砂を吸ったレーサーのエンジン

新年を迎えて既に半月が過ぎていますが、昨年は我が家に不幸があったこと、また私が大ケガをしたこともあり、ご挨拶は控えさせて頂いています。ご容赦ください。

正月の数日は、テレビで箱根駅伝を見たりラグビーを見たりで、久しぶりにノンビリ過しました。

箱根駅伝は、20分の距離にある青学は負けてしまいましたが、我が母校はシード権を獲得し、個人的には楽しめた内容でした。

オートバイと共に私が愛して止まないラグビーは、大学は10連覇を狙った帝京が準決勝で破れ、トップリーグは神戸製鋼の15年ぶりの優勝で終わりました。真剣に戦っている姿を見ると、高校生でも大学生でも社会人でも、つい試合に引き込まれてしまいます。


レーサーエンジンのチェック

そんなノンビリした正月休みの後は、まだ直していないレーサーの修理です。

預り車両がいっぱいで車両を置いておくスペースが無い、と社長が言うので、2号店でエンジンを降ろし、砂を吸った恐れのあるエンジンをチェックしてもらいます。2号店の社長は、チームの後輩君です。昔はいろいろと教えましたが、今では立派なオートバイ店の店主です。

「エンジンを降ろすだけならオレでも出来ますので、やっておきますよ。」
何とも心強いお言葉です。甘えましょう。

ついでに、R1のエンジンO/Hもしちゃいますか?
「いえいえ、R1のエンジンはオレにはできません。社長に届けます。」

そして3日後、エンジンのチェックが終わりました。思った以上に早い仕上がりです。R1エンジンが2機、600が1機、オーバーホール待ちの状態です。その他にも旧車のZがシリンダーまで外されている状態です。社長、忙しい中仕上げてくれて、ありがとうございます。

今回のレーサーエンジンは、オーバーホールではなく、あくまでも転倒で吸い込んだであろう砂のチェックだけです。ヘッドは分解していませんし、ピストンリングも交換していません。

1月24日 追記)
「ヘッドはバラして、バルブのすり合わせとチェックくらいは、ちゃんとしたぞ!」
社長、すみません(汗)。ありがとうございます。

ちなみに現在のスーパースポーツ系のエンジンは、レースに使用すると寿命が短いです。全日本で使っている600ccなどは、1年でクランクどころかケースまでガタガタになり、再使用できません。

私のレーサーエンジンも、中古エンジンでしたので、いつまで持つか分かりません。走行距離は短いとはいえ、先の事も考えておかなければ、レースを続けられそうにありません。

どうなることやら・・・


レーサーのエンジンを積む

エンジンが終われば、車体に積まなければなりませんが、これが簡単にはいかない・・・

別の車両の鉄フレームに無理やり積んでいるのですから、エンジンを載せるのも知恵の輪状態です。このフレームに、よく積んだものです。さすが社長です。

「出来そうも無い事をするのが好きなんだよなぁ~」という方だから、こんなことも出来たのでしょう。

そんな知恵の輪エンジン積みの作業には、社長以外にも慣れているヤツがいます。FZSレーサーを造ったK君です。彼の車両にはリハビリを含めて2回乗っていますが、良く出来ています。そのK君にも手伝ってもらい、3人で積み込み作業の開始です。

3人でFZSレーサーエンジンの積み込み

社長はよくこんな車両を作ったなぁ~、などと言いながら、あ~でもない、こ~でもない、と普段はエンジンには使わない工具も使いながら、狭いフレームにエンジンを押し込むように載せていきます。

そして1時間後、なんとかエンジンを所定の位置に収める事ができました。

FZSレーサーエンジン積み完了

あとはラジエターやマフラーを取り付けていけば良いだけです。一人でも出来る作業です。

その前に、曲がったマフラーを何とかしないといけません。一旦切断して曲がった部分を切り取り、新たにパイプを溶接するしかないのかなぁ~、そんなふうに思っていましたが、さすが我が社長です。バーナーでチタンマフラーを炙り、「ホレ、力を入れて曲げろ!」

そんな作業を10分ほどして、ほぼ元の形状に戻りました。ただ、サイレンサーだけは、巻きなおしを含めた修理が必要です。音出しが終わったら、いつものマフラー屋さんに行く事にしましょう。


フレームのステー切除

そんなレーサーいじりの合間にも、XJR1300の作業はしていました。

XJR1300のセンタースタンドステーのカット

現在お預かりしている車両は、全てがバラバラの状態です。フレームも、このようにフレーム単体の状態です。

この後、塗装をするのですが、オーナー様のご要望で、重くてジャマなセンタースタンド取り付け部をカットしました。

これをすると、マフラーの自由度は格段に向上します。市販マフラーではなかなか出来ないことですが、センタースタンドとこのフレームに溶接されたステー部を切除すれば、集合部の位置や後部の角度を自由に設定でき、バンク角も深くすることができます。

センタースタンドを使わないのであれば、こんな不要なものがあってもジャマなだけですし、削り取ればスッキリとして、軽量化にも貢献します。

オイルクーラーステーのカット

ということで、同じ理由で前部のオイルクーラーステーも、同様に切除します。社外のオイルクーラーを使用する場合、この円形のステーは使いません。私の車両も、センタースタンドとオイルクーラーのステーは、切除されています。

ただこれらの作業は、このようにフレーム単体にしなければ、キレイに削り取る事ができません。その後の塗装も必要です。

そこまでしてみたい!と思う方は、遠慮なくご相談くださいね。

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