XJR1300の面白カスタム構想

MT-09
(出典:ワイズギア)

先日、友人のバイク屋に行くと、MT-09のカスタム車が作業中でした。その車両のフロントに、このKYB製サスペンションが装着されていました。

XJR1300のフロントサスペンションを交換しようと思うと、今どきのスーパースポーツ用では長さが足りません。かといって、誰もが付けているゴールドの43ミリ正立フォーク(オーリンズ)では、面白くもなんともありません。

ワイズギアKYBサスペンション

このKYB製フロントフォークは、ワイズギアで販売しているものですが、見た目も派手でなく、長さも丁度良さそうに見えます。このフロントフォーク使って、XJR1300をどんなマシンに仕上げたら楽しそうか、少し妄想してみました。


一からXJR1300を造る

マシンコンセプトは、ずばりコレです。

XJR1300C
(出典:MotoRide)

XJR1300C
(出典:MotoRide)

今までに数多くのXJR1300カスタム車を見てきましたが、XJR1300Cをベースにしたカスタム車両は見た事がありません。発売時期を考えれば、当然と言えば当然なのですが。

外見はこのようなイメージで、その中身は羊の皮を被った狼、といった、走れる車両にしたら面白いんじゃないか・・・そう考えてみた訳です。外観イメージが、今までのXJR1300カスタム車両とは、全く異なりますから。

しかし、XJR1300Cを入手しても、インジェクション車ですし、エンジンをチューニングするにも簡単ではありません。インジェクションをキャブレターに変更することもできません。それでは車検に通りません。


XJR1300をカスタムしたりイジる時は、個人的には94~99年式がベストだと考えています。00年からはエアインダクションシステムが装着され、EXポートには穴が開いています。もちろん、メーカーが規制や環境を考えて装着したものでしょうが、余分なものは極力取り付けたくない性分なので、このエアインダクションは取り付けたくありません。

06年からのインジェクション車は、カスタムベースとしては現在は全く考える事ができません。レーシングキャブレターの装着が出来ないからです。それは、物理的にではなく、法規的にです。

インジェクションも今ではセッティングができるのではないか・・・と言われる方もいらっしゃるでしょうが、レースキットの配線やイグナイターを使わない限り、現状では難しいのです。

ですから、私が造るとすれば間違いなく94~99年式の車体(フレーム)をベースにします。

そんな時のために、書類付きフレームを一つ持っています。このフレームを使って、XJR1300Cをイメージした走れる車両を造ったら面白そうだなぁ~。

ということで、妄想の始まりです。


車体まわり

できるだけ軽くしたいので、フレームのセンタースタンド取り付け部や余分なステー類はカットします。それらをキレイに仕上げた後、塗装します。

フロントフォークは上記で紹介したKYBを使い、リアサスペンションは、アラゴスタあたりが面白そうです。もちろん、STDよりも全長を長く設定します。

スイングアームは、XJR1300のSTDで問題ないでしょう。以前、短いスイングアームをテストした事がありますが、結局STDに落ち着きました。長いスイングアームにも試乗したことがありますが、とてもスポーツできる操縦性ではありませんでした。強度的にもSTDで全く問題はありません。ただし、イメージに合わせるためにブラック塗装すれば、より一層精悍になると思われます。

ホイールは、欲を言えばマルケジーニアルミ鍛造が良いですが、高価です。予算的に厳しい場合は、MT-09のカスタム車両で外したSTDホイールを使用すれば、安価にできそうです。デザインも良いですし、なにより現在のSTDホイールは軽量です。


エンジン

99年式のエンジンを保有していますので、これをフルオーバーホールして使います。

全くのSTDでは面白くありませんので、ポート研磨やインシュレーターの拡大程度は、当然行います。ピストンはSTDのままで、シリンダーヘッドの面研磨で圧縮比を少し上げたいところです。0.5ミリ程度の面研磨だけで、下のトルク感が全く変わります。

カムシャフトは、ヨシムラST-1が街乗りには良いのですが、現在は廃盤です。アメリカ製の肉盛りカムかSTDか、迷うところです。

キャブレターを変更し、それに伴いパワーアップしますので、クラッチはダイヤフラム式からコイルスプリング式に変更し、滑りを防止します。

外観が汚れていますので、サンドブラスト処理した後、塗装します。イメージを考えれば、半ツヤ消しのブラック塗装がカッコ良いでしょう。

ブラック半ツヤ塗装されたXJR1300エンジン


吸排気

吸気は、エアクリーナーボックスを取り外して、TMRキャブレターを使用します。口径は40パイが使いやすいでしょう。

TMRはFCRと比較して、よりパワー感を感じることが出来る、と個人的には思っています。なにより作りがFCRよりも良く、FCRのようにボディが消耗品、なんていうこともありません。

マフラーは、少し悩むところです。最近のレーサーっぽい形状とサイレンサーでは、おそらくイメージに合いません。いつもの方にワンオフで作ってもらうことになるでしょうか。材質は、もちろんチタンです。軽量化は最重要事項ですから。


外装

外装パーツは、やはりXJR1300Cのものを使いたいです。そこで金額を調べてみました。

  • タンク 16万円
  • シート 3万円
  • サイドカバー 片側4万円

これだけで30万円近くも掛かってしまいますが、これは仕方ありません。外観イメージは大事ですからね。


その他

ブレーキは、ヤマハ純正のMOSキャリパーでも、性能という点では、待乗りだけであれば十分でしょう。コストに余裕があればブレンボを使いたいところですが、マスターやディスク板までブレンボとなれば、相当なコストが必要になります。

ブレンボはマスターだけにしておき、キャリパーはヤマハ純正を使う事としましょう。


あくまでも、これらは私の妄想です。すぐに造り始める訳ではありません。
でも、こんなXJR1300があったら、きっと面白いだろうな、と思っています。

コスト的には、200万円以上は間違いなく必要でしょう。でもXJR1300Cの新車が135万円であることを考えれば、これを購入してカスタムするよりも遥かに安価で済むことになります。しかも、厳しい排ガス規制による制約もなく、楽しいマシン造りが出来るのです。

外観イメージはXJR1300Cでも、オーバーホール&圧縮比アップしたエンジンが積まれ、しっかりした足回りとTMRキャブレター等で、走れるXJR1300が出来ます。

誰か、造って欲しい!という人はいないかなぁ~

もし、造って欲しい!と言う方がいらっしゃれば、当ガレージまでご相談下さいね。