リアサスペンションのオーバーホール完了

XJR1300に取り付けられたクァンタムのリアサスペンション

5月のノンビリツーリングでオイルがダダ漏れになり、オーバーホールに出したXJR1300のクァンタムRサスペンションですが、ようやく出来上がりました。

依頼先のショップは、サスペンションの担当者も含めて以前から良く知っています。全日本などのレースにも関わっている関係上、この時期は忙しいのは分かっています。「これはオレの街乗り用のだから、いつでもいいよ」と言ってしまったばかりに、2ヶ月経っても出来上がってきませんでした。

とりあえず、転がし用に20年以上前のSTDサスを取り付けましたが、これで走る気には、到底なれません。しかも、そんな時に限ってバイクに乗りたくなるのです。

8月の上旬、八王子まで出かけたついでに依頼したショップに寄ってみると、「出来てるよ!」と嬉しい返事と共に、こいつが返ってきました。

オーバーホールの済んだクァンタムのリアサスペンション


クァンタムの初期型

このサスペンション、購入したのは20年以上前になります。当時はオーリンズの2本サスはまだ発売されていませんでした。ライバルのM選手は、オーリンズのモノサスを2本使ったりしていました。

STDサスではどうにもならず、攻めることなど全く出来ません。そこで、発売されたばかりのクァンタムを購入しました。ただ、アジャスタブルタイプではありませんので、イニシャル調整くらいしか出来ません。なので、O/Hキットも合わせて購入しました。

クァンタムのオーバーホールキット

このO/Hキットには、分解するための特殊工具、調整用のシム、オイルシール、オイル等が含まれていました。実際に走行すると、はやり減衰を調整したくなります。スプリングのレートも変えたくなります。

走行後、サスペンションをバラし、シムを組み替え、オイルを入れて組み直します。しかし、どのシムをどう使ったら良いのか、どんな組合せだとどうなるのか、そんな知識はまるでありません。しかも、実際に筑波まで行って走行してみなければ、結果は分かりません。

私はライダーであって、チューナーでもメカニックでもありません。速く走りたい一心でそんな作業をしてみましたが、上手くいくはずもありません。

そんな時、思い切ってクァンタムに相談してみると、思いもかけずサポートしてくれる事となりました。

それからは、走行したインプレッションと要望を伝え、サスを取り外して送ると、仕様を変更して送り返してくれるという、非常に有難いサポートを長期に渡って提供してくれました。

走る立場で言えば、自らが行なわなければならない作業が減れば減るだけ、その分、走ることに集中できます。当然それは、タイムや順位という結果になって表れます。

サポートして頂くという事は、結果を残して恩を返さなければなりません。その商品やブランドの良さを、周りに広める役目があります。ですから、サポートを一つでも頂いた時点で、自分一人だけのレースでは無くなります。責任も発生します。背負うものができるのです。

レース参戦時のクァンタムのリアサスペンション


クァンタムのサポート

クァンタムの有難いサポートは、私がXJR1300でレースをしている間、ずっと続きました。

スプリングだけでも、レート違いや自由長違いを何本も使わせて頂きました。サスペンションの全長も換えて頂きました。減衰の調整機能も付けて頂きました。何度もオーバーホールして頂きました。ボディも換えて頂きました。シャフトも交換して頂きました。

I様、本当に有難うございました。私のレース活動が、クァンタム様のブランド力の強化や商品開発に、ほんの少しでもお役に立っていれば良いのですが・・・

当時、XJR1200・1300ユーザーには、ブリヂストンタイヤ、ワコーズオイル、ミクニTMRキャブレター、クァンタムサスペンションのユーザーが他車種よりも多い、というような話を何度か聞いた事があります。

どのような根拠があったのかは分かりませんし、数字的なデータがあったとも思えませんが、もしそれが本当なら、それは非常に嬉しいことです。応援して下さるメーカー様に、ほんの少しですがお役に立てたということですから。

レース活動なんて、所詮一人ではできません。応援してくれる仲間やチーム、企業様、メーカー様たちがいてくれるからこそ、長く続けられるのです。


街乗りマシンがクァンタムな理由

そのような経緯やお付き合いがあったからこそ、私はクァンタムに対して特別な思い入れがあります。サスペンションも、当然オリジナルな仕様になっていますので、今でも非常に気に入っています。

だから街乗り用のXJR1300を造った際、リアサスペンションはそのままクァンタムを選びました。多少柔らかく設定し直してはいますが、基本はレース仕様のままです。友人に乗らせると、「サスが硬くて動かないから、まともに走れない。」と言ったりもしますが、私が気に入っているのだから仕方ありません。

今回のオイル漏れでオーバーホールする際、シャフトを含めてダメージが大きい場合は、気になっているサスペンションもありますので、変更も考えていました。

でも結果は、シール交換程度で、全く問題はありませんでした。オーバーホールを担当したHさんの、「まだまだ当分使えるよ!」とのお墨付きももらえました。

なので、これからもこのクァンタムを使い続けます。エンドアイの左右の色違いやバネの塗装の痛みなど、全く私は気にしません。そもそもバネの塗装の痛みは、自分で転倒して付けたものですから・・・

クァンタムサスペンションのエンドアイ部