オイル漏れ修理

気が付けばレースまであと1ヶ月、そろそろ動き出さなければなりません。8月の走行会で、恥ずかしいことにオイル漏れで走行不能に陥った我がレーサーの、オイル漏れ修理です。

お客様のエンジン製作の合間をぬっての作業は、半日掛かりとなりました。


簡単な部品なのに・・・

オイル漏れを起こした原因は、特定しています。パーツもとっくに入手済みです。ではなぜ、修理がここまで後回しになってしまったのか・・・

一番の原因は、簡単なパーツ交換をするために、大掛かりな作業が必要になるからです。

取り外したレーシングラジエター

まず水を抜いて、ラジエターを取り外します。度重なる転倒で、相当にくたびれてしまいましたが、巨大で高価なレーシングラジエターです。まだ役目は全うしていませんので、これからもエンジンをしっかりと冷やしてくださいね。

取り外したマフラー

次にマフラーを取り外します。オイルが滴り落ちていた2番の部分が、オイルでテカっています。パーツクリーナーで油分を除去し、しっかりとキレイにしましょう。

エンジンオイルを抜きます

マフラーを取り外したら、エンジンオイルを抜きます。オイルを抜かないと交換作業ができません。そして取り外したパーツが、下記のものです。

取り外したオイルフィルター

僅かなオイル漏れは、漏れている部分を特定するのが難しいことがあります。今回も、エンジン下部のどこかでオイル漏れを起こしていたのですが、すぐには特定できませんでした。

まず一番に疑うべきは、ドレンボルトです。その次は、オイルパンです。しかしどちらも、問題はありません。全てのネジも締まっています。この部分は、マフラーやラジエターホースがあるので、手も入りません。しかし、広い面積にうっすらとオイルが付着しています。

パーツクリーナーを大量に吹きかけて油分を飛ばし、エンジンを掛けて、どこから漏れているのかを探します。マフラーの2番にオイルが垂れている、ということは、その上にあるオイルフィルターか・・・

よく見ると、水滴状になって垂れそうなオイルが一滴あります。ここのOリングが圧力に負けて破損したか、劣化したか、おそらくそのどちらかでしょう。

ということで、オイルフィルターの交換です。

水を抜いてラジエターを外し、マフラーを外し、エンジンオイルを抜いて、やっとアクセスできました。値段にすると1,000円程度のパーツでしょうが、この作業がつい億劫になり、今まで後回しになっていた、という訳です。

オイルフィルターのOリングにグリスを塗布し、新しいものに交換します。このパーツさえ交換したら、また元のように戻していくだけです。

完成したFZS1000レーサー

マフラーを取付け、ラジエターも取り付けました。オイルを入れ、続いて水も入れます。フィルター交換したので、オイル窓から見えるオイル量は間違いなく減ります。エンジンを少し掛けた後、オイルを追加して規定量に調整します。

しかし水は、もっと厄介です。簡単にはエア抜きが終わりません。ラジエターキャップを開けたままエンジンを掛け、水をラジエターに注入します。その後は、オートバイを45度くらいまで傾けて、エア抜きをします。その度に水を追加して、またエンジンを掛けます。

そんな事を5、6回繰り返したところで、やっと落ち着いてきました。あとはサーキットに行ってから、続きを行います。

こうして、半日掛かりでのフィルター交換作業は、やっと終了です。もうすぐSOHC製ピストンも完成しますので、ピストンを組み込むお客様のエンジンを組み立てていかないと・・・