車両完成!

朝ポストの中を確認すると、小さなビニール袋が入っていました。優しい後輩が届けてくれた、FCR用リターンスプリングです。

FCR用リターンスプリング

左が取り付けられていた120%のスプリング、右がこれから組み込む75%のスプリングです。

そもそもFCRキャブレターは、レーシングキャブレターです。それを公道使用するためには、定期的なメンテナンスは欠かせません。メンテナンスを怠れば、特にエアクリーナーを取り付けていない場合は、トラブルが起きやすくなるのは当然です。

最も起きて欲しくないトラブルが、スロットルバルブの張り付きです。スロットルバルブが張り付けば、いくら右手でアクセルを戻してもエンジンの回転は下がりません。考えたくはないトラブルです。

そのような事を防ぐためもあって、ケーヒンはこのように重いリターンスプリングを、初期設定の段階で取り付けているのでしょう。しかしこれでは、私は乗る気も起きません。

車両オーナーの方も、高速を使った500キロの日帰りツーリングで、右手首が痛くて腱鞘炎になった、とお話されていました。ならば、リターンスプリングを交換しましょう。


FCRキャブレターのリターンスプリング交換

FCRキャブレターをバラしてみたところ

リターンスプリングは、キャブレターのほぼ中央に組みつけられています。スプリングだけを簡単に交換することはできません。少なくともボディ半分をバラして取り外す必要があります。

このキャブレターはほぼ新品に近い状態ですので、O/Hの必要はありません。普段バラし慣れているミクニ製TMRとどう違うのかを、検証も兼ねてバラしてみました。

フムフム、なるほど・・・


緊張の一瞬

思った以上にリターンスプリング交換に時間が掛かりましたが、キャブレターを組み立ててエンジンに取り付けました。

ガソリンタンクを組み付け、外しておいたバッテリーの配線をつないで、セルボタンを押します。何度エンジンを組み立てていても、一番緊張する瞬間です。

キャブレターのガソリンが空の状態ですので、少し時間が掛かります。
「キュルキュルキュル・・」、エンジン始動です。いくら大丈夫なハズ!と思ってはいても、エンジンが掛かるまでの少しの時間は、不安と緊張に襲われます。

そしてエンジンが無事に始動し、スロットルを少しレーシングさせて調子の良い事を確認できた時が、一番嬉しくなる瞬間です。

エンジンの調子が良いことを確認したら、すぐにエンジンを止めます。調子に乗ってエンジンを掛け続けてはいけません。何故かって・・・?

エンジンをフルオーバーホールした際は、オイルを塗布しながら組み立てますが、出来上がったエンジンの各部にエンジンオイルは回っていません。エンジンを始動させる前にオイル確認窓の上端程度までオイルを入れますが、それでは量は全く足りません。

始動させてエンジン内部にオイルを回し、一旦エンジンを停止し、再度エンジンオイルの量を確認する必要があります。ですから、いくら調子が良いと分かっても、そのまま油温が上昇するまでエンジンを掛けてはいけません。

エンジンオイルを規定量まで追加し、再度エンジンを掛けます。FCRキャブレターのリターンスプリングを変更し、アクセルワイヤーの取り回しも変えましたので、スロットル操作は格段に軽くなりました。

ちなみに、あるオートバイショップにてFCRキャブレターとアクセルワイヤーは取り付けてもらったそうですが、何故かワイヤーはタンク下のフレームをまたぐように、S字になっていました。そうする理由は、一つも無いと思うのですが・・・


走行前の最終点検

エンジンオイルを追加し、再度エンジンを掛けて、排気漏れや機械音、その他の箇所をチェックします。問題がなければ、ある程度油温を上げてエンジンを止めます。

次に、走行するための最終調整、チェックです。

クラッチのエア抜き作業

クラッチのエア抜き作業

まずは、ちょっと怪しい気がするクラッチのオイルです。プッシュレバーはキレイでしたが、エアが噛んでいる気がしましたので、マスター側とプッシュレバー側、両方共にエア抜きをします。

また、チェーンの遊びが大きすぎましたので、これも適正な遊びに調整します。タイヤの空気圧も高めでした。これも調整します。

これで、気になる箇所は無くなりました。タンク以外の残りの外装パーツを取り付けて完了です。

ところが・・・

カウルやアンダーカウルの取り付けビスに、ナメているものが数本見られます。オートバイショップで取り付け、整備されたハズですが、何故このようなビスをそのまま使うのでしょうか・・・

再使用不能の取り付けビス

取り外す際、やっとの思いで取り外したのですが、部品の注文をすっかり忘れていました。

左は六角、右はプラスネジですが、両方共に丸くえぐれています。丸ネジって、無かったと思うのですが・・・。どうやって締めたのか、どうして再使用したのか、それとも締める際にこうなったのか、不明です。

黒のビスはありませんが、ナメているビスは全て手持ちのメッキビスに交換します。これで、明日の試乗に気持ちよく出かけられます。


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