フルカスタムのXJR1300、その13・試乗

フルカスタムのXJR1300ですが、やっと試乗できるまでになりました。

Fサスペンションの動きも気になりますし、スピードメーターのデバイス調整もしなければなりません。まずは近所を一回りして、スピード表示をチェックします。

試乗後のフロントフォーク

4速2,500回転で、スピードメーターは何キロを表示するか・・・。これをチェックして、デバイスを調整します。おおよその目安でスタートしましたが、結構いい線です。

デバイスを修正して、各部をチェックしていると・・・

フロントフォークからオイルが滲んでいるではありませんか。がっかりです。レースに使用していたフォークで、良くメンテナンスもされており、非常に状態は良かったので、オイルシールの交換はせずに組み付けましたが、それがいけなかったのでしょう。

『急がば回れ』とは、よく言ったものです。延長キットを組み付ける際にバラしたのですから、念のためと考え、その際にシールも交換しておけば良かったのです。あとの祭りです。

オイルシールとダストシールを発注しましたが、入荷まで試乗はおあずけになりました。


フロントフォークのオイルシール交換

数日後、パーツが入荷しました。早速、作業を行ないます。先日、近所を一回りした際のサスペンションの動きを元に、油面を微調整しました。

組み付けてストロークさせ、問題がありませんでしたので、やっと待ちに待った試乗ができます。いつもの湖まで行く事にしましょう。コースを選べば、適度なスピードで走れるコーナーもあり、距離も程好く、お決まりのコースです。

途中で2回ほど、フロントサスペンションのセットを変えてみます。オーナーの方は私よりずっと体重が軽いので、そのあたりも考慮し、動くサスペンションを目指してセットを変更します。

YZF-R1のフロント回りですので、硬過ぎで動かない事を一番心配していましたが、しなやかに良く動きます。オフセットがXJR1300に比べ、5ミリほど短くなりましたが、切れ込む感じもせず、良好です。XJR1300特有のモッサリ感が無くなり、動きがダイレクトになった感じです。このままもっと走っていたくなるほどです。

時々、「ついでにサスペンションのセッティングもしてください。」と言われることがあります。でもサスセッティングは、ついでに出来るほど簡単なことではありません。

まず私とあなたでは、体重が違います。好む走り方も違います。一番合わせたい場所もスピードレンジも、おそらく違います。ですから当然ですが、私が走りやすいセッティングとあなたが走りやすいセッティングでは、全く異なるのです。

私のマシンは、私が楽しく走れるようなセッティングになっています。昔から良く知っている仲間でさえ、「高野のバイクに乗ると、サスが動かない。全部が硬い!」と言われます。これは、レーサーでも街乗りバイクでも同じです。でも仕方ありません。これが私の好みなのですから。

セッティングとは、『ネガな部分を一つずつ修正していく』作業です。イヤなところ、ダメだと感じる部分、もっとこうなればいいのに、と思う箇所を、そう感じないように調整していくのです。

  • ①なんだか走っていても、今ひとつな感じがすることがあるんです。
  • ②2速にシフトダウンしてコーナーに入っていく時、フロントがグニャついて踏ん張れないんです。

もし①のように言われても、やりようがありません。今ひとつな感じとは、いったいどんな感じなのかが、全く分からないからです。どんな場面なのか、想像もつかないからです。

でも、②のように言われれば、ある程度の想像はつきます。それを元に、フロントサスがどうなっていて、どうすれば症状が改善するのか、考えることができます。

もしあなたがサスペンションのセッティングで悩んでいるのなら、出来るだけ具体的に伝えてくださいね。そうすれば、ある程度のアドバイスは出来ると思います。


いつものダム湖まで試乗

いつものダム湖まで試乗

いつものダム湖までやってきました。一休みする前に、オイル漏れがないか各部をチェックします。大丈夫です。

缶コーヒーで一服しましたので、帰ることにしましょう。


試乗後のフロントフォーク

試乗後にフロントフォークを確認しましたが、オイル漏れは直っています。動きもしなやかで、硬過ぎることもなく、非常に良いフィーリングです。

変更したタコメーター

変更したタコメーターは、私には馴染みの無い動き方をしますが、見慣れれば、それはそれで良い感じです。

完成したフルカスタムのXJR1300

外装を取り付けて完成した、フルカスタムのXJR1300です。あえて原色を使わずに仕上げましたので、非常に落ち着いた印象を与えます。

お預りした時には、相当な消耗やダメージがありましたが、外観もエンジンもオートバイの動きも、見違えるようになりました。

オーナー様には、このXJR1300で、これからもオートバイライフを楽しんで頂ければ、と思っています。