SOHC製スペシャルピストン
XJR1300用SOHC製スペシャルピストン

これはもう、外せないところです。

現在の私の愛車には、ワイセコの79ミリが入っています。通常のワイセコよりも、ちょっと圧縮比の高いタイプです。これはこれで良いのですが、せっかくですから次に製作する車両には、SOHC製ピストンを組み込むつもりです。

組み込んだ数台のXJR1300に乗りましたが、どれも組み上げた直後ですので、高回転まで回すことができません。一度は、おそらくその本領が発揮されるだろう高回転まで回して、そのパワー感やレスポンスの良さを、味わってみたいと思っています。

実は、保有していた最後のSOHC製ピストンは、お客様にお譲りしてしまいました。自分用に取っておいた物なのですが・・・。ですから現在、手持ちがありません。なので、どうしても今年は製作したいと考えています。

SOHCエンジニアリングの渡辺さんとは、今年の夏頃に製作する段取りで、話を進めています。材料の確保や製作のスケジュールもありますので、ある程度の話はしておきませんと、今年の製作は間に合わなくなります。

カムシャフトやボアアップなど、いろいろと有意義な話をしてきましたので、またご報告します。特にカムシャフトについては、元ヨシムラの方ですので、私のようなただのオッサンからの相談よりも、話がずっと早くスムーズに進みます。なんせ、『ふじおチャン』ですから(笑)。

ただ、「オレもいつまでこの仕事が出来るか、分からないなぁ~」と、弱気な事も言っていました。今回が最後になるかどうかは、私には分かりませんが、もしピストンに興味がありましたら、以下のページをご覧下さい。


シリンダーヘッド

拡大加工された吸気ポート
拡大加工されたXJR1300の吸気ポート

シリンダーヘッドは、ポートの拡大加工をします。STDのままでは面白くありませんので、これも欠かすことのできない加工になります。

STDの吸気ポート径は約33mmですが、これを38mmまで広げます。もちろん、鋳型のザラつきや段差なども修正します。鏡面にはしませんが、これだけで吸入効率が随分と向上します。

バルブは、程度の良いものがあれば、それを使うかもしれません。新品を組むのが、もちろんベストですが。

ちょっとしたことですが、バルブリフタは磨きます。実は、ポート拡大加工をして、磨いたバルブをすり合わせして、バルブリフタを磨いて、インシュレータも吸気ポートに合わせて拡大したヘッドを、1セット保有しています。

現在の愛車をオーバーホールして、ヘッドの傷みがあった場合、これを使えば!と思い、用意したものです。現在のエンジンの傷みが、思ったほどでは無かった場合、この用意してあるヘッドを、2号機に使うこととします。

TMRキャブレターとポート加工したヘッドの組み合わせは、たまらないパワーと加速感を与えてくれます。この感覚を昔から知っていますので、もうSTD車両では、つまらないのです。

カムシャフトは、製作する話が進んだとしても、1年は掛かるでしょう。ですから、現状で入手可能な「ウェブカム」に、早めに発注しておいた方が良さそうです。

レースで使用する訳ではありませんので、アウターシムでバルブスプリングの変更をしないで済みそうな物から、選択します。インナーシム化は、絶対にしたくありません。

そもそも私は、昔何度も痛い目に遭っているので、ドラッグパーツを信用していません。どれも、耐久性が低すぎます。レースの度にエンジンを開けて消耗パーツを交換するドラッグレースの世界なら別ですが、ストリートで使うパーツではないと思っています。

インナーシム化された、まるでドラッグレーサーエンジンのようにチューニングされたカスタム記事を、以前に読んだことがありました。そんなパワー、どこでどうやって使うのでしょうか。耐久性も心配になります。その足回りとブレーキで大丈夫なのか、そんな心配にもなります。まあ、私が心配しても、「余計なお世話だ!」と言われるのでしょうけれど・・・。


クランクシャフト

クランクを軽量したことで、どう変わるのか?ん~~~、上手く言葉で伝えられません。

STDクランクと軽量加工されたクランク
XJR1300のSTDクランクと軽量加工されたクランク

確かに軽量化することによって、レスポンスは軽くなります。ただしその分、トルク感が薄くなります。トルク感はできるだけ薄くしたくはありませんので、通称「おむすび型」にウェイト部を削るのですが、私たち素人が考えるほど、簡単な作業ではないようです。

ただの外周切除だと、ピックアップは確かに良くなるのですが、トルク感が犠牲になります。だから、できるだけ中心部から遠いところのウェイトを残した切除をする訳です。

また、減少したトルクを向上させる為にも、圧縮比アップは欠かせません。

ピストンを軽量のSOHC製にしますので、そこまでこだわらなくても良いのかもしれません。ただ、どうなるのか実験してみたい、それだけです。

エンジンを作っている最中に、気が向かなかったらクランク加工はしないかもしれません。まだアバウトなところです。


キャブレター

エンジン本体ではありませんが、チューンされたXJR1300エンジンには、やはりTMRキャブレターでしょう。というか、これしかない!と、個人的には思っています。

TMRキャブレター
ミクニ製TMRキャブレター

現在のオートバイは、全てインジェクションです。キャブレター車が作られることは、もうありません。ということは、TMRキャブレターは最後のレーシングキャブレターという事です。

私たちの年代で、長くオートバイに乗ってこられた方なら分かると思いますが、キャブレター車には独特の味があります。特にレーシングキャブレターに変更した場合のパワー感とトルク感は、独特なものです。

市場に出回っているレーシングキャブレターでは、ケーヒンFCRが圧倒的多数ですが、パワー感とトルク感、レスポンスは、ミクニTMRの方が上だと感じています。何より、造りが1ランク上です。

贅沢なベアリングを使用していますので、FCRのようにボディが摩耗することもありません。ファンネルもFCRの樹脂と違い、アルミ製で高級感もあります。

もしXJR1300にもっとパワーが欲しい、とお考えの方は、是非ミクニTMRを味わってみて下さい。ミクニTMRは当ガレージでもご用意できますので、お気軽にお申し付けください。

ちょっと話が脱線しましたが、通常、XJR1300に良く使われるTMRは、ボディが40φのものです。でも、私は41φを使います。昔からずっと使っていますし、現在の愛車も41φです。

チューニングされたエンジンのパワーを出すには、41φも一つの選択肢です。ただ、お値段が若干高いことと、ほとんど出回っていないことが難点ですが・・・。


エンジンパワー

以上のようなメニューで作れば、おそらく155ps程度は出るだろうと予想されます。今までの経験やお客様のエンジンを考えれば、そのメニューで作っても、十分に街乗りやツーリングで使えます。

ただし、150psを超えるパワーを得ようと思うのなら、それに見合ったブレーキや足回りも必要でしょう。オートバイはバランスの乗り物ですから、エンジンパワーだけをいくら向上させても、楽しく安全に走ることは出来ません。バランスが崩れるからです。

また、チェーンやタイヤの空気圧などは見過ごされがちなポイントですが、できれば走る前には、欠かさず空気圧のチェックはして欲しいと思います。タイヤは、路面と接する唯一のパーツです。タイヤが仕事を出来ない状況であれば、どんな高価なオートバイでも、宝の持ち腐れです。


XJR1300(XJR1200)にお乗りの方へ

以下のようなお悩み、お困りごと、ご要望はありませんか?

  • 古くなったので、エンジンのオーバーホールを検討している。
  • 異音がして、なんだか調子が悪い。
  • TMRキャブレターのセッティングが合っていない。
  • チューニングしてパワーアップをしたい。
  • 大掛かりなカスタムをしてみたい。
  • これからも安心して長く乗りたい。
  • XJR1300でレースに出場したい。

どのようなお悩みやお問い合わせでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。

XJR1300のスペシャリストが、お一人お一人に親身になってご回答いたします。