クラッチマスターとキャブレターとタイヤのインプレ

この春に、長年の悩みの種だったクラッチマスターを変更しました。何の評判も聞いた事の無い海外メーカーの製品でしたが、マスターのピストン径の大きなものを探していましたので、その目的にはピッタリの製品です。

ついでに、新たにTMR41パイを取り付けて、セッティングしました。また、擦り減ったタイヤも交換しました。

交換したクラッチ・キャブレター・タイヤはどんなフィーリングなのか?
テストも兼ねて、走りに行ってきました。


タンデムでのテスト

富士スピードウェイにて

富士スピードウェイで友人や後輩君たちのレースがあるので、道志道の通行止めも解除になったことですし、オートバイで遊びに行く事にしました。

「あたしも行く♪」と妻が言うので、久しぶりのタンデムです。タンデムも重要なオートバイの乗り方ですので、タンデムテストという意味ではもってこいですね。

タンデムは、一人で走る時とは全く違った重心や前後バランスになります。サスペンションの動きも変わります。ラフな操作もできません。

私は時々ですが、タンデム走行も楽しみますが、いちいちサスペンションのセットを変えたりはしません。そんな乗り方でも、取り替えたパーツで安心して走れるのでしょうか。


まずクラッチですが、田舎道を走って行きますので、クラッチを握りっぱなしにする、ということはほとんどありません。確かに重くはなりましたが、シフトアップの時に私はクラッチを使いませんし、シフトダウンの時だけです。ですから、大して気にはなりません。

走り出して1時間ほど経過しても、苦痛にはなりません。レバー形状が良いためでしょうか、確かに重いですが、操作性は良好です。

ただ一度、前車が右折のために、結構な勾配の上り坂の途中で停止しました。後ろに同乗者がいる状態で、急坂からの発進は、ちょっと難しかったです。まだクラッチに慣れていないせいもありますが、微妙な半クラ操作が、上手く出来ません。ちょっとばかり回転を上げた、カッコ悪い発進になりました。

ただし発進の不安も、通常の平坦な道では全く感じません。1点心配するとすれば、昼間の街中の渋滞でしょうか・・・。1速半クラッチ走行を多用するような場面です。

ただ、今まで信号待ちなどの際、クラッチを握ってもニュートラルに入りにくく、何とかしたい!と思っていた最大のポイントでしたが、ピストン径が大きくなったおかげでクラッチが完全に切れるようになり、解消できました。すぐにニュートラルに出来ます。この点は、十分に合格です。

キャブレターは、タンデムでのペースでは何の問題もありません。息つくところも、どこにもありません。むしろ、パワーが有りすぎる感じです。

そんなことよりも、アクセル開度1/10程度でも十分な加速ができます。それ以上開けると、後ろに乗っている妻が、おそらくバイクから落ちます。それを避けるためにも、タンデム走行時にはアクセルの開け方に気を使う必要があります。

タイヤは、もう少しペースを上げないと分かりませんが、今日のペースでは何の問題もありません。楽しく、安心して走ることができます。

富士スピードウェイにて

高速道路を使わずに、明るいうちに帰宅したかったので、後輩君の最後のレースが終わってすぐに、富士スピードウェイを後にしました。


一人乗りでのテスト

富士スピードウェイに行ってから半月ほど経過した夕方、以前のお客様が突然遊びにきてくれました。150馬力オーバーのブラックスペシャル仕様のXJR1300のお客様です。

GW前後も忙しく、ほとんど休めなかったので、筑波サーキット以外ではオートバイにも乗っていません。何気なく、「明日、バイクに乗ろうか?」と言ったところ、すぐに携帯で天気予報を確認してくれ、『明日は天気、良さそうですよ。ちょうど僕も休みですし。』との答えです。

「じゃあ明日、9時に柳沢峠ね。」と言って、話は終わりました。

翌日の朝は、快晴です。ちょっと肌寒いくらいで、絶好のツーリング日和です。タイヤの空気圧を確認し、ガソリンスタンドで満タンにして、出発します。

コースは、以前から時々走るコースで、道が悪くなる箇所も多少ありますが、渋滞もなく信号もほとんど無いコースなので、お気に入りです。

1時間半程度走り、笹子トンネルを抜けた先にある道の駅に着きました。初めての休憩です。平日の早朝は道も空いており、気持ち良く走ることが出来ました。トイレに行き、一息入れて、柳沢峠に向けて出発します。

国道20号線をしばらく走り、塩山に向けて右折します。この後にぶどう畑の中を走りますが、このぶどう畑の景色が大好きです。特に秋の景色は、たまらないものがあります。

その後、柳沢峠までは、程好いワインディングが続きます。随分と前から道路工事をしており、まだ完成はしていません。以前より道路がキレイで快適になり、中速コーナーが増えました。3速でも結構エンジンは回ります。

ほどなくして、頂上のドライブインに到着です。平日なので、さすがにバイクは居ないだろうと思っていましたが、1台、停まっていました。

150馬力のXJR1300

昨晩、ガレージに遊びに来てくれた、お客様のY様のXJR1300です。時計を見ると、9時を少し過ぎたところでした。約束通りに来てくれたんですね♪

柳沢峠から見る富士山

久しぶりの柳沢峠です。富士山も、顔を出してくれました。

その後、Y様と一緒に上野原まで走り、あとはいつもの山道を走って、午後1時前には帰宅しました。


インプレは・・・

二日間走って感じた、交換したパーツのインプレッションです。

22mmピストンのクラッチマスター

まずクラッチですが、握れば重いです。ピストン径が大きくなりましたので、これは覚悟していたことです。ですが思っていたほど苦にはなりませんでした。

私はクラッチレバーは、シフトアップ時にはほとんど握りません。シフトダウン時も、握るのはほんの一瞬です。レバー形状も良く、これはこれで有りかな、と思っています。ですからしばらくは、このクラッチマスターを使っていこうと思っています。

一番恐れていた街中の渋滞ですが、今回は一度も遭遇しませんでした。ですから1速半クラでの走行時のクラッチフィーリングは、まだ良く分かりません。

私が一番改善したかった、停車時のニュートラルの出にくい症状は、改善されました。この点は、十分に合格です。

信号待ちで停止した際、クラッチを切ってニュートラルを出そうとしても、すぐにニュートラルが出る事は稀でした。左手を休めたいのに、クラッチを握りっぱなしにする事も、よくありました。それをしなくて済むだけで、気が楽になります。

レースの時は、最終コーナーの手前でニュートラルを探していました。運よくニュートラルに入ると、惰性でグリッドまで行きます。なかなか出ない時は、グリッドに着くまで左足を動かし続けていたものです。

精度的にはブレンボに負けますが、公道では十分に使えそうです。


ブリヂストン RS10

タイヤは、もちろん私が愛して止まないブリヂストンです。今回、初めて『RS10』を履いてみました。

サーキットほどリアの駆動力もブレーキングの際のGも掛けられませんが、ツーリングを楽しむのであれば、必要十分な性能だと思います。

フロントは、変に軽くて切れ込むような感じもなく、ブレーキングの際の剛性感もグリップ感も十分で、全く不安はありません。私は減速の際、強くブレーキを握りますが、コーナリングの途中までブレーキを掛けていても、十分にグリップ感を感じることが出来ました。

リアは、タイヤがたわむほどアクセルを開けることは公道では出来ませんが、十分なグリップ感を常に感じて走ることができます。何より、温度依存性が無いことが素晴らしいです。

レース用のハイグリップタイヤを履いて、休憩所から出て行く際に転倒したライダーを見たことがありました。昼食後に走り出して、最初のコーナーで転倒したライダーも、見たことがあります。

レース用のハイグリップタイヤは、温度が上がらなければ、全くグリップしません。内圧のコントロールも繊細です。

温度を上げるには、ただ走っていても上がりません。公道でゆっくり走っていては、20分たっても内圧が上がるほどは暖まりません。つまり、公道では役に立たないのです。

でも『RS10』では、そんな心配は無用です。走り始めた際に、タイヤの暖まりを気にする必要はありません。休憩後でも、何の問題もなく走り出すことができます。私が知る公道用タイヤでは、一番のグリップ力です。サーキットに持ち込んでも、十分に楽しめるでしょう。

ただ心配なのは、雨の中とライフでしょうか。こればかりは、自分で体験してみなければ、分かりません。


ミクニTMR・41Φ

キャブレターは、久しぶりのTMR41Φです。空燃比計を取り付けてセッティング作業もしましたので、快調そのものです!

スロットルを僅かしか開けていないパーシャル時も、そこから開けていった際も、息付きやボコ付きといったことは、一切ありません。開けたら開けただけ、オートバイが前に加速していきます。

道路状況の良い場所で、アクセルを1/2以上開けてみましたが、スムーズに吹け上がり、十分なパワーとトルクを発揮します。欲を言えば、MJを5番上げてみたいな、といった程度でした。普段使いでは、不満なところは何もありません。

今まで何台かのXJR1300に、TMRキャブレター取り付けのお手伝いをさせて頂きました。もちろん、セッティングまでさせて頂きました。

  • レーシングキャブレターは、もっと走りづらいのかと思っていたが走りやすい。
  • ゆっくり走るのは向かないと思っていたけれど、どこからでも付いてくる。
  • どの領域でもパワーが一段上がった感じで、走っていて楽しい。

どの方も、このようにおっしゃいます。もちろんそのような状態にするには、セッティング作業が欠かせません。

「夏と冬場では、セッティングを変えなければいけないんですよね。」
そのようなご質問もありますが、私は自分のオートバイのキャブセッティングを、夏場と冬場で変えることはありません。変えればベストでしょうが、一度セッティングを出せば、セッティングを変更することなく、1年中楽しく走ることができます。

TMRキャブレターやエンジン不調でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。