久しぶりの筑波サーキット

筑波サーキットのコントロールタワー

11月の終わりに、久しぶりに筑波サーキットを、コッソリと走ってきました。

今年は秋のテイストには出場しませんでしたので、練習走行も全くしていませんでした。春に起こったアクシデント以来の走行、ということです。

でも不思議と、怖いとは全く感じませんでした。ツーリングでも問題なく走れましたし、特に不安はありませんでした。そもそも、怖かった記憶は何もありません。人間って、本当に良く出来た生き物なんですね。


久しぶりの寒い朝

早起きして筑波に向かうのは、半年ぶりです。遠足の日の子供は、起こされなくても早起きするものですが、いい歳したオッサンでも、どうやら同じようです。筑波に行く日は、目覚ましが鳴る前に、不思議と目が覚めるのです。

今日は近所の後輩君と一緒に行くので、彼の店まで行き、車に便乗させてもらいます。それにしても、その後輩のI君、高速道路を飛ばします。オンボロな車なのに、大事なR1を積んでいるのに、150キロで走ります。

「何で筑波で飛ばさないのに、高速で飛ばすの?」
「サーキットでも、それくらい速く走ればいいんだよ。」

そう言って、スピードを落とさせます。これで安心して、助手席に乗っていられます。

この後輩君、バイクの運転は下手です。遅いです。なのによく転びます。そこで付いたあだ名が、『クラッシャー』!!

以前は、なんでそのタイムで転ぶの?と思うほど、筑波でよく転びました。ツーリングでも、工事中の鉄板の上で転びました。昼食を食べたソバ屋を出てすぐに、橋の上で転びました。なので、クラッシャーというあだ名は、何も間違ってはいません。

高速を下りてサーキット近くのコンビニに寄りましたが、寒いものの、コンビニ裏や回りの畑に霜は降りていません。11月の終わりにしては、暖かいのでしょうか。

以前は、秋のテイストは12月に開催されていました。直前の練習に行く際、コンビニに寄ると、回りの畑は霜で真っ白だったものです。今思えば、よくそんな時期に走っていたものです。

昔、『バトル・オブ・ザ・ツイン』という、シングルとツインのレースが開催されていました。しばらくの間、毎年出場していました。人気のあったレースで、今思い返しても豪華なメンバーがライダーとして出場していました。

そのレースは、なんと1月15日、昔で言う『成人の日』に毎年開催されていました。タイヤウォーマーなんていう便利な物は無く、極寒の中、スリックタイヤで走りました。グリーンに出れば霜で転倒するような状況で、良く走ったものです。

そう言えば一度、1月の練習走行で、ピットに入ろうとスローダウンしたらグリーンにはみ出てしまい、霜で転倒して、装着したばかりのマグホイールを曲げたことがありました。オーナーのI君には怒られ、帰ってバイクを直すハメになりました。

若かったから走れたのでしょうか。エネルギーを持て余していたのでしょうか。今、そんな状況で走れ!と言われたとしても、丁重にお断りさせて頂きます。

早朝の筑波サーキット近くのコンビニに寄って、そんな事を思い出していました。


乗ったバイクは・・・?

実は自分のレース車両は、まだ直っていません。そこで今日は、後輩のK君のバイクを借りて走ります。

レース車両を一度はチームのショップに持ち込んだのですが、忙しい事やヘッドに砂が入り込んでいそうなことから、冬の間にジックリ直そう、ということになり、持ち帰ってガレージの中で熟成させています。

それは良いのですが、秋のレースに出場せず、次回の走行が来春になれば、1年間も筑波を走らないことになってしまいます。身体も回復していますので、なんとか走って、少しだけでも感覚を取り戻しておきたい、そう考えていました。そこで、後輩のK君に頼みました。

こんな時、持つべきものは『優しい社長と可愛い後輩』です。

後輩君のFZS1000レーサー

これが、今日乗らせてもらう後輩K君のレーサーです。私のレーサーと同じ、ヤマハFZS1000がベースになっています。

以前に一度乗った時は、足回りのセッティングが上手くいっていない時で、「高野さん、一度乗ってみてください。」と言われて乗りました。乗ってみると、S字でFが大きく振られるという、なんとも怖い状態でした。

その原因を考えながら、サスセッティングについて幾つかアドバイスをしましたが、その後セッティングを変更し、S字の振られは無くなったということです。今日は何事も無ければ良いのですが・・・

後輩君の2台のレーサー

黄色のレーサーは、後輩K君がいつも走らせているFZ750です。古くて遅いオートバイですが、こんな車両でK君は2秒台で筑波を走ります。一度乗りましたが、ビックリするほど遅いです。よくこんな遅いオートバイで、2秒なんて出すものです。

先日のテイストでは、予選でエンジンブローして、決勝レースは走らなかったようです。今日は、エンジンを積み替えての走行です。K君、FZ系のエンジンやパーツを沢山保有していますので、レース直後なのにエンジン積み替えなんていう事ができるんですね。さすがです。


走行後の感想

走っている時にも、走行が終わっても感じた事は、『やっぱりオートバイで走るのは楽しい!』ということでした。

今日は、無理せずゆっくり走ろう、と決めていました。病み上がりで、久しぶりの走行で、しかも人様のオートバイです。万が一にも転倒する訳にはいきません。

友人たちには、「今日は人間の慣らしだから!」と言っていました。「今日の目標は5秒を切ること」とも言っていました。抜かれたり知ったツナギを見ても、絶対に熱くならない、と決めていました。

後ろから速そうなライダーが来たら先に行かせて、時々ピットに入って冷静になって、とにかく気を付けて走行しました。

オートバイの動きを感じながら、タイヤのグリップを感じながら、人の走りを冷静に見ながらの走行になりました。その結果、分かったことは、「このバイクじゃ飛ばせないぞ。」という事と、『バイクで走るのは楽しい♪』ということ、そして「やっぱりクラッシャーは遅くて下手!」ということでした(笑)。

K君のFZSレーサーは、造りは私のマシンと似てはいますが、セッティングや調整部分が全く異なっています。思い切って突っ込むことも出来ません。S字でRが変な挙動を起こします。でも今日は、そんな調子だから無理することもなく、丁度良かったのかもしれません。

目標タイムはすぐにクリアし、2走行目は2秒台に入りましたので、人間の慣らしとしては、今日のところは合格ということにしておきましょう。それよりも、安全に無転倒で!が達成できましたので、なによりです。

オートバイはイジるのも楽しいですが、やっぱり一番楽しいのは、自分で走ることです。ツーリングもサーキットも、楽しいです。

この調子で、いつまでもオートバイで走っていたい!と改めて思った、久しぶりの筑波走行でした。