もてぎでレース観戦

ロードレースの全日本選手権を観戦しに、11日の日曜日にツインリンクもてぎに行ってきました。

レース数が昔より減り、クラスによっては年間6戦しかありません。一番身近な筑波では、JSB(1,000cc)のクラスも無くなり、全クラスを見るにはツインリンクもてぎに来るしかありません。

しかし圏央道が開通したおかげで、3時間もかからずに行く事ができます。こんな時にしか会えない顔もあります。頑張っている友人もいます。たまには会いに行ってきましょう。


RSイトウ

まずパドックに着いて真っ先に行くのは、「RSイトウ」のピットです。監督とは、もう30年以上の付き合いです。もちろん今日のパスも、彼のチームのものです。いつもありがとうございます。

彼のチームは、今年は全日本に6台も走らせています。2台でさえ大変な時代に6台とは!整備やテストも含め、並大抵の労力ではありません。頭が下がります。

昨年から高校生も走らせており、しかも皆、元気で速い!もう、『8耐のためにトレーニングしてるから、いつでも大丈夫だよ!』と15年以上使っている冗談も、そろそろ止めにした方が良さそうです。出る幕は全くありませんから。

昔、夜中までバイクをイジって、よく彼の家に泊まりました。徹夜で整備して、そのまま筑波に行ったこともありました。彼の部屋でビールを飲み、トイレに行くのが面倒で、窓から二人でオ○ッコしたこともありました。

彼の整備したバイクで、痛い思いをしたこともありました。怖い思いをしたこともありました。それ以上に、楽しい思い出をたくさん作りました。

そんな彼ですが、今や『カワサキと言えばRSイトウ』と言われて、全国からライダーが集まってきます。優しいヤツだから、つい面倒を見てしまうのかもしれませんが、6台はやり過ぎです。無理のし過ぎで身体を壊さないか、いつも心配になります。

でも、相変わらず元気そうなので、まだしばらくは大丈夫でしょう。


ヤマハワークスチーム

次に行くのは、やはり1番ピットを使うヤマハのチャンピオンチームでしょう。

このチームの監督は、カタクラの後輩です。そうは言ってもワークスチームです。ピットに入る訳にはいきません。たまたま外にいたので、二言三言、言葉を交わします。まあ時々会っていますので、今盛り上がる話もありません。

ブラブラしているうちに、GP3のレースが始まります。パドックを抜け出して5コーナー脇の道路に移動します。ここは、振り返れば2コーナーの立ち上がりを見る事も出来ます。4コーナーの立ち上がりからも見る事が出来ます。もてぎ一番のお気に入りポイントです。

GP3には、筑波でインストラクターをしている小室選手が出場しています。事前テストでは良くなかったと言っていましたが、予選3番手です。どんなレースを見せてくれるのでしょうか。

レース内容は長くなるので省略しますが、イヤイヤ良いレースを見せてくれました。終始トップグループにいて、途中何かのアクシデントがあったのかトップから5番手に順位を下げましたが、そこから巻き返します。

最終ラップでランキング争いしている20歳の選手を抜き、2位でゴールしました。ベテランの意地でしょうか。なんだか今日は、やけにカッコ良く見えました。これでランキングも単独トップです。

今年が最後のチャンスかもしれません。何とか念願のチャンピオンになって欲しいものです。チャンピオンになったら、もうツーリングでイジめるのは止めます。ご褒美にダンゴでもおごりましょう。えっ?実家がダンゴ屋でしたっけ・・・?


懐かしい顔

GP3が終わりパドックに戻ると、ヤマハの監督が誰かと話をしています。監督が「高野さ~ん!」と呼ぶので近づいてみると、一緒にいるのは久しぶりに会うK君ではないですか。

K君、ジュニアの時代はよく転ぶけど速かったなぁ~。同年代のレース経験者なら、その事は誰でも知っています。

10年ほど前までは、時々ツーリングにも一緒に行っていましたが、諸事情でオートバイを売ってからはご無沙汰でした。少しの間、3人で昔話で盛り上がります。

監督:「3人で750で一緒に走ってたのは、確か1990年とかですよ。」
K君:「随分昔の話だよね。」
私:「もう27年も前だぞ。」

K君:「高野さん、俺バイクを買いましたから、またツーリングに誘ってください。」
監督:「オレもMT09買いましたよ。」
私:「じゃあ、3人でツーリングに行くか?」

そんな話をしていると、K君の友人が、『豪華な3人がせっかく揃ったのだから、写真を撮りましょうよ。』と言い出し、携帯で写真を撮ります。ついでに、私の携帯でも撮ろうとしたら、何故か撮影モードになりません。

でも、豪華なのは両脇の二人です。昔もこの二人には、全く歯が立ちませんでしたから。真ん中のオッサンは、ただのバイク好きです。

おじさん3人


ピットウォーク

お昼休みを利用してピットウォークが行われました。せっかくなので歩いてみましょう。

ヤマハのワークスチームは、やはり一番の人だかりです。ライダーがいるのかどうかすら、見えません。素通りします。少し行くと、チームノリックの良く知ったメカがウロウロしています。こんなところで話さなくてもいいような話を、オッサン二人でコソコソして、また歩き出します。

ピンボケのメカニック

次に目に付いたのは、長年GP2を走っているO君です。せっかくなので写真を撮ります。少しオッサンになったような気がしましたが、ツナギとマシンのカラーリングは爽やかです。

走り続けるオッサン

ピットロードも終わりに近づいた場所に、先ほど良いレースを見せてくれた小室君が、マシンに跨っています。カメラを構えて、ソッと正面に回ります。

「写真を撮ってもいいですか?」
『はいっ!ぜひ撮ってください!』
連写モードで撮影します。

「サイン、書いて頂けますか?」
『させて頂けるのなら、ご自宅まで伺って書かせて頂きます!』

この可愛いキャラが大好きです。もうツーリングで付いて来れなかったクセに、とか、チャンピオンを取り損なった、などと言ってイジるのは止めます。秋のツーリングには、是非チャンピオンとして来て下さい。

ただ今、ランキングトップ!


祭りのあと

全てのレースを見終わった後、RSイトウのピットに行きます。その頃には、どのチームも後片付けをしています。華やかだったパドックも、まるで祭りの後のように少し寂しげです。

パドックパスを返し、しばらく話をします。あっ、思い出しました。
「今日、サス箱持ってきている?」
『あるけど、何・・・?』
「オーリンズの10kgのバネが欲しいんだけど・・・」

めでたくバネをゲットしました。
『8月の走行会、海のおじさんも来るから、来いよ。』

真夏の筑波は暑くて、まるで修行のようです。タイヤはすぐにズルズルになり、ライダーは暑さですぐにバテます。このところ行っていませんが、今年は久しぶりに行く事にしましょうか。